偽典・女神転生 幻想郷黙示録   作:キャスディOTP

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イントゥ・ザ・バックドア

「本当にいいのか?里に戻らなくても」

 

垂直状に切り立った柱状の岩壁に覆われた谷川、玄武の沢。イホリと妹紅はピクシーとの約束を果たすためこの地に戻ってきていた

 

「えぇ、悪魔たる私が仮にも人間の里に入るわけにはやっぱりいけないと思いまして」

「確かに妖怪の立ち入りは御法度とされてるが…そんなものは表向きだ。正体を隠せば鬼や化け狸が頻繁に飲みに来るような場所だぞ」

「しかし、私のアイデンティティたる蛇頭を隠すのは難しいですし、それに増えた仲魔もいます。こいつらを寒空の中里の外に放置するわけにはいきません」

 

そう言ってイホリが愛おしそうに向ける視線の先にはピクシーではない二匹の悪魔がいた。新たに悪魔会話によって仲魔へと加わった『地霊 コダマ』に『妖魔 アガシオン』である

 

樹木崇拝のある形である木精コダマは、幻想郷によくいる妖精や亡霊とあまり変わらない姿なので問題ないかもしれないが、使い魔たるアガシオンクラスになると少し厳しいかもしれない

 

「確かにそうだけど…」

「それに、これからもっと多くの強力な仲魔を迎えるつもりなんです。そんなのを里に堂々と入れたらパニックが起きちゃいますよ」

「しかし、寝床はどうするんだ?食料は?完全なる不老不死でないのならこれらを無視することはできないわよ」

「それは考えたんですがどうも私のこの体は疲労には強いらしく、暫くは不眠不休で走り回っても大丈夫そうです。なので休める場所の目途はそのうち見つけますよ」

 

イホリがそう伝えると、妹紅は腕を組んで考え込んだ

 

「うーん。私の住み家たる竹林にお前を置いてやってもいいんだが、輝夜からの刺客に巻き込まれる可能性があるからな…」

「よっぽど食うに困ったら命蓮寺に食客としてもらおうかなと」

「命蓮寺か。なるほど、妖怪が住む場所なら悪魔もセーフってわけか」

 

イホリはすでに人里の里人から命蓮寺の場所と、本尊を毘沙門天としていること、そこの住職たる聖白蓮が人妖平等をかかげ、厳しい修行を対価に妖怪を保護していることを聞いていた

 

「しかし、救済対象は不当に扱われている立場の弱い妖怪に限られる可能性もある。お前里で英雄扱いだったじゃないか、そこは大丈夫なのか」

「私が無理でもこの子たちの保護っていう名目で隔日に一回だけの宿泊なら許されるでしょう。あ、ピクシーが戻ってきた」

 

冒険のうちに家族とはぐれてしまったピクシーを太陽の畑から家族がいる玄武の沢まで連れて行くことが、彼女を仲魔にする条件だった

 

「あぁよかった。パパとママに会えて」

「別れの挨拶はできたのか?」

「うん。だから改めて、今後ともよろしくね」

 

これで一つのパーティーがそろったわけだ。イホリは軽い身支度をすると、少し名残惜しそうに蓬莱の人の形、妹紅へ別辞を送る

 

「では妹紅さん、少しの間でしたがお世話になりました。またお会いしましょう」

「そうか…会者定離ではないがこれをやろう。餞別だ」

 

《反魂香を3つ入手した》

 

「本来蓬莱人の肝は不老不死の源とされていてな。焼くと効果がないんだが、燻したらこんなものが副産物で出た」

「ありがとうございます」

「じゃあな。ひょっとしてお前ならきっと…、いやなんでもない。また会おう」

 

《ゲストキャラクター 『人間 藤原妹紅』 lv99がパーティーから離脱しました》

 

妹紅と別れた数刻後、イホリは仲魔を引き連れて隣の妖怪の山へと入山した。イホリのこの幻想郷での目的は修行である。強大な何者かの気配が漂う妖怪の山の登山道は恰好の修行場もとい仲魔の練兵場だ

