【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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新しい英雄、新しい伝説(A New Hero. A New Legend.)

ボコボコと地面を熔解させる毒を撒き散らして階段を降りてきたインペルダウン監獄署長のマゼランの顔は憤怒の一色に染まり、膨大な量の毒液を垂れ流し、無数の毒竜を背中に控えて歩く。

 

「マゼランの〝毒竜(ヒドラ)〟だァ!?一滴でも浴びたら死んじまうぞぉーーっ!!!」

 

「一匹たりとも逃がさん…!」

 

ひとりの悲痛めいた叫び声は伝播し、折角の脱出劇を辞退しようと真後ろに逃げる囚人達をマゼランは睨み付け、ボタボタと毒を垂らすすべての竜を押し出す。

 

まったく、ビビりな奴らだ。

 

「チッ、能力も〝覇気〟も使えねえヤツはさっさと後ろに下がれ!〝ハリガネの砦(アミーゴ・パラグアス)〟ッ!!フハッ、さすがに地面を素材にしてるんじゃ直ぐに毒で溶かされるか!!」

 

「おい。クズテツ野郎、監獄生活で技のキレが衰えてるんじゃねえのか?そのまま毒を呑まれて錆び鉄になれよ、〝砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)〟…!」

 

オレの編み上げた一切の隙間を持たない〝網〟の蓋を溶かして突き進んできた毒竜に向かって、クロコダイルは長距離攻撃の〝砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)〟で迎え撃つ。だが、ジワジワとクロコダイルの砂は毒に侵食され、おぞましい紫色に変色していく。

 

緩やかに毒が砂を染めるにつれて毒竜の進行は遅くなり、やがて毒の全てをクロコダイルの切り離した砂は飲み干してしまった。

 

「オレの毒を無力化したのか?」

 

クロコダイルの砂に呑み込まれた毒竜にビックリするマゼランの表情に気分を良くしたのか。左手のフックを撫でながらクロコダイルは語り始める。

 

「クハハハハ、オレの能力は〝砂〟だ。水を吸い上げ、全てを風化させ、塵に還す。オレにとっちゃあ毒も水分に変わりないんだよ」

 

「マゼラン、実際は下に流しているだけだ!」

 

しかし、クロコダイルはムカつくので邪魔をする。

 

「なにバラしてるんだガネェ!?」

 

「お前はどっちの味方なんだがね!?」

 

「フハッ、決まってるだろ」

 

ゆっくりとオレはマゼランの真上に逆さまで着地し、急速落下を仕掛ける麦わらのルフィに視線を移す。

 

「〝バイカアァァ〟……ッ!!」

 

オレの必然的に作り出したその行為に釣られてマゼランも上を見上げた、その瞬間を狙っていたかのようにルフィはパンチを繰り出す。

 

「〝チャンピオン銃弾(ブレット)オォ〟ーーーッ!!!」

 

「ガブァッ!?」

 

ちょうど真上を向いたところをぶん殴られ、マゼランは後頭部を地面にぶつけ、そのまま自分の毒で腐食した地面を突き破って最下層に落ちていく。

 

「麦わら、なんでバイカーなんだガネ?」

 

「今のオレは仮面バイカーだ!」

 

「フハッ、じゃあ頼むぜ。仮面バイカールフィ」

 

「おう!!!」

 

ニヤリと笑みを浮かべて、後ろに振り返れば「あぁーーん!麦ちゃんが悪どいヤツにいぃぃ~~~~っ!!」とか「あんな純粋な麦わらボーイを誑かすなんて悪いヤツだッチャブル!」なんて騒いでるが。

 

こういうのは適材適所なんだよ。

 

「クハハハ、使える駒が増えたってわけか」

 

 




〈仮面バイカールフィ〉

インペルダウンに現れた謎のヒーロー

真っ白な胸部のプロテクター、両手の前腕部を覆うガントレット、全身を覆い隠す極小サイズの鉄網で編み上げた強化スーツを身に付けたモンキー・D・ルフィ。ほとんど「仮面ライダークウガ」に登場するグローイングフォームなのは内緒である。

きっとシャボンディ諸島にいる仮面バイカー達が彼の存在を知れば「新時代の幕開け(平成のはじまり)」と前世を懐かしみ、その行く末を見守るためにアップを始めることだろう。

世はまさに〝仮面バイカー大戦時代〟────。


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