前世の記憶を持つSRTの生徒が先生と頑張る話   作:MGFFM15

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約1ヶ月ぶりですね。遅くなってしまい申し訳ありません。今回は会話が多めになっています。

そして、SERVAL小隊のキャラ紹介を使ったので見ていない人は見に行ってみて下さい!


第9話 ボク達側の事情

昨日はブラックマーケットから帰って来てからも色々あった。銀行から盗んだ集金記録の書類を確認した結果、カイザーローンはアビドスから受け取った利息のお金の一部をアビドスを襲撃していたカタカタヘルメット団へ任務補助金と言うことで送っていた。

 

シロコも言っていたけど、この件はカイザーローンどころかカイザーコーポレーション本社の息がかかっている可能性が高かった。何が目的か分からない、想定外の強大な敵の存在が見え始めたことで対策委員会の皆んなは不安を覚えていたけど、現段階だとこれ以上の情報は得られていないから取り敢えず解散となって、ヒフミともお別れした。

 

そんな騒動から一夜が明けて、今日は久しぶりに特に予定も無い平穏な日だった。こう言う時こそボクもゆっくりダラダラしたい所だけど、メールと言う形で面倒事がやって来た。

 

それは前に先生が学園に送ってくれたボク達SERVAL小隊がアビドスでの戦闘行動などを正式に許可して貰う為のシャーレからの支援要請の件について。この支援要請はボク達がアビドス高校に簡易拠点を作ろうと物資を持って行った日の午後に先生に送って貰った訳で、つまり大体2日前にこの要請は送った筈なのに、今になってその件について話したいと言う連絡が先生に来た。

 

しかもその連絡を寄越して来たのはSRT特殊学園じゃなくて連邦生徒会の首席行政官であり、現在連邦生徒会長代行を勤めている七神リンからだった。

 

と言うことでボクは先生に同行して早朝から電車とバスに乗ってアビドスから遠く離れたD.U.の中心にある、連邦生徒会の本部が置かれているサンクトゥムタワーにやって来ていた、ボク自身がここに来るのは初めてだ。それも仕方ない。相当な事情が無い限り普通の生徒がサンクトゥムタワーに来ることなんてないからね。

 

後ろにひっくり返りそうになるほど見上げてもその先っぽが見えない程の高層建造物。これがサンクトゥムタワーかぁ。遠くから見ることは何度かあったけどこうして間近で見ると、やっぱりデカいと言うか、バカみたいに高い。

 

正面玄関を通って室内に入ると、白を基調にした綺麗で荘厳な雰囲気のあるロビーが目の前に広がった。ちょっとこれは1人で入るには勇気がいりそう。若干雰囲気に気圧されながらも先生の後を付いていく。

 

先生は受付でリンから呼ばれてあることを伝えると、受付の人は電話で確認してからボク達をレセプションルームに案内された。リンが来るまでの間、ボクと先生は椅子に座って待つことにした。

 

「いやぁーここに来るのは初めてなのでやっぱり緊張しますね」

 

“緊張しなくても大丈夫だよ。リンちゃんは優しい人だし、リナ達のことで何か言われても私が良い感じに説得するから”

 

「ありがとうございます。でも、リンさんに会うことに緊張していると言うか、この連邦生徒会の雰囲気に圧倒されてますね。なんか、裁判所とかに来た気分ですよ」

 

勿論、本物のリンちゃんに会うって言うことにも緊張してはいるんだけどね。

 

“まぁ近寄りがたい雰囲気はあるよね”

 

「ですです。小学生の頃に初めて1人で職員室に入った時の感じに似ていますね」

 

“あーちょっと分かるかも”

 

そんな風に雑談をしているとリンがやって来た。ボクはすぐに立ち上がって挨拶をしながらリンに向かって礼をする。先生の方は笑顔で手を振っていた。

 

“久しぶり。リンちゃん”

 

こんな風にフランクにリンに対して話しかける人はキヴォトス広しと言えどもなかなか居ないんじゃないかな。

 

「誰がリンちゃんですか。そう言うのは控えて下さい・・・それはそれとして、時間もありませんので本題に入りましょう。メールでもお伝えした通り、先生が支援要請を出したSRT特殊学園のSERVAL小隊についてです」

 

さぁて、こっからどうなるか。上手く行ってくれれば良いけど。

 

「まず最初に、返事が遅くなってしまってしまい申し訳ありません。先生がSRT特殊学園に送って下さった支援要請の話はSRT特殊学園だけでは判断しかねると言うことで連邦生徒会に送られ、そして一旦防衛室に行き、更にそこから私の方に来るまでに時間が掛かってしまいました」

 

まぁ支援要請の話が学園から連邦生徒会に行くのはそうだろうなって感じだけど、カヤにもこの話が行ったかぁ。アイツに目をつけられて変な陰謀に巻き込まれたり、邪魔されなければ良いんだけど。

 

「先に結論から言いますと、シャーレの支援要請を受けてSERVAL小隊をアビドスで活動させることは可能ではあります」

 

表情には出さない様にしていたけど、内心ではガッツポーズをしていた。でも、「ではあります」って言う言い方をしたって言うことは何か条件とかが有るんだろうね。

 

