【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ただ、こういう憑依モノを書くのは初めてです。
フルボディはかっこいいです。
ごきげんよう、ここは東の海だ。
オレの名はフルボディ───。
ご存知の方は知っているだろう超大人気海賊漫画「ONE PIECE」の初期に登場する、いわゆる噛ませ犬や雑魚のようにブッ飛ばされた海軍キャラにオレは転生した。
もっとメジャーなヤツとかに転生していたら最悪だったが、フルボディはそこそこ優秀な海軍支部の指揮官を務める〝大佐〟であり、なによりONE PIECEの世界で最も平和な東の海にオレは勤務している。
「フッ、人生ハッピーエンドだぜ」
「何か言いましたか、フルボディ大佐?」
オレの呟きに首を傾げる部下達に「なんでもない」と告げ、コイツらは東の海に所属してから、ずっと苦難も苦渋も苦楽も共にしてきた最高の仲間だ。
そんなことを考えながら民間人の不満や改善するべき相談事を纏めた書類を整理する。……しかし、あまり書類仕事ばかりだと退屈なんだよな。
「なあ、『港の設備を改新してほしい』って結構な数の頼み事があるんだがどう思う?」
「はっ。自分は知名度云々を省いて並み居る海賊の侵入を防ぎ、民間人の安全性を高めるためには必要かと」
「そうか。よし、この頼み事はオレ達の海軍支部も全面協力するぞ」
確かに東の海とはいえ赤髪海賊団も王下七武海もやって来るし、そこそこ港を強化しておけばメインキャラと関わらずに余生を暮らせると考えれば最高だな。
しかし、原作開始はいつなのだろうか?
オレの不安など知らないと言わんばかりに穏やかな大海原、そして海賊旗に溜め息を吐いて、執務室の窓枠に足を掛け、一気に海賊船までオレは跳ぶ───。
「ごきげんよう、そして沈めッ!!!」
大きく身体を仰け反るように引き絞り、オレは渾身の正拳を中型の海賊船に向かって放つ。覇気も何も使っていないが、流石はONE PIECEの世界だと感心しながら、いつものようにオレの拳を伝って現れた衝撃波は海賊諸とも船底まで船を叩き潰す。
「二度と来るなよ、ここはオレの街だ」
そう沈み行く海賊船の船首に着地したオレは衝撃波の余波で吹き飛び、呆気なく四方八方に散らばった船の残骸に掴まっている海賊に吐き捨てる。
あとで始末書か、ほんとに面倒だぜ。
「テメー、よくもオレの船を!」
「ブッ殺してやる!」
なにやらオレの足元で騒いでいる海賊らしき奴らがいるものの。オレの座っている船首に登れず、ズルズルと滑ってひとり、またひとりと海に落ちていく。
「よしよし、元気だな。頑張って岸まで泳げ」
今日も穏やかな大海原だ。
アホな海賊でも溺れることはないだろうとオレは彼らを無視して、海軍支部の執務室へと跳ぶ。が、そこに待ち受けているのは山積みの書類と部下の深い溜め息だ。
「とりあえず、アイツら宜しく」
そう言ってオレは仕事を再開する。
〈フルボディ〉
東の海・海軍支部の大佐。
フルボディに転生しているものの。わりと殺伐とした原作に関わらずに平穏な東の海で人生を謳歌しようと画策していているが、知名度を問わず海賊が来るので大変な日々を過ごしている。