先史文明研究員がテラ人になって転生し続けている話   作:Calく

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統合戦略の世界線とはまた少し異なった世界線となっています。
統合戦略のネタバレを踏みたくない人はブラウザバック推奨。



【閑話】ある世界線の主人公(統合戦略#5のEND5、後日談その4のネタバレ注意)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この大地の人々は長い間サルカズを見なかった。カズデルという都市が滅亡した後、彼らのほとんどが姿を消した。少なくとも各国ではそのような声明を発表した。

 

彼らが迎えるのは剣であり、矢であり、死だった。

 

カズデルが崩壊した後、彼らの規模は再び縮小し、結局彼らは緩い社会構造さえ維持することができなかった。

 

最後の首が落ちてサルカズの絶滅が宣言され、一時の栄光も歴史の中に消えた。

 

共同の敵が完全に全滅した後、「一緒に敵と戦った」多くの国は再び紛争に陥った。彼らはサルカズを屠殺する時よりも熱狂的にかつての戦友を潰そうとした。

あちこちで戦争が起こり、ほとんどの人が期待していた希望の時代は来なかった。

 

何年も経って、人々は再び「サルカズ」の存在を思い出した。

 

そう、「サルカズ」があれば、彼らは手をつないで関係を回復できるだろう。

 

したがって、丁寧な選択の末、人々はある一地域に「サルカズ」の概念を適用した。

 

地域の人々が全員死んだ後、彼らは新しい「サルカズ」が存在する場所を宣言し始めた。

 

辺境の国々から大きな力を持つ大国まで、彼らは結局自分たちの集団の中で階層を分け始めた。

 

絶え間なく分類し、絶え間なく虐殺する。

 

しかし「サルカズ」がある限り、彼らにはまだ「断定と正義」がある。

 

だから「サルカズ」は「サルカズ」を殺すだろうし、戦争は永遠に終わらないだろう。

 

「サルカズ」たちは彼ら自身の悲惨な時代に突入した。

 

 

 

 

その様子を眺めていた――「本当の」サルカズであるスヴェルドフレムは、手の中にある源石に視線を落とす。

スヴェルドフレムの頭部には、小さな黒い王冠が浮かんでいた。

サルカズの絶滅が宣言される少し前、最初の源石である◾︎◾︎◾︎◾︎と、たった一滴のみ残された純然たるティカズの血を受け取った。

同時に、彼はテレジアから王冠を受け継いだ。

テレジアは彼を逃がした後、その首を落とされた。

――そうしてサルカズは滅び、

――最後のサルカズは生き残った。

そして、黒い王冠は最後のサルカズを魔王に選んだのだ。

もはやサルカズは存在しない。

人々はかつての「サルカズ」の姿を忘れ、今も尚新しい「サルカズ」を生み出し、戦争は廻り続ける。

このテラの大地は、終わることない循環の時代に入ってしまった。

サルカズの未来も、テラの未来も彼ら自ら壊してしまった。

進むことを忘れ、過ちを繰り返す世界に未来は無い。

 

「最後の魔王として、源石の本来の役目を行うことになるとは」

「――この大地全てがサルカズの運命を弄ぶのならば、私は大地の破壊者となろう」

 

そして最初の源石に、ティカズの血は落とされた。

 

 

 

 

 

 

目の前の大地に目を向ければ、そこは源石に覆い尽くされた世界だった。

万物を呑み込み、情報として取り込む本来の性質を発揮したそれは、本来の役目を終えたことで沈黙した。

より正確に言えば、魔王以外の全てを、だが。

源石で形作られた玉座に座り込んだスヴェルドフレムは、何かを待っていた。

終わった世界で、彼は待っていた。

誰を?

――魔王を。

閉じられた瞼が開かれた時、目の前に立っていたのはコータスの少女だった。その頭上には、スヴェルドフレムと同じ小さな黒い王冠が浮かんでいる。

魔王と魔王。

歴史上存在したことのない幼い異族の魔王を、スヴェルドフレムは待っていた。

この世界ではない、このテラではない、同じテラでありながら、

全く異なるもう一つの世界から訪れた、大地の破壊者。

このテラの大地を訪れたのも、それが理由だったようだが……少し遅かったようだ。彼女はスヴェルドフレムと同じ魔王でありながら、黒い王冠の真実に近づいた者だ。

この小さな異族の魔王が、異なる世界を渡り歩いていることを、スヴェルドフレムは王冠を通じて知り得た。

この小さな魔王は、救いを求め、異なるあらゆる大地を眠りに導いてきた。

 

「幼い異族の魔王よ。このテラの大地は既に眠りについた」

「なのに何故去ろうとしない?」

「お前は……なに?」

「は、ははは!」

「そうか。お前が、私を看取ると言うのか」

「……」

最早この大地に未来は生まれない。

それでも尚、この異族の魔王がこの地に残っているのは、彼女の善意だと分かった。

その善意に、最後の魔王は感謝を告げた。

「……礼を言う、異族の魔王よ」

「私は…………少し、疲れた」

 







この世界線の主人公は両親共々サルカズ狩りにあい、主人公一人だけ生き延びた所をテレジアに救われてます。
なので異族への憎しみが本編よりも過激になってる&テレジアへの敬愛と盲信がすごいです。
最後の決定を下すまで世に潜む為に角を削り落としています。
テレジアの断頭場面を見てしまった事で世界に絶望し、
テラの「サルカズ」差別も終わらなかったのでこうなりました。

大陸版で統合戦略のこの話が来た時にもう書くしかないなと。


本文の後半の空白部分にオマケあります。
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