「ですが、SERVAL小隊を派遣させる。と言う訳では無くSRT特殊学園に所属する生徒が、シャーレの協力要請を受けて活動すると言う形になります。SRTが今置かれている状況について先生は把握していますか?」

 

“リナから大体聞いているよ”

 

「でしたら話は早いですね。今のSRTは命令を与える者も、その活動に責任を負える者もいません」

 

一瞬リンがボクの方をチラッと見て、そして直ぐに先生の方に視線を戻した。

 

「それだけでしたから活動責任などを先生に負って貰う形で派遣させる事も可能ではあるんですが、今の連邦生徒会の一部にはSRT特殊学園に掛かる多額の費用を嫌って学園の即時解体を望んでいる者や、連邦生徒会が居なくなったことでSRTの生徒が暴走するのではと不信感を持っている者も居ます。なので、幾らシャーレの要請があったとは言え、SRTの部隊を動かすとなるとそう言った人達からの反発が予想されます」

 

そう言う人達の反対意見を無視して強引に事を進めることも、やろうと思えば出来るんだろうけど真面目なリンちゃんならそんな事はしないだろうね。てか、そんな権力に物を合わせたやり方なんてより強い反発を産むだしね。絶対に後々自分の首を絞めることになるよ。

 

「なので、他の連邦生徒会の役員達からも反発され難い方法としてシャーレからの要請を受けたSRTからの正式な部隊派遣では無く、SRTの個々の生徒がシャーレからの協力要請を受けて自主的に活動していると言うことにします。ですが、次に問題になるのが既にSERVAL小隊によって学園からアビドスに持ち出されているドローンや武器、その他物資についてです」

 

“その件については私から話させて。・・アビドス高校の生徒は連日武装集団から襲撃を受けていて、更にはアビドス生の誘拐事件も発生したりして状況が悪化して来ていたからね。アビドスを防衛する為には必要だってことで私がSERVAL小隊にお願いして、許可とかを貰う前に武器や物資を持って来て貰ったんだ。実際、その後に起きた便利屋と傭兵部隊による大規模な襲撃もSERVAL小隊と持って来ていた豊富な武器と装備のお陰でアビドス高校とその生徒に殆ど被害を出さずに守り切ることが出来たしね。それに、武装集団や傭兵が何でアビドスを狙うのかを調べていたら、どうもカイザーが武装集団に活動資金や武器の提供をしていたみたいなんだよね”

 

先生は“これがその証拠”と言って集金記録の書類のコピーをリンに手渡して話を続けた。ボク達の擁護をしてくれている先生にはこれから足を向けて寝れないね。

 

“だからこれからの状況によってはカイザーと本格的に事を構える事にかもしれない。そうなったら今よりもアビドスの生徒だけじゃ守るのは難しくなって来る。だから、SERVAL小隊が万全な状態で戦える為にもこれからも武器や物資は必要になると思うんだ。だから、勝手に武器や物資を持ち出した件は大目に見て貰えないかな?勿論、責任は取るから”

 

リンは集金記録の書類に目を通しながら先生の話を聞き、小さく溜息を吐いた。

 

「・・・状況が状況ですし、武器や物資の持ち出しは緊急性があり、致し方無かったことにします。が、こう言うのは今回だけです。次回からはきちんと正規の方法でお願いします」

 

“ありがとうね。リンちゃん”

 

「ありがとうございます」

 

先生に続いてボクも頭を下げてリンにお礼を言った。

 

「ですが、分かっていると思いますが何か問題が起きた場合、先生は勿論、状況によってはSERVAL小隊の隊員・・特に小隊長であるリナさん。貴方に責任が降り掛かって来ます」

 

ま、そうなるよね。SRTからの正式な部隊派遣じゃ無くて、あくまでもボク達個人が先生の協力要請を受けて戦っているって言う事になっているから、もし何か問題が起きたらその責任は先生とボク達に来る。

 

「リナさんの場合、問題の大きさによっては停学や退学処分になってしまう可能性も有りますが・・・その覚悟は有りますか?」

 

ボクはその問いかけに迷うことなくハッキリと答えてみせる。

 

「あります。危険な状態に陥っている生徒が居るのに、そしてその生徒達を助けれる力が有るのに、身の保身の為に無視してしまったら何の為にSRTに入ったんだってことになります。キヴォトスの平和を、生徒達と市民の平和と安全を守る為にボクはSRTに入ったんです。それを守れるなら例え退学になっても後悔はありません」

 

「・・分かりました。その表情を見るにその場の勢いで言ったと言う様にも見えませんし、貴方にしっかりとした意思と覚悟があることは伝わりした。後の細々とした手続きなどはこちらでやっておきます。正式な任務ではありせんが、リナさんは今までとこれからの作戦行動を記録しそれをSRT特殊学園に送る様にお願いします」

 

「分かりました」

 

こんな事もあろうかと、って言うかSRTで身に付いた癖で必ず戦闘行動をした後はそのレポートを書くようにしていたから、アビドスに来てからのレポートもちゃんとある。今までの行動記録はそのレポートを提出すれば問題は無いと思う。勿論、ブラックマーケットでの銀行強盗とかはレポートには書いていない。