 

山頂近くは手に負えない相手が多そうなので、中腹までは昇らず山麓で玄武の沢まで通じる巨大で荘厳(そうごん)な滝を見ながら『凶鳥 チン』や『竜王 ノズチ』『地霊 ツチグモ』といった悪魔らと戦い、時に食い殺し、時に仲魔にし時に分かれ、夕刻になって気力が尽きたらその場で眠り気力を回復させた

 

そんな山伏のような生活を三日ほど続けたのち、とうとう本物の山の住人である山童や烏天狗などに追い出され、イホリは結局また玄武の沢まで降りてきてしまった

 

「全く、数が多い敵ってのは厄介だな。チンといいカラステングといい。一向にこっちのターンが回ってこない」

 

『妖鬼 カラステング』率いる『妖魔 コッパテング』の群れに襲われた際、イホリは一回殺されていた

 

「さてどれくらい強くなったかな【アナライズ】」

 

『妖精 ピクシー』 lv 18

 

《ユニークスキル 悪魔の仲立ち》

 

HP MP 攻撃回数 マッカ0 NEXTEXP 560

56 38 1            

物 火 氷 電 衝 破 呪

- - - - 耐 弱

 

力 魔 体 速 運

13 23 11 17 17

 

所持スキル

ジオ ディア ザン ラクカジャ

 

『地霊 ツチグモ』 lv 21

 

《ユニークスキル 流離うもの》

 

HP MP 攻撃回数 マッカ0 NEXTEXP 780

61 20 1            

物 火 氷 電 衝 破 呪

- - 弱 耐 - -

 

力 魔 体 速 運

30 16 28 11 15

 

所持スキル

マハジオ タルカジャ バウンスクロー

 

『凶鳥 チン』 lv 20

 

《ユニークスキル 死に至る病》

 

HP MP 攻撃回数 マッカ0 NEXTEXP 320

57 35 1            

物 火 氷 電 衝 破 呪

- 弱 - - - 耐

 

力 魔 体 速 運

23 26 24 22 17

 

所持スキル

乱れ針 毒針 ジオ 狂乱針

 

「よし、いい感じだ」

 

イホリ自身のlvは25まで上がっている。このまま幻想郷各地を巡り、野良の悪魔を狩り続ければいずれlv99へと至り至高天の道を開けるだろう

 

(さすがに一回命蓮寺とやらによってみるか?まずは身を清めるか)

 

元現代人としてさすがに三日も湯あみをしないとたとえ体が汚れていなくても心理的抵抗を受ける。冷水なのは仕方がないとして、流れが緩やかな瀑布でイホリが滝行をしたその後だった、背後から声が聞こえるのだ

 

「あぁ、やっと見つけたぞ。全く手こずらせてくれちゃって」

「やっぱり下から5番目の扉だったじゃない。全く、舞ったら思い込みが激しいんだから」

「外来人なら里にいると思うだろ!全くなんでこんな辺鄙な場所に」

「誰だ!?」

 

イホリが驚いて振り返ると鮮やかな配色の服を着た少女が二人して宙に浮かんでいた。色自体は鮮麗なものの、平安時代の貴族のような出で立ちで手にはなぜか竹とみょうがを持っている

 

「お師匠様!えーナホビノを発見しました。今から連れていきます」

「なんで俺がナホビノだって知ってる。お前たち何者だ!」

「つべこべ言わずに御開帳~」

「なんだこの扉…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

謎の少女がイホリの背後にある謎の扉をたたくと、何者かの力によって門戸が開きイホリはたちまち吸い込まれてしまう

 

 

 

***

 

無限のように広がる暗赤色の異界、そこに放り出されたイホリはただ当てもなく彷徨っていた。身体自体は自由に動かせるが、移動の矛先、終着点は決まっているらしく何もしなくても緩やかに目的地へと向かっている

 

(俺はどこに連れていかれるんだろうか)

 

謎の少女二人によって歓待された異界は薄闇と巨大な緑の扉だけが浮かぶ不吉な空間であり、扉の先からは幻想郷の風景らしきものを拝むことができるが、手は届かない

 

(あの二人は何者?もしかして彼女たちが浦島太郎でいう亀で、ここが話に聞く常世の国なのか?)

