【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
鬼ヶ島、最上階───。
あまりの大きさに巨人かと見間違える巨体を互いの最も信頼する部下の放つ〝覇気〟で揺らす〝二人の皇帝〟は獰猛な笑みを浮かべて向かい合う。
ゴール・D・ロジャー亡き後に四皇の称号を得た〝百獣〟のカイドウの身体に刻まれた歴戦の傷痕は〝五人目の皇帝〟と称され、現在は王下七武海にして〝
「さっきの攻撃の時もそうだ。この前の時より〝覇王色の覇気〟の強さが増してるじゃねえか。オレ以外のヤツと殺り合ってたのかァ?」
「キシシシシ、お前を越えるためにオレは数多の敵と殺り合ってるんだ。尤も
「ウォロロロロ、当たり前だァ…!オレと殺り合えるのはもうババアとお前だけだ。白ひげも歳には勝てねェ…あのままオレに殺られて死んどきゃあ幾分かマシだったかもしれねえがな」
ズシン、ズシン、と地鳴りを伴って歩く二人の間合いは詰まっていき、お互いに攻撃を繰り出すも防ぐも可能な距離になった次の瞬間────。
「「うぅおおぉおぉっ!!!!」」
カイドウは金棒を振り抜き、その動きに呼応するようにゲッコー・モリアもまた大刀を振り抜き、二人の〝覇王色〟はぶつかり合い、強大な〝覇気〟の奔流によって暗雲の立ち込めていた天候は雲一つ無い星空に変わる。
続け様に野球のバッティングのごとく放たれたカイドウ金棒に黒い稲妻は迸り、ゲッコー・モリアの横面に凄まじい衝撃を与える。が、ゲッコー・モリアは不敵な笑みを浮かべてカイドウに大刀で切り返す。
技でも奥義でもはい普通の攻撃が地割れを引き起こし、「ウォロロロロロロッ!!」と咆哮を上げて歓喜するカイドウの踏み込みと同時に金棒を唐竹割りの要領で振るい、ひび割れた地面を更に砕く。
「キシシシシッ!!お前こそ鈍ってるんじゃねえかァ!今の攻撃は前なら当たってたぞォ…!!」
「グウゥッ!?」
ゲッコー・モリアはカイドウを挑発的に煽り、〝武装色〟を纏って黒く染まった大刀をカイドウの胸に突き立てる。ザグリッ!と鈍い感触と肉を断つ手触りに、ニタリとゲッコー・モリアは口の形を三日月に変える。
通算、五度目の戦争───。
〝世界最強の生物〟と持て囃され、ゴール・D・ロジャーを始めとした名だたる強豪海賊、モンキー・D・ガープなど世界最強クラスの海兵と渡り合ってきたカイドウに、五度も挑み続け、ゲッコー・モリアは回数を重ねる毎にカイドウの身体に深く癒え難い傷を刻み付ける。
「今度は心臓を抉り取ってやる!」
「ウォロロロロロ、調子に乗るんじゃねェ…!!」
ズブリッ!
カイドウはさらに大刀の切っ先をねじ込もうと踏み込んだゲッコー・モリアの頭を掴み、ガゴォンッ!!と〝武装色〟で硬化した額を力任せに叩きつけ、ゴォンッ!ゴォンッ!と大刀が深く刺さるのもお構い無しにカイドウは頭突きを繰り返す。
「痛てえじゃねえかぁ!!?」
何度も食らえば流石に痛みも蓄積する。
ゲッコー・モリアは怒りに任せてカイドウの腹を蹴り、血まみれの頭を袖で拭いながら、未だに大したダメージも受けていない目の前に立つ〝
「〝雷鳴八卦〟ェッ!!」
「〝影革命〟ッ!!」
カイドウは渾身の一打を放ち、鮮血が舞う。
────だが、その鮮血はカイドウのモノだった。
「ごふぅっ!?……なんだ、こりゃあ?」
自分自身の顔面に金棒を振るった衝撃でふらつきながらも、カイドウは身体に帯を巻くように現れた〝影〟に視線を向け、この〝影〟が己の放とうとした渾身の一打〝雷鳴八卦〟の軌道をズラし、自らを殴らせたのだと理解する。
「小賢しい真似をォ…!」
「キシシシシ、お前の〝影〟はオレのものだぜ?さあ、派手に事故りやがれェ…!!!」
「ウグオォアアァァアッ!!!?」
カイドウを嘲笑う様にゲッコー・モリアは両腕を広げ、自分自身を殴り始めるカイドウに狡猾な笑みを浮かべながら〝影革命〟の威力を強め、さっきと同じように〝雷鳴八卦〟をカイドウ自身に撃ち込ませる。