 

話がひと段落したのを見て、ボクは手を上げた。リンにはまだ頼みたいことがある。

 

「すいません。後一つ頼み事がありまして」

 

「何ですか?」

 

「更なる戦力増強を考えていまして、その為の新たな装備や武器の持ち込み許可も貰えればと」

 

そう言いながらボクは床に置いていた鞄からファイルを取り出し、そしてそのファイルから「アビドス高等学校防衛力強化の為の装備増強案」と書いた紙の束を出してリンに渡した。これはボクがリンと会う時の為に書いておいたもの。

 

歴史通りならこの後ボク達はアビドス砂漠に拠点を構えるカイザーの大規模部隊とやり合うことになる。カイザーPMCは民間軍事会社の名前の通り今まで戦って来た便利屋68やカタカタヘルメット団、傭兵とは比べ物にならない戦力を持っている。そいつらに対抗するには今の装備だとちょっと心許ないとボクは思っている。リンはボクの私は書類に目を通しながら話しかけて来た。

 

「今ある戦力では不足していると?ですが、今持っている装備だけでも大型無人攻撃機や各種中・小型の無人偵察機、フルオートグレネードランチャーや無人ターレットなど必要十分に思えますが?それに先程の先生の話ですとアビドス高校の防衛には現存戦力で成功しているようですが」

 

「確かに今までは今ある装備と戦力でどうにかなりました。ですが、完勝したと言う訳ではありません。前回の便利屋と傭兵を相手に戦った時も純粋な兵力差で押し切られそうになりましたし。そもそも、リンさんも知っていると思いますが、連邦生徒会長が失踪してサンクトゥムタワーの行政制御権を一時的に失って以来、キヴォトスの治安は悪化しています。先生が来てくれたお陰でマシになって来ていますが、一時期は戦車やヘリなどの兵器や武器の違法流通量が2000%以上も増加しました。なので、以前よりも傭兵やチンピラの戦力が強化されています。金の無い筈のチンピラが中古の戦車を保有してヴァルキューレ相手に大暴れして武装の劣るヴァルキューレの警備局が防戦一方になって、公安局まで参戦してやっと制圧した。なんてこともちょくちょく起きてますしね」

 

現代日本で例えると犯罪者が軍隊並みの装備をして、警察を一方的に倒し、SATやSITが登場して何とか制圧する様な犯罪が多発しているってこと。つまり犯罪者の方が警察よりも強力は武器を持っててヤベェ!って話。

 

「なので、チンピラや傭兵を相手にするにも今までよりも戦力が必要になると言うことです。更に、先程先生も言った通りこれからは下手するとカイザーの部隊とも戦うことになる恐れもあります。もしカイザーPMCと戦うことになるとすればそこら辺のチンピラが持っている様な物とは違う高性能な武器や装備を持った大量の兵士を相手にすることは確実です。となると現状のこちらの持っている武器装備と兵力を考えると、特にこっちは人数が少ないので武器装備も整った大規模部隊相手は厳しいものがあります。カイザーPMCじゃなかったとしてもこれからもこう言った大規模部隊を相手にする可能性はあるので更なる戦力増強をしたいなと」

 

ボクは話を聞き終え、書類も読み終えたリンがボクの方を向き直って話し始めた。

 

「・・・リナさんの言いたいことは分かりました。ですが、ここに書いてある第16特殊作戦航空科の攻撃ヘリの派遣と言うのは過剰戦力と判断されて他の役員から反発を受ける可能性があるので許可は難しいです」

 

書類に書いてある箇所を指差しながらリンが言って来た。流石に攻撃ヘリの派遣は無理かぁ。

 

「でしたら、書類の最初辺りの無人機項目に書いてある攻撃用無人機達の持ち込みを許可して貰えると有難いんですが」

 

「ふむ・・・・それに関しても少し気になる箇所があります。大型無人攻撃機や無人戦闘車両。物資輸送用の無人ヘリ、対レーダー用特攻型無人機など陣地防衛用と言うよりは、攻める為の装備と考えられる装備が散見されるのですが?」

 

気が付かずにそのまま許可が貰えるかなと淡い希望を持っていたけど、流石にリンは気がつくか。

 

「おっしゃる通り、一部の武器や兵器は陣地防衛用ではなく、陣地攻略用の物です。ですが、ボク達がやろうとしているのはアビドス高校の陣地防衛では無く、アビドス高校の防衛です。一見似た言葉ですが意味合いが違います」

 

「・・・アビドス高校の陣地を守る訳ではなく、アビドス高校を守るという事ですか?」

 

流石。直ぐにボクの言いたいことを理解してくれたみたいだ。やっぱり頭良いなぁ。

 

「そう言うことです。ただ攻めて来た敵を倒すだけの陣地防衛では意味がありません。雑草の茎の部分だけを引き抜いている様な物です。真にアビドスを守る為には敵の拠点、雑草の根っこまで引き抜いて完全に枯らす必要があります」

 