 

だとすると無機質に過ぎる。この世の裏側にある空間なのは間違いないが、理想郷たる常世とも、死が支配する幽世とも思えなかった

 

(この扉は一体…)

 

目的地まで到達したのか自身にかかった力の作用は消え眼前には白き巨大な扉が現れる。開く度胸はなかったが、これを開けないとここから脱出できない。そんな確信があった

 

(開けゴマ!)

 

そんな掛け声を心の中で言って扉を開く。巨大なわりに何の力もいらなかった。そこにいたのは闇の中にたたずむ車椅子に座った一人の女性の姿だった

 

まず目立つのが、金色の瞳に、同じく黄金のセミロングの金髪。先ほどの少女らと同様の平安時代の狩衣のような装束だが、同じく派手な色映えだ。手には謎の鼓を持っており、纏いし四色のオーラと相まって厳かな趣がある

 

「おぉ、お前が話に聞くナホビノか」

 

女性は尊大な様子で口を開いた、こんな宇宙空間のような場所でも響く凛とした声。賢者、そんな単語がイホリの脳にちらつく

 

「貴方様は何者ですか」

「私は摩多羅隠岐奈(またらおきな)。後戸の神であり、障害の神であり、能楽の神であり宿神であり、星神であり、この幻想郷を作った賢者の一人でもある」

「宿神っていうとあの神仏混淆を象徴する神像とかいう…。するとあなた様は摩多羅神」

「詳しいな。そういうお前の半身は、邪神…もとい蛇神のようだな」

 

イホリは北斗七星の前掛けからしてもしや神田明神の平将門命(たいらのまさかどのみこと)様かと考えたが、秘神の方であった。改めてすごい数の神性の数だ

 

「摩多羅神はインドの神様でしたっけ?なんで日本にいるんです」

鬼子母神(ハリティー)やダーキニーのことか?確かに習合された一部の神性にはあるが、私は人喰いではないぞ。私はむしろそれを抑える側だ」

「というか、お前についている神性の方が日本にいるのが不思議だぞ。おそらくギリシア世界から東へときている」

 

ギリシャ神話については明るくないイホリは先日邂逅したラドンがギリシャ由来かどうかすら曖昧だった

 

「私も全く見当がつきませんよ。もしギリシャの神であるならなぜ何のゆかりもない極東の地にいる私を選んだのでしょう」

「それは魂が神の知恵と結びついているからだ。そうだ、聞きたいことがあるんだ。ナホビノが解禁されたということは、法の神は殺されたのか?」

「??何の話です」

「お前の存在は、外の世界の神の死を意味するということだ」

 

いきなり飛躍した話に困惑するイホリだがどうやら隠岐奈がイホリをこの世界に招致したのはこの質問のためらしい

 

「法の神。別名YHWH(ヤハウェ)。エル、エロヒーム、エルシャダイ、アドナイ、テトラグラマトン。様々な異名を持つ山の神から外の世界の唯一神まで成りあがった神のことだよ」

「もちろん知ってますが、それとナホビノに何の関係が」

「ヤハウェはナホビノを禁じていたのさ。多くの神々から知恵を奪い悪魔へと成り下がらせた本人だから、神が本来の神性を取り戻すことを恐れたのだろう」

「…」

「そんなヤハウェが自分の過ちを認め、神々を本来の姿に戻すなんてありえない。病気や怪我、老化によってによって死ぬことはありえないから、とどのつまり誰かに殺されたのかということだよ」

 

確かにメシア教が支配していた外の世界は滅ぼされたが、そんな事実は初耳である。世界の創造神が何者かによって消されたとは思えない。しかしそうなると自身の存在で矛盾する

