【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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オレの部下は頼りになる

私は東の海の海軍支部に所属する海兵です。

 

穏やかな大海原を汚す海賊を一人でも多く捕まえるために海軍に入隊したものの。私は百人近い同期達より身体技能は劣り、三等兵になることすら難しいんじゃないかと言われるほど戦闘技術の向上は望めませんでした。

 

──ですが、当時まだ海軍支部の総監督に着任したばかりのフルボディ大佐に「お前が戦えないならオレが代わりに戦ってやる。だからお前は東の海の平和を守るためにオレの知恵になってくれ」と言って頂けました。

 

彼の期待に応えるために同期達と上達する見込みの無い基礎訓練を止めて、フルボディ大佐のために航行技術や海図の製作など彼の役に立てる知識や技術を蓄えることに専念し、他の同期より遅れつつも訓練校を無事に卒業しました。

 

ただ、予想外な事にフルボディ大佐は無自覚に女性をタラシ込んでしまう悪癖を抱えているらしく、私の他にも彼に言い寄る女性海兵はそこそこ居ます。

 

もっとも最近はフルボディ大佐の〝兄弟(ブラザー)〟を自称し、そう名乗っているジャンゴ氏にターゲットを変更している女性もいるそうですが。

 

あまりジャンゴ氏に見向きはされていませんね。

 

「ジャンゴ氏、こちらの資料をどうぞ」

 

「ああ、悪いな」

 

ガリガリと筆圧の強いジャンゴ氏に次々とクリーク海賊団の資料を送りつつ、私達の勤務する海軍支部の改築案や増築案と悪戦苦闘しているフルボディ大佐に私は少しだけ視線を移す。

 

基本的に私達の支部は要望してみれば意外と認可されることが多く、ごく稀に「海軍支部と大浴場を合体させたい」という謎のお願いも出てくるほど。

 

「フルボディ大佐、コーヒーは如何ですか」

 

「おお、助かる」

 

そう言って私の頭を撫でるフルボディ大佐。

 

ジャンゴ氏は「おいおい、気を付けろよ。あんまり異性の頭に触ったりするのはセクハラになるぞ」と、わざとらしくフルボディ大佐に告げます。

 

「ジャンゴ氏、この程度の行為は容認するので、フルボディ大佐をからかうのは止めてほしいです」

 

私の言葉にジャンゴ氏は楽しそうに「ああ、そうだった。嬢ちゃんには、それぐらいのアピールが大切だもんな」と言い、今度は矛先を私に変えてしまう。

 

「どういう話なんだ?」

 

「フルボディ、お前は乙女心を学ぶ事を覚えろ」

 

「ああ、ギャルゲーの話だったのか」

 

「そうじゃねえよ」

 

そう言って言い争うふたり。

 

時折、フルボディ大佐とジャンゴ氏は私には分からない変わった単語で盛り上がり、なにかを懐かしむように楽しかったと話すことがあります。

 

いつか、私にも話してもらえるのでしょうか。

 

 

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