「そのアビドスを襲う敵と本拠地を叩く為の装備と言うことですか・・・しかも、先程の話だと最悪カイザーの部隊相手にする可能性もあると言っていましたね。つまりアビドスに進駐して来たカイザーを攻撃することもあると言うことですよね?」

 

「そう言うことになりますね」

 

「お恥ずかしながら現在の連邦生徒会はカイザーの動きを逐一監視する余裕はありません。なので、今カイザーがアビドスで何をしようとしてるのかは把握していません。ですが、あの会社は分かりやすく違反な行為はして来ないと思います。グレーゾーンで上手く立ち回っている会社ですから恐らく表向きには合法に見える手段を使って攻めて来るでしょう。となると、もしSRTの部隊が連邦生徒会長の命令も無しにカイザーの基地などを攻撃したとなると逆に貴方達の行動が問題になり、批判されて訴えられたりする恐れもあります。最悪の場合、貴方達SERVAL小隊だけでなく、アビドスでの行動を許可したSRT特殊学園や連邦生徒会にまでその責任問題が行く可能性もあります」

 

「つまり、確たる証拠を掴んだりしない限りはカイザーへの攻撃は許可出来ないと言うことですかね?」

 

「そう言うことです」

 

「了解しました。では、もしカイザーの部隊がアビドスの生徒やボク達に対して明確な敵対行為を見せた場合はこっちも反撃して良いですよね?」

 

「はい。ですがその場合その敵対して来た部隊の排除は良いですが、本拠地まで攻撃するのは許可し辛いです。ただの一部隊が命令違反で攻撃しただけだと言い訳される可能性もありますから」

 

その言い訳は確かにして来そうだな。あそこの会社はトカゲの尻尾切りが得意技だから。

 

「分かりました。ではもしカイザーの基地を攻撃する必要が出て来たら事前に連絡してその可否を確信させて貰いますね」

 

「その様にして貰えると有り難いです。勝手に動かれて問題を起こした後に報告。と言うのが1番面倒ですからね。こちらも対処の仕様がなくなります。なのでチンピラや傭兵などはともかく、もしカイザーを相手にする場合は慎重にお願いします。先生の方でも注意しておいて下さい」

 

「分かりました」

 

“分かった”

 

「では、話を戻しましてリナさんの言った無人機群の使用許可ですが、一部の無人機は無理かも知れませんか、全体的には許可出来ると思います。ですが、今直ぐに許可を出すことはできません。戦力増強に関しては後で再度確認して議論した後に決めるので暫しお待ちを」

 

「よろしくお願いします」

 

一度席を立ってボクはリンに向かって礼をした。席に着くと次は先生が手を上げた。

 

“それと、アビドスのとは別件なんだけどSRT特殊学園って閉校させる予定なの?”

 

あ、その話も今してくれるのね。まぁ折角リンちゃんと話しているんだし今が良いタイミングか。

 

「今はまだどちらとも言えません。先程も言った通り今の連邦生徒会内ではSRTのことをよく思っていない派閥も存在しますが、逆に連邦生徒会長は帰って来ないと決まった訳ではないからSRTは残しておくべきなどと言った考えの派閥もあります。どっちの派閥が多いかと言うと、均衡している状態です。なので、リナさん達が何かアビドスで何か大きな問題行動を起こすと反対派が多くなる可能際もあります」

 

“リンちゃんはどう思っているの?”

 

「私は中立の立場です。どちらの派閥の言い分も理解出来ますし、これから全員で話し合ってどうするかは決める予定です」

 

“分かった。忙しい時にありがとうね”

 

「いえ。これも仕事の内ですので」

 

それからはシャーレの権限の下活動するにあたっての細かい確認事項や、これからの行動予定などをリンと先生とボクで話して行った。

 


 

リナと先生がリンと話している頃、アビドス高校では平和な時間が流れていた。日課の朝のトレーニングを終えたユイは丁度対策委員会の教室の前を通りかかったのでついでに挨拶しようと考え、ドアを開けた。

 

「おはよう」

 

と挨拶しながら教室に入ると、ホシノがノノミの膝枕してもらい横になっていた。実はユイもリナ相手によく膝枕はしてあげていたので、意外と皆んなするんだなぁと思った。

 

「お、ユイちゃんおはよー」

 

「おはようございます。ユイさん。やっぱりSRTの方は起きるのが早いですね」

 

ノノミに隣のパイプ椅子に座る様に促されて、ユイはその椅子に座りながら話を続ける。

 

「まぁね。野外訓練とかが無い限りは5時起きが基本だし、大体皆んなは4時30分には起きて準備を始めるのが暗黙の了解みたいになってるかな。私はあんまり早起きは得意じゃなかったから入りたての頃は本当に大変だった」

 

「うへー4時半なんでおじさんはまだ熟睡しているころだよ〜」

 

「私もまだ寝ていますね。その野外訓練がある時はもっと早い時間に起きるんですか?」

 

「最悪寝ずに森の中を重い荷物背負って歩き続けることもあるし、交代で1時間ずつ寝て周囲を監視したりする」

 

「そんなんじゃ寝れた気がしないでしょうね」

 

「本当に一瞬に感じるよ。休憩の番になって目を瞑ったと思った次の瞬間には起きる時間になってるから」

 

