賽子の鏡   作:月羽ハズク

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SEASON2 Reminiscence
4章 変わらない
K社ロボトミー支部/技術解放連合

元人格 血払い事務所 5級フィクサー チガヤ
PLAYER 現場猫n号



000 開花E.G.O: :壇香梅 チガヤ

 

誰もが、心に蕾をもっている。私はそれを早めに咲かせただけです。

 

いつか誰かに、この薫りを遺してあげられるように。

 

000 開花E.G.O: :壇香梅 チガヤ

S2

体力:182 速度範囲値:4-6 混乱区間:70/40/25% パニックタイプ:パニック

耐性情報 斬撃:普通 貫通:耐性 打撃:脆弱

 

スキル1 【開き出す蕾】

暴食 基本威力:3 コイン:2枚 攻撃タイプ:貫通 コイン威力:4

【使用時】自身の振動回数が4以上なら、コイン威力+1

【使用時】自身の振動回数が2増加

Ⅰ 【的中時】対象の沈潜回数だけ、自分の振動回数増加(最大4)

Ⅱ 【的中時】沈潜2を付与

 

スキル2 【燦然たる春風】

傲慢 基本威力:3 コイン:3枚 攻撃タイプ:打撃 コイン威力:4

【使用時】自身の振動回数4につき、コイン威力+1(最大2)

【使用時】 自身の振動回数8につき、攻撃加重値+1(最大2)

【使用時】自身の振動回数が2増加

Ⅰ 【的中時】沈潜回数が2増加

Ⅲ 【的中時】次のターンに沈潜4を付与

 

スキル3 【え辛い残り香】

怠惰 基本威力:4 コイン:3枚 攻撃タイプ:貫通 コイン威力:4

【使用時】 自分の振動回数を10消耗してコイン威力+2

Ⅰ 【的中時】自分の振動回数を消耗し、消耗した振動回数だけ対象の沈潜回数が増加(最大5)

Ⅲ 【的中時】 自身の振動を消耗したのなら、沈潜殺到

 

防御【崩れゆく花】

怠惰 基本威力:4 コイン:1枚 守備タイプ:回避 コイン威力:10

【回避成功時】沈潜1を付与

 

バトルパッシブ 刹那を待ちながら

必要資源:怠惰5 条件:保有

自分の振動回数が10以上のとき、攻撃的中時に表面が出た場合、コイン効果で敵に付与する沈潜と沈潜回数+1

 

サポートパッシブ 舞い散る残香

必要資源:傲慢3 条件:保有

精神力が最も低い味方1名が、精神力0未満の対象とマッチ進行時にマッチ威力+1

 


 

「…どうやら、騒がしくしていた小鳥を捕まえてきてくださったようですね。」

 

子供は、畳のようなものが敷かれた壇上に座っていた。

どこかにこやかで、どこか呆れたような表情。まるで親鳥が我が子を見守っているかのような空気を纏って、その『捕まった小鳥』を見ていた。

 

「はい。この支部にあるエンケファリンでも盗もうとしたのか、単独でここに入ってきた模様です。」

 

「成る程。ではその方を石畳の上に置いて、貴方は警邏に戻ってください。」

 

子供の部下なのかな。どこかきっちりとした感じの子は、手を後ろで縛られた者を石畳の上に座らせて子供にお辞儀をし、そのままどこかへ去っていった。

 

「さて、何が目的でここに現れたのですか?まぁある程度は予測がつきますがね。」

 

「おい、お前が…あの奇怪な装備を着た部隊の長なのか?」

 

「えぇ、そうです。奇怪と言われるのは少しばかり心外ですがね。それで?」

 

「いや…俺も命懸けで生きてるんだよ。だから少しくらいエンケファリンでも分けてくれたりしないか…ってな?」

 

目の前の相手が突然的外れな事を言ったかのように、子供の笑みに苦笑いが混じる。

 

