【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「…………」
アタシは何をやっているんだ。
あの後は未遂だったとは未来あるカッコいいサンジに年甲斐もなくもたれ掛かるだけじゃなくて、自分の抱え込んでいた不安や優柔不断などっち付かずの心を話すなんて、どうかしているわ。
でも、もう迷いは消えた。
「おはよう、サンジ君」
「お、おはよう、ございますっ!」
にっこりと寝室を出てきたサンジは赤面し、少し恥ずかしそうに顔を隠しながらリビングのテーブルに料理を運ぶアタシの手伝いをしてくれる。
「ふふ、ありがとう」
「どう致しまして、ジョアさん。……ところで、そのホントにオレなんかで良いのか?オレは海賊だ、ここに戻ってこられる保証なんて出来ない身分だってことはジョアさんなら分かっているだろ?」
「サンジ君、あなたの優しさは分かっているけど。そう何度も聞いてこなくても大丈夫。なんたってアタシの愛する心は不滅だもの!」
そう言ってアタシは胸を張る。
それに偉大な先人も「男の道を逸れるとも、女の道を逸れるとも、人を愛する道に偽りなし。咲かせてみせましょう、オカマ
「───だから好きよ、サンジ君♪︎」
「ああ、オレも好きだよ」
アタシの言葉に笑顔を向けるサンジに、またトキメキを感じながら〝フリフリしたドレスを身に付けるサンジ〟のとっても可愛い姿に、アタシはにっこりと満面の笑みを浮かべる。
やっぱり、ステキなお嬢さんになれるわね。
そんなことを考えながら女王様に謁見できる機会を逃さないために、アタシはサンジを連れてモモイロ島の中心部に建つお城を目指すために、少しでも彼に体力をつけてもらうために回復系バイタルレシピを用いて作った料理を運ぶ。
「……と、ところでさ。ジョアさん、女王様にあうためには男もドレスを身に付けるのはホントなのか?」
「えぇ、かつてモモイロ島にやって来たアブサロムという男も身に付けていたという話は聞いているし。女王様も礼服の一種と公言しているもの」
「そ、そうか、そうだよな」
アタシの言葉に納得したサンジはウィッグのズレを直し、分厚く口紅を塗って、くるりと上に丸みを帯びた付け睫を整えながら鏡を見ている。
だんだんとモモイロ島に染まり始めてきたサンジの姿にアタシは満足げに頷いて、彼のメイクを手伝ってあげる。きっとサンジも仲間の元に帰る頃には、ステキなお姫様になっているわ。
「ジョアさん。オレ、がんばるよ!」
「アタシも応援するわ、サンジ君」
そうよ、頑張って仲間の元に帰らなくちゃね!
〈プリンセス・サンジ〉
モモイロ島に染められて
ヴィンテージ・ジョアの言葉を信じ、彼は恐ろしき魔道に道を踏み外す。その想いは仲間の元に帰るという覚悟に燃え上がるが、己を着飾るステキな感情に戸惑い、やがて彼は魔道の神髄を知ることになる。