「大変そうだねぇ」

 

「そう言えばリナさんと先生も朝早くから何処かに出かけていましたけど、何か知ってます?」

 

「あー。なんか連邦生徒会に呼ばれたとかでね」

 

朝早くから「ちょっと連邦生徒会に呼ばれたから行ってくる!」と言って先生と出て行ったリナの姿を思い出しながらユイは答えた。

 

「連邦生徒会に?」

 

「アビドスで私達が合法的に戦闘活動を出来るように先生に頼んでいたからその事でだと思うけど、詳しい事はまだこっちも知らされてないね」

 

「戦闘をするにも許可が要るって言うのは大変だねー」

 

「個人的な戦闘レベルなら良いけど、今回みたいな小隊規模での本格的な装備を使った戦闘行動をするとなるとどうしてもね」

 

「大いなる力には大いなる責任が伴うってことだねー」

 

「あ、それ聞いたことあります。ちょっと昔の映画のセリフでしたよね?」

 

「私は分かんないや」

 

「ユイさんは映画は見ないんですか?」

 

「んー・・・見るっちゃみるかな。休みの日にリナに誘われて一緒に見に行ったことが何度かあるし」

 

「どんなのを見るんです?」

 

「アクション映画とかカーアクション映画とか、トレジャーハンター系の映画とか。まぁ私はあんまり映画に興味が無いから全部リナに誘われて見に行ったんだけどね」

 

「良いねートレジャーハンター系。おじさんの好きなジャンルだよ」

 

「へぇ。ホシノはトレジャーハンター系が好きなんだ」

 

因みに、ユイとナツキは今では対策委員会の全員に対してさん付けで呼ばなくなっていた。ナツキはお互いの自己紹介の時にホシノからさん付けしなくて良いよ〜と言われて以降呼ばなくなり、ユイも堅苦しい言葉使いは好きじゃなかったので、ナツキに続いてさん付けで呼ぶのをやめて普通に呼ぶ様になっていた。

 

ナツキから生真面目と言われることの多いリナとアリナはさん付けで呼び続けている。

 

「好きだね〜。おじさんもいつかはお宝を探す冒険に皆んなで行って見たいなと思ったりするし」

 

「もし凄いお宝を見つけることができたらアビドスの借金も一気返せるかもだしね。それこそアビドス砂漠とかに色々ありそうなもんだけど」

 

「それなら良かったんですけどね。アビドス砂漠は文字通り砂しか無い土地なんです」

 

「まぁ、そうか。既に探しているよね」

 

「リナさんに誘われて映画を見に行くって言ってましたけど、リナさんは映画好きなんですか?」

 

「まぁ好きだろうね。何か新作の映画が出て、リナが興味を持った場合はほぼ確実に誘われるし」

 

「そうなんですね。必ず誘われるって、お2人は仲が良いんですね☆」

 

「ただの腐れ縁だよ」

 

ユイが誰かにリナとの仲が良いんですね。と言われた時に返す定番の返しをすると教室の入り口が開いた。

 

「ただの腐れ縁にしては大体一緒に行動しているし、小隊長のことをよく気にしているけどな」

 

そう言ってユイに続いて教室に入って来たのはナツキだった。「お二人ともおはようさん」と、ホシノとノノミにフランクに挨拶しながら勝手に近くにあったパイプ椅子を取ってユイの隣に置き座った。

 

「確かに。前に便利屋と傭兵を相手に戦った時とかもリナさんのことを気にしていましたね」

 

「確かにそうだったねー」

 

「それは・・・ウチの小隊の隊長だし、アイツ直ぐ無茶するから・・・・」

 

「素直じゃ無いないねぇ」

 

「そうそう。言ってやって下さいよホシノさん。コイツ全然素直じゃねーから」

 

「ナツキが変なこと言ってるから一応言っておくけど、別にリナのことが恋愛対象として好きとかそう言う訳じゃ本当にないからね?」

 

「別に自分はそこまで言ってないのにそう言うってことはもしかしてもしかするんじゃねーの?」

 

「そうやって毎度毎度アンタがありもしないカップリングを作ろうとするから私が事前に否定してるんじゃん!」

 

「うぐっ⁉︎・・ちょ・・・・ぎ、ぎぶ・・・・」

 

ユイはそう言いながら隣に座っていたナツキを拘束して左腕でナツキの首を締め始め直ぐにナツキはユイの手を叩いてギブアップする。

 

「げほっ!げほっ!本気で首を絞める馬鹿がいるかよ!」

 

「アンタが変なことホシノとノノミの前で言うからでしょ」

 

「お2人も仲が良いですね☆」

 

「ちょっとコイツの愛情表現は過激だけどな。基本的にSRTの小隊員同士は仲が良いよな」

 

「まぁチームワークが大切になるからね。不仲同士で戦っても良い連携は取れないから。って言うか、そう言う2人だって結構仲良さそうじゃん。膝枕しちゃってるし」

 

「まぁね〜」

 

「ユイも小隊長によく膝枕してるよな」

 

「だから余計なこと言わなくていいって。それにリナだけじゃなくてアリナにもしてるし」

 

