俺からしてもカオスすぎるぜ! 作:Raitoning storm
「…でよ!そんときに食ったドローパンの中身が激辛カレーでさ!めっちゃ辛かったぜ!」
「うへぇ…おじさんにはちょっと厳しいかなぁ…」
「でもドローパンか…懐かしいな。俺が買ったやつはだいたい焼きそばだったけど」
デュエルアカデミアの屋上に寝転びながらそんな話をする。
突如としてアビドスの砂漠に現れたデュエルアカデミア。誰もいない建物だが作りだけはしっかりしているので、ほぼ対策委員会の拠点と化しているのは秘密だ。
ときどきこうやって三人で寝っ転がりながら、どうでもいいことを話すのが俺は好きだ。平和だってことを実感できる。
十代も前の世界では戦いを繰り返していたし、異世界から帰ってきたときはサボってばっかりだったから、こういうのが好きなんじゃないかな。
「あの雲…イルカっぽい」
「いや、マリンドルフィンじゃないか?ほら、頭の形とかそうだろ?」
「誰それ?イルカ?」
「十代、顔と身体の比率が違うぞ。あれはアクアドルフィンだ。ちなみに二体とも戦士族だぞ」
「戦士なの?イルカじゃないの?」
「こんなカードだぞホシノ」
「なんで二足歩行なの?しかも頭の形ほぼイルカじゃん」
「あの雲はグローモスだな」
「また知らないの出てきた」
「くぅー!なんかデュエルしたくなってきた!イガラシ!俺とデュエルしようぜ!」
「いいけど…」
バンバン!
そんなコントを繰り返していると、建物の下の方から銃声が聞こえてくる。
最近よくきているヘルメット団だ。
「さわがしい奴等が来たからお預けだな」
「そうだな、よし」
俺と十代は屋根から飛び降りながらデッキから一枚ずつカードを手に持つ。
「…」
「ホシノも来るか?」
「あ、いや。おじさんはいいかなー」
俺たちの誘いを断るホシノ。だが、
「行こうぜホシノ。後方支援頼むわ」
イガラシがホシノの手を引いて、
「う、うん」
彼女もそれについていった。
「来い!ネオス!」
「行け!トリシューラの影霊衣!」
戦いが終わったあと、
「もう来んなよー!次来たら遊馬のとこ連れてくからなー!」
撤退していくヘルメット団の姿を見ながらそんなことを叫んでいる十代。
…異世界に行ったときに比べたら本当に丸くなった。彼自身の成長も大きいのだろうけど、デュエルの楽しさを思い出してくれたのが一番大きいんだろうな。
″今日も元気そうだね″
「先生!遊戯さん!来てたんですね!」
「久しぶり、十代君」
「二人とも、元気そうでよかった」
「うん、イガラシ君もね!」
″その様子だと、アビドスも変わりないみたいだね″
「ああ、ときどきヘルメット団が来るのも変わらずだな」
「ミレニアムにいる子たちが会いたがってたよ。とくに龍可」
「あー、まじか。近いうちに行くわ」
「遊戯さん!一緒にデュエルしませんか!」
「先生、してきてもいいかな?」
″うん。楽しんできてね″
「よし!十代君、やろう!」
「やったー!」
そう言って駆けていく二人を先生と一緒に見つめる。
″…イガラシ君は、二人とは長い付き合いだったね″
「まあな…色々あったけど」
ほんとうに、色んなことがあった。
時には仲間を失ったり、絶望したりしたけれど、
「二人とも、いい顔してるよ。」
″うん。いい笑顔だね″
「…やっと見つけた…!これさえあればあんな奴ら…すぐに叩きのめせる!」