【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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マリンフォード頂上戦争
フルボディ中将、マリンフォードにて


なんか変な気配を感じた気がする。

 

キョロキョロと海軍本部の窓枠に上半身を辺りを見渡すが、とくに変なものは見えないし。なにか危険な存在感を放つ海賊の集団も知覚できない。

 

多分、さっきのは気のせいだろう。

 

「フルボディ、そろそろ準備しろよ」

 

「……ああ、分かってる」

 

オレの肩を叩いて、そう告げるジャンゴの顔はいつもより真剣さを感じる。しかし、そうなるのも仕方ない。今回のポートガス・D・エースの処刑は父親の負債を息子に押し付け、すべてを清算しようとしているようにしか思えない状況だ。

 

裏切り者の汚名を背負おうと必ず助ける。

 

ツカツカと靴底を鳴らして、オレはジャンゴやアイボリー、ガープ中将の率いる部下を連れてマリンフォードに用意された処刑場に向かう。

 

すでにガープ中将とセンゴク元帥は斬首台の上に座っており、エースの到着を静かに待っている。いつも快活と豪快に笑うガープ中将は沈黙し、両腕を組んだまま波打つ大海原を見つめている。

 

「ガープ中将、お疲れ様です」

 

「別にワシは疲れとらん」

 

ぶっきらぼうに返事を返し、また黙る。

 

「フルボディ、お前も座れ。他の者はエース奪還のために来るであろう海賊の警戒に当たり、なんとしても奴らを食い止めろ」

 

センゴク元帥の命令にジャンゴ達は敬礼し、各々の持ち場に戻っていく。

 

センゴク元帥に頼み込んでアイボリーは後方支援の部隊に配属してもらえたが、彼女もジャンゴも子供の頃のエースを知っている分、ガープ中将の辛さを少しだけ理解している。

 

「ガープ中将、オレは逃げて欲しいです(・・・・・・・・・・・)。たとえ悪の汚名を生まれながらに背負っていたとしても彼は大切な友達だ。彼に代わりはいない」

 

「フルボディ、お前は何を言っとるんじゃ?」

 

「ほんとに何を言ってるんだろうなあ……」

 

ゆっくりと空を見上げる。

 

オレの大事な友達の処刑を執り行おうとしているっていうのに、いやになるほど雲の少ない青空だ。少しだけ、ほんの少しだけでいいんだ。

 

エース、ここには来ないでくれ。

 

「…エースはヤンチャで言葉も荒っぽいが、真面目で海兵になっていれば、あっという間にワシを追い抜いて、大将にもなれる、とっても優しい子なんじゃ」

 

「はい、知っています」

 

「寂しがり屋で文句ばかりじゃがワシが会いに行けば嬉しそうに笑って、ルフィやサボと一緒に野山を駆け回っとる可愛い孫が、何故、何故じゃッ、ワシの孫が処刑なんぞされにゃならんッ…」

 

ただ、静かに嗚咽するガープ中将に気付いたのはセンゴク元帥だけだ。他の海兵達は海賊の出現に警戒し、どこまでも孫を愛する祖父に気付きもしない。

 

ほんとに海兵は辛いなあ……。

 

 

 

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