「恥ずかしがらなくて良いですよ。私達もよくやりますし」

 

「別に恥ずかしがってる訳じゃ無いから」

 

「あ、皆んなここにいたんだ。おはようございます」

 

皆んなの話し声に誘われてアリナも対策委員会の教室に入って来た。全員と軽く挨拶しながらアリナはナツキの隣に座った。

 

「盛り上がってたみたいだけど何の話をしてたの?」

 

「ユイの膝枕について」

 

「リナだけじゃなくてアリナにもしてるよね?」

 

「確かに、疲れた時とかにして貰ってるけど・・・ちょっとこの話は恥ずかしいかも」

 

少し顔を赤くして視線を下に晒すアリナの姿を見たナツキはニヤリと笑った。

 

「うーん。ユイとは違ってこの可愛らしい反応。良いねぇ」

 

「ちょっとその発言はキモいよ」

 

「つーかさぁ小隊長とアリナには膝枕してんのに自分だけしてくれないの酷くね?」

 

「リナは幼馴染だし、アリナは可愛いけどアンタに膝枕をする理由が無い」

 

「えぇ〜酷くなーい?ノノミーん膝枕して〜」

 

と言ってナツキは甘えた声でノノミに抱き付いた。ノノミは特に嫌がりもせずに抱きついて来たナツキの頭を撫でてあげた。

 

「私で良ければ良いですよ☆」

 

「いや、コイツなんかの為にしなくていいから」

 

「ダメだよ〜ノノミちゃんの膝はおじさんの物だから」

 

「私の膝は先輩専用じゃないですよ?

 

「でも実際寝心地って良いんか?」

 

「そりゃもう最高だよ〜下手な枕なんかより寝心地が良いね」

 

「へぇ〜そうなのか?」

 

「・・・え、私?」

 

まさか自分に聞かれているとは思わずに、自身を指差してアリナは驚いた。

 

「そりゃぁ膝枕を体験したことあるのはアリナちゃんだけだからな」

 

「えっと・・・・まぁ、確かに・・柔らかくて寝心地は良い・・かな。私が寝ている時はユイさんが頭を撫でてくれるから安心感もある、し・・」

 

話しながら恥ずかしくなって来た様で、徐々に話す速度と音量が下がって行って俯いてしまった。顔を赤くしているアリナの姿を見たナツキはニヤニヤと笑っていた。

 

「うーん。てぇてぇ」

 

「うるさい」

 

「もうっ!」

 

2人っきりの時にしていた行為を皆んなの前で話されて照れたユイと、自分の思っていたことを思わず言ってしまい恥ずかしくなっていたアリナの両名から照れ隠しのパンチがナツキの腹と顔に命中した。

 

「ぐへっ!」

 

「ふふっ、ほんとに皆さん仲が良いんですね」

 

「これで照れ隠しがもうちょっと優しかったら良いんだけどな」

 

殴られた箇所をさすりながらナツキはボヤいた。

 


 

結局、リンと色々話していたらあっという間に時間が経ってしまって、やっぱりリンの方も色々と忙しいみたいで部屋に入って来た役員に呼ばれて、キリの良いところで話を終わらせてリンはボク達と別れて別の業務をこなしに行った。

 

まぁ話さなきゃいけないことは話せたから良いんだけどね。居なくなった連邦生徒会長の分、働かなきゃだろうし大変そうだ。まぁ兎に角、そう言うことでやることは終わったから、対策委員会とSERVAL小隊の皆んなの為にお菓子のお土産をD.U.で買ってからボクと先生はD.U.を後にしてアビドスに帰ることにした。

 

バスと電車を乗り継いで、今はだだっ広い砂漠のど真ん中を走っている電車の中に座っていた。やっぱりD.U.内を走っている電車と違って違ってアビドスへ向かう人は少ないみたいで、電車内はがらんとしている。

 

“そう言えば、私は武器とかは詳しくないからよくは分からないけど、リンちゃんに渡していた装備増強案に書かれていた装備品とかが結構具体的だった様な気がするんだけど何か考えがあるの?”

 

アビドスまでの道のりはそれなりにあるから、その間先生と雑談をしていたらそんなことを聞いて来た。

 

「まだちゃんとしか作戦とかがある訳じゃないですよ。まだ敵の規模やら使っている装備やら武器やら何やらは分かっていませんから。ただ、セオリーとドクトリンに従って準備をしているだけです。カイザーPMCの様な正規部隊や前に戦った傭兵の様なある程度の訓練と戦闘経験を受けた敵が相手ならどう動くか、どの様な装備や武器を使って来るかとかはある程度予想出来ますから。特にカイザーPMCは高度な訓練も受けている正規の戦闘部隊ですから敵のドクトリンに対抗する為のドクトリンを考えることも可能です。まぁその逆もしかりですが

 

“お互い敵の動きとかを読み合っているって言うことだね”

 

「ですね。なので実はあの装備増強案には欲しい装備を全部は書いていません」

 

“どうして?”

