【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ウソップン、もっと強く打つだん!」
「オレは狙撃手なんだん!」
我輩の構える何故かボーイン列島にも生息する〝プロテクトツリー〟を加工して作ったミットに向かって拳を打つウソップンに激励を送りつつ、この先の海では狙撃手も接近して戦うこともあると教えるだん。
「〝ローリングドライバー〟ッ!!」
「しぬしぬしぬうぅぅっ!!?」
ウソップンに高速のタックルを仕掛けて、そのまま両足の筋肉を使って飛び上がり、グルグルと縦横無尽に乱回転し、ウソップンを地面ではなく衝撃を吸収する巨大な葉の上に叩きつけるだん。
尤も我輩がウソップンを叩きつける前に気絶してくれたおかげで、下手に怪我することなく楽に倒せただん。やはりウソップンは〝森の勇者〟になる資質を秘めているだん。
「チノデン、そろそろお前も準備するだん」
くるりと後ろに振り返って我輩は〝サボテンドクター〟に寝そべって全身のツボを突かれて、この世の悦楽に浸っているチノデンに話し掛ける。
チノデンは「も、もう少しだけです。あ゛あ゛ぁ゛~~っ♪︎全身の凝りが解れるうぅ~~ッ♪︎」と我輩の飼育する全身のツボを刺し、凝りや血行を良くするサボテンのベッドに寝転んだまま返事してきただん。
「それならチノデンはウソップンが起きるまで見てるだん。我輩は食料の調達、そろそろ無くなりそうな治療薬を探してくるだん」
「はああぁ~~い♪︎」
やれやれ、無駄に豪胆な性格も相俟ってチノデンは中々に有望な森の民だん。そもそも我輩の記憶が正しければ、このボーイン列島に存在する動植物は〝美食屋トリコ〟に登場するグルメ食材に類似しているだん。
ひょっとして、クロスオーバーだん?
そんなことを考えながら〝ドクターアロエ〟を伐採し、適度に肥えたグルメ食材の〝蟹ブタ〟を殴り倒して、ウソップンとチノデンの分は確保できたのでキャンプ場に戻るだん。
「ムッ。強烈な獣臭…!」
サッと防御を固めて後ろに振り返る。
そこにいたのは筋骨隆々な巨体を有する赤鱗の鰐。何故、ここに〝ガララワニ〟がいるだん!?とビックリする我輩に向かってガララワニは強烈なテイルアタックを仕掛けてくる。
「〝
我輩は突き技や投げ技をメインとする〝カブトの構え〟ではなく絞め技や切断技に特化した〝クワガタの構え〟を取り、ジリジリと間合いを詰めるだん。
「クワガタの牙はあらゆるモノを切り裂き、砕く!」
地鳴りのごとき突進を仕掛けてきたガララワニの攻撃を躱し、我輩はがら空きの横腹に抱きつき、力任せに持ち上げ、ガララワニを振り回しながら地面に叩きつけるだん。
「去れ、我輩は無益な殺生はしないだん」
そう言って我輩はひっくり返っていたガララワニを抱き起こし、さっき仕留めた蟹ブタを差し出す。トリコのように我輩は食べる分のみ仕留め、それ以外と仕留めるつもりはないだん。
我輩の意志が伝わったのか。
ガララワニは静かに頭を下げ、ゆっくりと蟹ブタを噛んで湖の中に戻っていっただん。彼もまたボーイン列島で暮らす誇り高き〝森の勇者〟だん。
〈ハングリラ島〉
アニメスペシャルに登場した幻の島
本来は麦わらの一味とトリコ一行の出会う場所だったけれど。なぜかボーイン列島の一部に変化しており、ヘラクレスンは島の秩序を保つために暴飲暴食を繰り返す猛獣を仕留め、その肉を栄養にしている。
〈蟹ブタ〉
哺乳獣類
丸々と肥えた肉体と違って俊敏な動きを行えるブタ。高い身体能力を有するため肉は引き締まり、脂身も少なく淡白な舌触りに濃厚な旨みを秘めた最高級の蟹を彷彿とさせる味わい。
〈ガララワニ〉
爬虫獣類
本来はバロン諸島生態系の頂点に君臨する巨大な赤鱗の鰐。ハングリラ島の栄養価の高いグルメ食材を捕食し、50メートルを越える巨体を有する。また、ヘラクレスンと戦った暴飲暴食を繰り返すガララワニには珍しい高潔な精神を持つ特殊個体だった。
〈サボテンドクター〉
植物類
上に寝転ぶだけで全身のツボを刺激し、凝りや血行を良くする人の形を象ったサボテン。血行促進の効能で疲労回復や肌艶も良くなるため美容目的でも使える。
〈ドクターアロエ〉
植物類
外傷、凍傷、火傷、壊死した細胞組織も治療するアロエ。並大抵の傷であれば直ぐに治すため生傷の絶えない剣士や戦士には持ってこい。
〈ローリングドライバー〉
出典・甲虫王者ムシキング
ムシキングに登場する必殺技
高速で近づいた相手を投げ飛ばして、空中で逆さまに抱き込み、縦横無尽に乱回転しながら相手を地面に叩きつける強烈な投げ技。