【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

125 / 316
〝モリア本領発揮、影の集合地(シャドーズ・アスガルド)

鬼ヶ島、内部────。

 

「くたばるなよォ…モリアァッ!!」

 

「テメーはとっととくたばれェ!!」

 

金棒を放り捨てたカイドウは少年のようにはしゃぎ、モリアと殴り合っている。過去四度に渡って鬼ヶ島に攻め入り、幾度となく受けてきた拳は重みを増し、もはや金棒で相手をするなど無作法と想えるほど両者の強さは拮抗してしまっていた。

 

「〝雷鳴八卦〟エェッ!!」

 

「ギィイアッ!!」

 

右手の鉤爪を突き立て放つ〝雷鳴八卦〟はモリアの身体を容易く切り裂き、バチバチと口内で生み出された強烈な雷撃を伴った至近距離の〝熱息(ボロブレス)〟を撃つ───。

 

モリアは凄まじい速度で迫り来る最大火力の〝熱息(ボロブレス)〟を薄く柔軟性に特化した〝影〟を張り巡らせることで軌道を逸らし、鬼ヶ島は爆発し燃え上がる。

 

「ウォロロロロロ、〝熱息(ボロブレス)〟も弾けるのか」

 

「ああ、もうオレにソイツは効かねえぜ」

 

その言葉を聞き、ニヤリと笑みを深めるカイドウに「キシシシシ、そろそろ良い頃合いだ」とモリアも同じく笑みを浮かべ、ゆっくりと大きな口を拡げ、鬼ヶ島に生きる全ての生き物の〝影〟を取り込み、モリモリと全身は膨れ上がり、シャープな外見はカイドウに見劣りしない筋肉質に変貌していく。

 

「ソイツは確か他人の影を吸収して強くなるって自慢してやがったなァ…!名前は…そう、〝影の集合地(シャドーズ・アスガルド)〟だったか?」

 

「相変わらず待ちに徹するか。オレの変身は攻撃するには絶好の的だろ」

 

「ウォロロロロロロッ!!馬鹿野郎、強いヤツが更に強くなるんだぞ?そんなの止めるなんて無粋なことするわけねえだろォ……!!!」

 

とうとう己を越える背丈に変わったモリアを見据えたまま技の名前を思い出そうとするカイドウにモリアは呆れ、ボコボコと膨らんだ身体を〝生命帰還〟を使って無理やり筋肉を引き締める。

 

「景気付けに一発食らいなァッ!!」

 

「良いぜ、受けてやらァ…!!!」

 

ゴキリと首の骨を鳴らしながらモリアはカイドウに一歩踏み込み、そのまま力任せに右拳をカイドウめがけて振り抜き、モリアはカイドウを殴り倒した。

 

「キシシシシ、パワーは五分みたいだな」

 

「……ウォロロロロ、パワーは同じだろうが。スピードの欠けたお前なんざ楽な相手だぜ!」

 

「それなら、コイツでスピードを補えばいい!」

 

モリアの言葉に応えるように彼の〝影〟は百を越える手を作り出し、メキメキと鈍い音を立てるほど力強く拳を握り固める。

 

「さァ…絶望を味わえよ〝影箱(ブラックボックス)〟ッ!!」

 

ドガガガガガガガガガガァ───────ッ!!!

 

その呟きと共にカイドウとモリアはドーム状の〝影〟に覆い隠され、まともに相手も見えぬ常闇の中に大迫力の打撃音を掻き鳴らす。時折、ドームに拳が浮き上がる度、カイドウの顔も〝影〟にぶつかる。

 

「ウォロロロロロロッ!!そっちが物量で攻めるなら悉く破壊してやるよ。こんな狭苦しい場所だ、お前にも逃げ場はねえぞォ…!!〝壊風〟ッ!!」

 

カイドウがそう言い放った次の瞬間、モリアの築いた〝影の密室〟は暴風によって砕かれ、斬擊を伴う龍巻にモリアの身体は夥しい傷を負いながら跳ね上がる。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。