【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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鉄拳と海軍大将

四つの海には海軍支部は多く存在する。

 

とくに平和と最弱の海と揶揄される「東の海」を管轄とする海軍支部にも自堕落になる者、賄賂や悪事に手を染める者も多発するほど一部の海軍支部は治安も悪い支部も実在する。

 

しかし、なぜオレは呼び出しを受けているのだろうか。

 

そんなことを考えながら目の前に座っている海軍大将〝青雉〟ことクザン大将はハンモックに寝転んだままオレの提出した海軍支部の汚職行為を纏めた書類を読んでいる。

 

「クザン大将、今回の用件は?」

 

「あ?あー、あれよあれ」

 

ボリボリと独特なモジャモジャした髪の毛を搔き毟りながらハンモックを降りたクザン大将は執務室の箪笥や机の中を漁り始めたかと思えば、グシャグシャになった一枚の紙を差し出してきた。

 

なんだこれ?

 

オレはグシャグシャの紙を広げるなり、クザン大将に視線を戻す。

 

「『昇任推薦状』って、どういうつもりですか?」

 

「どういうつもりもなにも、お前の実力で東の海(イーストブルー)に滞在するのは海軍として痛手になる。そう考えるヤツが、本部にはそこそこいるのよ」

 

「そう、なのか?」

 

「オレもサボる口実が増えるし、仕事も減って海賊の検挙率も倍になるだろ、たぶん」

 

いきなりの事に困惑するオレを放置してクザン大将は「まあ、ゆっくりと考えな。オレはもうひと眠りするから」と言って、ホントに眠ってしまった。

 

だが、クザン大将の言葉に半信半疑ながらもオレは自分の手元に握られた推薦状を見下ろす。

 

未だに覇気も使えないオレが海軍本部に所属したところで足手まといになるのは分かりきっている。それでもオレは〝東の海のフルボディ大佐〟じゃないといけない、そんな気がする。

 

「クザン大将、オレは東の海に戻ります」

 

「……昇任を蹴るのはいいけど。お前の強さに目を掛けてるガープさんや他の大将のことも考えてやりなよ」

 

ハンモックの上で寝返りを打ってオレに背中を向けるクザン大将に敬礼し、オレはクザン大将の執務室を退出する。ガープ中将は分かるけど、オレを目を掛けてる大将ってだれだ?

 

「なんじゃ、本部に来とったのか」

 

「さ、サカズキ大将!」

 

そう言ってオレを見下ろす屈強な強面の男。絶対的な正義を掲げる海賊撲滅に心血を注ぐ海軍大将〝赤犬〟ことサカズキ大将がオレに視線を向ける。

 

この人、怖いんだよなあ……。

 

「クザンに話は聞いとる思うが、おどりゃーの実力で最弱の海に固執しとる場合じゃない。ワシも推薦状を書いちゃるけぇ、さっさと荷物を纏めろ」

 

「すみません!オレは東の海に戻ります!!」

 

そう言ってオレは全力疾走した。

 

だって、怖いもんサカズキ大将。

 

 

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