 

「カイザーはとても大きい企業です。その影響力も凄まじい。なので何らかの方法で連邦生徒会内の情報を入手していても不思議では無いです。そしてリンさんは装備増強案を『議論した後に考えるので』って言ってました。つまり他の人と話し合うってことです。リンさんは信用出来る人ですが他の役員の人達は分かりません。連邦生徒会も一枚岩って訳じゃないですからね。カイザーに通じている人がいてもおかしくは無いと思っています」

 

“つまりもしカイザーにこっちの装備の情報が伝わっても対処できる様にしているってこと?”

 

「そう言うことです。まぁボクの気にし過ぎの可能際もありますけどね」

 

ってボクは先生に笑って見せたけど実際はカイザーと繋がっている奴は連邦生徒会と防衛室に居る。先生が送った支援要請もリンに行く前に防衛室を経由したみたいだし、絶対にあの超人(笑)はボク達の存在を認知している。だからカイザーにとってアビドスを守ろうとしているボク達の存在は邪魔だろうし、その情報をあの超人(笑)はカイザーに恩を売る為だとかで抑える可能性は高い。

 

“そのカイザーと通じている人がそもそも装備増強案を否定して装備を増加なさせない様にする可能性もあるんじゃない?”

 

「その可能性も無いとは言い切れませんね。その人が余程の発言力を持っているか、言葉巧みに他の人を言い包めるか、カイザーに繋がっている人が複数人居たりすれば議論は装備増強は無しってことにすることも出来るでしょう。それかわざと装備増強を許可してさっきボクが言ったみたいにカイザーにボク達の武装や装備の情報を流して対策出来るようにしたりって可能性もあります。まぁどっちの状況になっても対処出来るようにこっちは用意しておくしかないですね」

 

“流石。小隊の隊長をやってるだけはあって色々考えているんだね。でも1人で色々と抱え込まないようにね。誰かを頼ることも大切だかは。勿論、私に頼ってくれても良いからね。私はリナの味方だから”

 

と言って優しく笑いかけて来る先生。ボクの味方と言ってくれるのは普通に嬉しい。人によってはこう言う優しい言葉をかけられて先生を好きになっていく生徒もいるんだろうけど、残念ながらボクは先生は恋愛の対象外。

 

「分かってますよ。今回もお世話になりましたし、これからも必要な時には利用させて貰います」

 

“うーんそれはちょっと私の考えていた頼られ方とは違うけど・・・”

 

「へへっ。頼りにしてますよ。後、ボクは攻略対象外なので諦めて下さい」

 

“ん?攻略対象外ってどう言うこと?”

 

「こっちの話なのでお気にならさらず」

 

会話が一区切りしたところでなんとなく、電車の窓に視線を向けて外の景色を見た時に砂漠のど真ん中にある道が見えた。あの道は前にアヤネから聞いたアビドス高校のある市街地へ繋がる幹線道路だね。

 

「・・・・ん?」

 

真っ直ぐ続く道を見ていると、奥の方からその道を走っている車列があることに気がついた。ここから道まではそれなりに距離があるから肉眼だと何か車が走っているって言うことしか分からないけど、明らかに異常な数の車列が走っている。

 

そもそもアビドス自治区は殆どがゴーストタウンになっているせいで、今いる郊外とかだと車両や人には滅多に出会う事はない。なのにあそこに車列が見える。どう見ても普通じゃないよね。

 

ボクは腰のポーチに入れていた単眼鏡を取り出してその車列の方に向けて覗き込む。

 

“どうしたの?”

 

突然窓に向かって単眼鏡を構えたボクを不思議に思った先生が聞いて来た。ボクは道路を走る車列を観察しながら答える。

 

「あそこの道路を走っている車列が居ますよね?」

 

“うん。確かに居るね。アレがどうかしたの?”

 

「こんな人が全くいないアビドス郊外をあんな大量の車が走っているのって怪しなって思って」

 

四輪駆動車を先頭にざっと数えて50〜60台前後の兵員輸送用のトラックが列を成して走っている。物資輸送にしては、規模が大き過ぎるし、一度にこれだけの数のトラックが必要になる程の大量の物資を必要とする組織や施設はアビドスには無い。カタカタヘルメット団とかにしても同じく規模が大き過ぎるし、ボクの記憶にはこんな大部隊を引き連れてくるイベントは記憶に無い。

 

“確かに。珍しい光景ではあるね”

 

「だから観察中って訳です」

 

この単眼鏡の倍率は8倍だから、ユイが使っている様な長距離狙撃用のスコープと違って高倍率じゃないからハッキリとは車両を見ることは出来ないけど、ある程度の車種とかは判別出来る。分かり易いのは車列の戦闘を走っている四輪駆動車。車体中央部に予備のタイヤを付けている独特な見た目が特徴のあの車両は、ゲヘナが主に使っている車両だ。

 

ブルアカ好きの人達に分かりやすく言うと、セナが使っている救急車やフウカの使っている給食部用のトラックと同型の車。

 

倍率不足と車が巻き上げる砂煙のせいで車両にゲヘナのマークが描かれているかどうかは分からないけど、ゲヘナがアビドスに来るイベントをボクは知っている。時期的にもおかしく無い時期だし。

 

