【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
アタシ、カネゼニーは可愛い孫を売り払った上に「さァ、金を寄越しなァ…!!」なんて非道すぎることは言えねえさ。ヒヒヒッ、ただし役人の金は根こそぎ奪うけどねェ…!
ここは
アタシことカネゼニーが此処に連れてこられたのは〝運命〟であり、絶対に変えることの出来ない〝歴史〟を無理やりねじ曲げ、あの子を匿って逃がそうとしたからだ。
「……カネ、おばあちゃん…?」
ガリガリと岩を削っていた、そのときだった。
どこか大人びた声でアタシの名前を呼ぶ声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げれば少し大きく成長した傷だらけのニコ・ロビンがアタシを見つめていた。
「ロビン、ロビンじゃないか…!」
ツルハシを投げ捨ててロビンに駆け寄ろうとしたところを止めに来た監視員をぶん殴り、彼女の能力や動きを封じている手枷の鍵を奪い取って自由にする。
「なんで、ここにおばあちゃんが?」
「ちょいと失敗してね。別にアンタは関係ないんだよ。それに、こうしてロビンに会えたんだ、アタシは最期の最期に恵まれてるよ」
ロビンの問いかけに少し濁して答えつつ、アタシは仕事仲間に「ウチの孫が来てくれたんだ!」と自慢し、また捕まえに向かってきた奴らに石ころをぶん投げる。
原作だとテキーラウルフじゃ罪人は酷い仕打ちを受けていたけど。そんなことで屈するほどアタシは柔じゃないし、なんなら此方がボコってやったね。
「私のせいでおばあちゃんは此処にいるの?」
「アンタはなに言ってんだい!?アタシが此処にいるのはムカつく役人のカネを根こそぎ奪ってそこら辺にばら蒔いたからだよ!」
「それって、あのときの?」
「もっと後のことだよ!」
アタシが罪人になったことを自分の責任だと呟くロビンの頭をひっぱたき、アタシは自分の責任だと伝える。まったく最近の若いヤツはネガティブすぎる。
「はあ、ホントにアンタは変わらないね。まァ~た人に騙されたのかい?」
そう言ってアタシは他の仲間に「また偉そうになり始めた監視員をお仕置きしておきな」と告げる。ヒヒヒッ、こんや最弱の海で偉そうにしたんだ、転生者のアタシにとっちゃカモだね。
「ねえ、おばあちゃん」
「なんだい?」
「私にもちゃんと仲間が出来たよ」
「ヒヒヒッ、良かったねェ…」
ロビンの自慢するような言葉にアタシは頷きつつ、なんか若い女だと騒がしい奴らにツルハシやハンマーをぶん投げる。アタシの孫だよ、オッサンが近寄るな!
「ところで、何処に向かってるの?」
「そいつは内緒だよ。アタシとしちゃあ、まだまだ話したいんだけどね。さすがに此処は冷えるし、元監視員の施設でロビンの着替えを探しに行くのさ」
そう特に隠すことない事実を伝えるアタシの言葉に納得し、ロビンは昔のようにアタシの後ろを着いて歩く。ああ、ほんとに久しぶりだね。
〈カネゼニー〉
カネゼニーに転生した老婆
「金の亡者」や「恐怖の守銭奴」の異名を持つ老婆。ありとあらゆる手段を用いてカネを奪い、この世の全ての財宝を手中に納め掛けた怪人物。
ただし、幼少期のニコ・ロビンと生活していたときは普通の老婆を装い、政府の役人相手に「さァ、アンタ達の金を寄越しなァ…!」と襲い掛かり、そのまま勢い余って五老星のいる世界政府の本部にも乗り込んだ。
〝懸賞金11億4500万ベリー〟
数万件を越える金品財宝の略奪およびニコ・ロビン逃亡の手助けした大罪を理由に処刑執行を受けるが、あまりにも執念深すぎるため「全身の骨格」に〝武装色の覇気〟を纏っており、全く処刑することが出来ない。