 

「殺されたのだとして“誰がやったのか”。それが問題だ、あれほど強力な神を殺せる人物は私は大魔王(ルシファー)しか思いつかない」

「ルシファーとは?」

「明けの明星。堕天使の王、私やヤハウェと同じく二つ名こそ複数あれど本質は一つ。唯一神、それを頂点とするLAW陣営の支配を否定し、力ですべての物事を決める混沌の理そのものだよ」

「ルシファーが法の神を殺したと?」

「だとすると疑問が残る…。仮にルシファーや、LAWに敵対する悪魔や邪神が奴を斃したのだとすれば必ず名乗りをあげるはず。我がヤハウェを殺したのだと、自身の陣営を鼓舞し、敵の陣営に打撃を与え、有象無象の信仰と畏怖を集めるために。しかし、それをしないということは、自分が世界の覇権を握ることに興味がないということ。かなり不気味だ」

 

確かにDARK-CHAOSやDARK-LAWといった世界を手中に収めるため、ヤハウェを殺した後、自身の威光を世に知らしめようとするだろう。しかし、純粋な破壊衝動を好むLIGHT-CHAOSの破壊神やNEUTRAL-CHAOSの龍王はどうだろうか、ヤハウェの殺害に成功しても名誉欲さえ知らぬままに、今も殺戮を続けているのではないのだろうか

 

「そもそも全人類がマガツヒへと還元された今、外の世界は滅び魔界と化しましたし、ヤハウェを殺したという事実は言わずとも世界は混沌の物になったのでは?」

 

しかしその疑問への秘神の返答はイホリの肝がつぶれるような衝撃的な代物だった

 

「何言ってるんだ?外の世界が滅びただと?違う、外界は滅亡などしていない。“破壊されたのは日本の東京”だけだ。“東京受胎”によって、突如東京が魔界化したのだ」

「なんだと!!?紫から聞いた話と全然違うじゃないか」

 

八雲紫は嘘をついていたのか。外の世界の70臆の人類はイホリを残して全て滅びたという話はなんだったのか、自身率いる幻想郷の賢者が外の世界を調べているという話は。イホリは聞かされたすべての情報を、眼前にいるもう一人の賢者に話した

 

「すべて真っ赤な嘘だな。アティルト界とアッシャー界が繋がったのは事実だがそれも一部だけで、常識非常識の概念が無くなり博麗大結界が維持できなくなるなんて話もまやかしだ」

「八雲紫はなぜそんな嘘を?」

「紫とその式神藍は、すでに何者かによって操られていたということだよ」

 

操られていた!あの二人が?即座にイホリの脳裏に、【精神支配】なるロキの邪悪な術がよぎる。あの二人が第三者によって操作されているとは思いもしなかったが、イホリは八雲紫と八雲藍なる人物と以前の性格や為人をしらない。洗脳されていても気付ける道理がなかった

 

「しかし、そのうえで何のために俺に嘘をつく必要が…」

「それが疑問点だ。お前に間違った目標を突き付けて自身の目的のためのさらなる傀儡にするならまだしも、“悪魔退治を通して強くなる”なんてあたかも適当に考えたような理由でお前のような手駒を消費するとは思えない。よしんばお前に創世させることが目的だとしても、どのような世界を作りたいかはナホビノ自身にしか決められない。世界の再生を願われたら受胎すら巻き戻ってそれで終わりだ」

「ではなぜ幻想郷に悪魔が現れたのでしょう。魔界化の被害を受けたのは東京だけなのに、何の関係もない幻想郷になぜ大量の悪魔が」

この幻想郷なる世界が東京とは何の関係もない土地にあることは理解していたので、紫の嘘を嘘だと思えなかった

 

「…東京受胎を、幻想郷に悪魔を引き入れることも、紫にしかなしえない。度し難い事実だが、何者かが支配下に置いた紫の境界を操る能力を利用して、東京と魔界をつなぎ幻想郷と魔界の一部を境を曖昧にして、此度の事変を起こしたんだ」