もしあのトラックがゲヘナの生徒を乗せているなら、トラック一台に平均で20人程の人が乗るから、トラック全部合わせて推定1200人。つまり2個大隊規模の兵力を運んでいるってことになる。

 

時期的にもこの部隊の規模的にも横乳(アコ)が引き連れて来たゲヘナの風紀委員会の部隊間違いなさそうだね。こうして早い段階で動きを察知出来たのは行幸だね。ボクは直ぐに無線機を操作してアビドス高校に居るSERVAL小隊の皆んなに繋がる。

 

「至急 至急 至急。serval1から全小隊員へ」

 

《こちらserval3。どうしたの?》

 

ボクがコールサインを使って小隊皆んなを読んだからユイもただ事じゃ無いと判断したみたいで、真剣な声音で聞いて来た。

 

「今電車に乗ってアビドスに向かっている最中なんだけど、アビドス自治区外から伸びている幹線道路を使ってそっちに向かっているゲヘナの風紀委員会所属と思われる車列を確認した。兵員輸送用と思われるトラックが多めに見積もって60台は居るね」

 

《2個大隊規模の風紀委員会の部隊が来てるってなると、只事じゃない感じだね》

 

《お、銀行の次はゲヘナの風紀委員と戦うってか?面白そうじゃん》

 

「でも2個大隊規模のゲヘナ風紀委員会の部隊とやり合うのは流石に不利だし、正式な任務を受けていないSRTの生徒が他校の風紀委員会を攻撃したとなると、問題になる可能性が高いからゲヘナ側がアビドスに対して敵対行為を見せたら攻撃するよ。まともに相手したらこっちが負けるだろうから、アウトレンジ攻撃を主眼に置いた戦闘で相手の戦力を削る。40式フルオートグレネードランチャーをL-ATVに積み込んでおいて。後ボクの装備も。serval2は171式持って来てる?」

 

《おうよ!お前のやろうとしていることは分かった。準備しておく》

 

「お願い。あ、あと曳光弾は持って来ない様に。それと全員の準備が終わったらL-ATVを運転して駅まで来てボクのピックアップをお願い」

 

《オーケー》

 

「serval2は狙撃の用意を。的か多いから弾は多めに持って来といた方が良いよ」

 

《分かった。いつもより多めに用意しておく。ハードターゲット(重装甲目標)はいないんだよね?》

 

「今の所確認出来ないね。今回はソフトターゲット(軽/非装甲目標)がメインになると思うよ」

 

《了解》

 

《serval4は偵察用ドローン(プーちゃん)を直ぐに飛ばして今から送る座標に向かわせ目標の動きを見張らせて。それと ティルトローター式大型無人攻撃機(ビジちゃん)にCBU-103を2発搭載して準備でき次第離陸。行動4000メートルを維持して命令するまでは攻撃はせずにプーちゃんと共同で車両の動きを見張って。それと、ECMを搭載したグレネードランチャードローン(ヒヨちゃん)も何機か用意しておいて。serval3はビジちゃんにCBU-103を搭載するのを手伝ってあげて」

 

《了解》

 

《分かった。対策委員会の人達には報告する?》

 

「そうだね。一応怪しい動きがあるって言う話をしといて。でも対策委員会の方から仕掛けたりはしない様に言っといて。こっちから仕掛けたら向こうに侵攻の理由にされるかもだからね」

 

《了解。あ、それと、さっきホシノが出て行ったからもし戦闘になった場合は合流するのに遅れると思う》

 

「了解。詳しい作戦内容は合流してから話すから、取り敢えずそっちは準備をお願い」

 

《 《 《了解》 》 》

 

「・・と言うことで、ボク達は念の為に警戒態勢に入ります」

 

“私も行こうか?”

 

「いえ、ただ単に警戒するだけなので先生に来てもらう必要はありませんよ」

 

それに、先生には対策委員会の方に行ってもらわないとだからね。ボク達の方について行ったら出会うはずの人に出会わなくなったりして今後のストーリー展開に大きな歪みが生じてしまうし。

 

“分かった。気をつけてね”

 

「はい。何かあったら連絡しますので。そっちも何かあったら連絡して下さい」

 

“うん。頼りにしてるよ”

 

「先生に頼られるなら、頑張らないとですね」

 

先生と話し終えてボクは窓の外に見える車列の方を見る。さぁ〜て、今まで相手にして来た奴らとは違う正規部隊、それもゲヘナの風紀委員会の部隊との交戦だ。頑張りますか!




次回、対風紀委員会戦!次回の戦いは今までとは違った戦い方で描きたいなと考えています。既に戦闘シーンの構成はある程度考えているので後はこれを上手く文章にしたいと思っています。

今回はリナを抜きにした対策委員会とSERVAL小隊の平和な絡みもちょっと書いてみたいなと思って書きました。

この話を書いていた際の私の悩みとして、私自身のIQが高くないせいで色んな人達の思惑や高度な騙し合い。みたいなシーンがあまり書けなかったのが悔しいところです。私の文章力や面白い物語を考える想像力の限界を感じてしまいましたね。もっと上手く書けるように、皆さんのご期待に応えられるように精進します。

ご感想などがありましたらお気軽に書いて行ってください。次回も楽しみに!
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