【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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空を自由に飛びたいな

「スーパーイカすぜ…!」

 

そう言って我が家の大きな姿見に映っている自分の身体に、うっとりとした表情を浮かべているフランキー。彼の身体は余すところなく〝からだ粘土〟に覆われ、彼の理想とする姿になっておる。

 

理想の肉体とは、己の映す鏡である。

 

ひ弱な男であれば筋肉質な肉体を、あまりプロポーションに自信の無い女であれば豊満な肉体に、そう言った理想の身体を擬似的に体験できるのが〝からだ粘土〟の良いところであり、その理想を掴むために、より努力することが出来るようになるというわけじゃ。

 

「このフォルム、この重厚感、そして、この巨大な見た目、まさに鋼鉄の要塞じゃねえか」

 

「実際に要塞になっとるしの」

 

フランキーの言葉にワシは頷きつつ、彼の理想とする姿に少々呆気に取られる。ワシの研究所の大多数を埋め尽くしている戦艦と要塞の合体したような建造物、これこそがフランキーなのじゃ。

 

「オレは要塞戦艦フランキーシップ…!どんな荒波にも耐える最強の生きた船だぜ!」

 

「ワシにはちょこーっと分からんけど。フランキーは満足そうじゃし、良いのかのう?」

 

チラリと孫を見ればキラキラと両目を星に変えて、要塞戦艦と名乗ったフランキーに尊敬の眼差しを向けている。やなり、あの年頃の子供はカッコいいものが好きなんじゃろうな。

 

「フランキイィーーーッ、高速移動!」

 

シャカシャカシャカ!と高速で回り始めた船底。おそらく水陸両用を想定して、ああいったデザインになっとるんじゃろうが、超軽量素材の〝からだ粘土〟だからこそ出来る動きじゃな。

 

「おじいちゃん、乗ってくるね!」

 

「ホッホッホッ、怪我せんようにな」

 

「はーい。よし、いくよ!」

 

ワシの注意に元気の良い返事を返し、愛犬と共にフランキーに乗り込む孫。やはり、子供の元気な姿を見るのは、とても良いことだ。

 

「スウウゥーーーパアァァァーーーッ!!」

 

「きゃっほおぉーーーっ!!!」

 

「……ワシ、そこまで教えとらんよ?」

 

なんぞ変形し、飛行機に形を変えたフランキーは操縦席に孫と愛犬を乗せ、両手の〝風来砲(クー・ド・ヴァン)〟を放つ風圧を利用し、擬似的に大空を滑空し始める。

 

原理としては渡り鳥のように翼を広げて滑空し、その間に休息や次の羽ばたきに備えてエネルギーを蓄積させておるようにも見える。

 

ウ~ン、やはりフランキーは面白いのう。

 

「おじいちゃん、ぼく空を飛んでるよぉー!」

 

「おい、あんまり身体を出すんじゃねえ!?」

 

ホッホッホッ、元気じゃなあ……。

 

 




〈からだ粘土〉

出典・ドラえもん

とても軽くて柔らかい身体に張りつけて遊ぶ不思議な粘土。スラリとした足、ムキムキな身体など好きなように身体の形を変えて遊べる。


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