「ほら…な?なんかエンケファリン作れそうな設備とかもあったろ。あれからほんの少しだけでいいんだ、どうか分けてくれねぇか、頼む…!」

 

「…期待しているところ申し訳ないのですが、あれはエンケファリンの製造機ではないんですよ。」

 

「えっ…そ、それでも少しくらい!」

 

縛られた者が少し言を荒らげた瞬間、子供がその扇子をじゃらっと拡げる。

え難い香りが2人を包み込み、縛られた者は圧倒されたのか、魅了されたのかはわからないが、纏う空気が柔らかくなった気がした。

 

「…おぉ。お前も奇怪な装備をしてるなとは思ったが、これは…美しいって言葉の方が似合いそうだな。」

 

「そう言って頂けるのならば、少し光栄です。」

 

「もう少し近くに寄って見せてくれねぇか?人から花が咲く技術なんざ見た事ねぇよ。」

 

縛られてる子は口車に乗せるのが上手いのか、子供は立ち上がって彼の方へ歩いていく。

 

「時に、あなたは知っていますか?檀香梅から抽出された油が、椿油の代わりとして使われていたということを。」

 

今や都市ではそんな花は簡単には咲けないようですがね、と子供は笑って話す。

 

「確かに、そう考えると最近見る花は造花ばっかりだったよな…」

 

「…やはり、私たちがかつて娯楽としていたあの花も。技術の波に呑まれて消えてしまったようですね。」

「あなたは、どう思いますか?技術を使うために日々の暮らしに困窮し、また技術に縋る…そんな日々が虚しいと、どこか感じませんか?」

 

子供の言葉に、どこか侵入者ははっとする。

 

「…うーん、そう考えると悩みもんだな。前どっかでパナー工房の包帯を使ってみた事があったけど、あれのお陰で救われたのもあるがその時の生活は間違いなく辛くなったな。」

「ただ、技術はそれを生み出す奴の楽しみでもあるんじゃねぇのか?それを邪魔すんのは野暮ってもんだと俺は思うよ。」

 

「………。」

 

子供は、まるで空を仰ぎ見るようにして、少し考え込むと…

 

「…確かに、その通りです。」

 

何かを思い出したような顔で、にこやかに。

侵入者…もとい、議論を交わす相手に微笑んだ。

 

「かつて私は…九人会という集まりで色々な発明をして、発明品の見せ合いっこという娯楽を楽しんでいました。」

 

「…そうか。そこで凄い技術とかは作られたりしたのか?」

 

「内容は言えませんが、兄さん…いえ、うちのリーダーが素晴らしい技術を開発して、それを…」

 

「あぁ、無理には言わなくてもいいだろ…。それで、その兄さんって奴は天才だったみたいだな。」

 

「えぇ、九人会の長であった彼は…みんなに兄さんって呼ばれてたあの人は。まさしく『本物の天才』でした。」

「私の憧れだった彼を椿とするなら、やはり私は兄さんの代替品…偽物である檀香梅だ。どうしても私が劣っていることを、私はわかっていたのかもしれません。」

「それでも、偽物なら偽物らしく。いつか現れる『本物』のために、研究という、未だ見つかっていない技術という、未開の肥沃な土地を残してあげたい。そう思うのは悪いでしょうか?」

 

「…他の奴らの理念とは違うっぽいけど、俺はその気持ちわからんでもないよ。まぁお前さんとは違って実行には移せねぇだろうけどな。」

 

「人は、それでもよいのです。ただ私が他とは違うだけ。それでも私は、他と違うからこそ。他とは違う誰かに、この薫る道を歩んでいってほしいから。」

 

子供が進もうとしている道は、炎と血に満ちた険しい道なのかもしれないけれど。

それを進む子供は、え難い香りを纏って、たおやかで簡単には折れない心を咲かせているんだ。

 





元人格のチガヤよりもどこかにこやかなイメージ。
スキル3さえ撃たなければ広域を連打できる強人格っぽい。イシュの『クリスマスの悪夢』が欲しくなりますね。
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