「!?」

 

だとしたらこれほどまでにひどいマッチポンプはない。ガキを見た際にはなった言葉は何だったのか。自ら招いておいてそれを退治しろと、目的がわからず、愉悦だけで行動しているようにしか思えない、まるで快楽殺人者のそれだ。イホリの心中に憎悪と怒りが溜まっていく。こんな輩に、姉と家族は殺されたのか

 

「今すぐ二人を洗脳している奴を探し出して、殺します」

「それはおすすめしない」

 

なぜと反論したくなったイホリだが、隠岐奈の姿を見て息をのんだ

 

隠岐奈の聡明な瞳はすべてを見通しているかのようで、その水晶には激しい義憤の炎が巻いていたからだ。どんなに強い憎しみを持ったイホリだろうと隠岐奈の怒りには及ばない。彼女の数少ない友人の一人であり愛する幻想郷を共に創った賢者を最も忌避する形で悪用したのだ。その罪がどれだけ深く、重いものか

 

「紫や藍といった極めて高位の妖に術をかけられる存在だ。それこそルシファーやヤハウェクラスしか無理だろう。そんな存在が私たちの敵なんだ。闇雲に突貫するだけじゃ被害を増やすだけだ」

「じゃあ俺はこれからどうすれば…」

「創世だ」

 

創世。なぜその単語が今になって出てくるのだろう。確かに姉や家族を蘇らせたい気持ちはあるが今は復讐の感情の方が強い、それは隠岐奈も同じはずだ

 

「この世界には根本からシステムに問題がある。此度の悪魔異変も、邪鬼や凶鳥、魔王や夜魔といった魔界産の悪鬼羅刹の類より、世紀の形で幻想入りした“悪魔に貶められた”神々の方が多い。たまたまタイミングが重なっただけで、メシア教が支配する世では忘れられる存在が多すぎる」

「しかしかといってガイア教もダメだ。紫を手中に置いたのもこいつらとそれが信仰している神だろうが、悪辣が過ぎるな。混沌を愛する気持ちは同じでも破壊と殺戮は望まない」

 

言葉は摩多羅神としての託宣でもなく、隠岐奈個人の言葉でもなく、幻想郷の賢者としての発言だった

 

「私は元凶の正体と居場所を探っておく。お前はこの幻想郷で戦力を集め、その上で魔界と化した東京に戻り、《峻厳》《均衡》《慈悲》のカギを手に入れ、万古の神殿を開き、至高天へ至れ」

 

法の神が死んだ今それができるのはナホビノたるお前しかいない---しかし、そこまで到達するには膨大な時間がかかる。カギも神殿も至高天も何もかもわからない、イホリがスケールの大きさに頭を悩ませていると、隠岐奈はその心中を慮ったように優しい声で彼に声をかけた

 

「安心しろ。もとよりお前にはかつての敵だが、養蚕(ようさん)の神として慕ってくれていたラルバを救ってくれたことへの恩がある。お前には究極の絶対秘神たる私が、最後まで味方をしてやろう」

 

イホリには隠岐奈が本当の救世主に見えた。何がメシア教だ。真に困ったときに手を貸してくれるのは西洋の嫉妬と傲慢の邪神ではなく仏教の秘仏様じゃないか!と、渓嵐拾葉集はこの世の真理だったのだ

 

「ありがとうございます。摩多羅神様」

「さて早速だけど手を貸す代わりに、私の実験に協力してもらうわ」

 

隠岐奈は鼓を鳴らしたかと思うと、先ほどの二人の少女が即座に現れた

 

「お師匠様!お呼びでしょうか」

「二童子よ。私はこれからちょっと神霊廟に行ってくるから、その間の留守はよろしくね」

「承知!」

 

そういうと隠岐奈は車いすからおもむろに立ち上がる。イホリはてっきり歩けないと思っていたが思い込みだったようだ

 

「ところで実験とはなんですか?」

「決まってるじゃない、悪魔合体よ」

 

 

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