【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ワシが勝ったら本部に転属じゃあぁっ!!!」
海軍本部の大演習場のど真ん中で、そう宣言するサカズキ大将と同調するように何度も頷くガープ中将やクザン大将、何も聞かされていない海軍大将〝黄猿〟ことボルサリーノ大将を含めた他の海兵の奴らに申し訳ない気持ちになりながらもメリケンサックを両手に嵌める。
せめてオレの海楼石のナックルを信じよう。
そんなことを考えながらオレの付き添いで本部にやって来ていたジャンゴと部下は渋い顔でサカズキ大将を見つめている。いいぞ、そのまま圧力を与えてくれ。
「よそ見しとる暇じゃないぞォッ!!」
ゴポゴポと触れるだけで熔けると分かるマグマを纏った拳を振るうサカズキ大将の間合いを外れるように大きく後ろに飛び退き、オレは広範囲に及ぶ直接的な攻撃ではなく〝触れずに相手を殴る技〟を模索する。
しかし、使えるには使えるが下手したら海軍支部の演習場をぶち壊す可能性もある技を大事な部下や親友の近くで使いたくない。
「大噴火ッ!!」
「熱があ゛ッ!?」
「逃げとるだけじゃあワシは止まらんぞ、フルボディ!!さっさと本気で掛かってこんかァッ!」
地面を焼き焦がすマグマの飛沫を腕に受け、力任せにスーツのジャケットを破き捨てる。クソ、折角の一張羅を燃やしやがったな、あのマグマ野郎…!
「サイクロンパンチッ!!」
「この程度のそよ風ワシには効かんぞ!」
右足を後ろに引き、爪先から生じる回転エネルギーを拳に向かって一気に集束させてサカズキ大将の土手っ腹に巨大な風穴を開ける……だが、
「フルボディ、直接ぶん殴れ!!」
「ジャンゴ?」
突然、そんなことをオレに向かって叫ぶ親友にオレは困惑しながらもアイツの自信に満ちた顔と部下の心配そうにオレを見つめる顔を見て、ようやく覚悟を決めることが出来た。
「……『疑わないことが強さ』だったな」
メリケンサックを外し、投げ捨てる。
「ようやく覚悟を決めたかフルボディ」
そう言ってサカズキ大将は地面を焦がしながらオレに近付いてくる。覚悟を決めろ、オレなら出来る。オレの〝鉄拳〟はマグマをぶん殴れる。
「一発だ、一発で決める」
メキメキと右拳を限界以上に握り固める。
「犬噛紅蓮ッ!」
「
本気の本気で覚悟を決めたアッパーを牙を剥き出しにしたマグマの犬に向かって振り上げる。
バチッ、バチバチバチイィッ!!
……オレには無理だと諦めていた。
いや、そもそも〝転生者のオレには使えない〟と勝手に思い込み、とっくに身体にも精神にも使える兆しを見出だしていたのに信じていなかった。
だが、コイツは…!
「オレの〝
「ぐぬっ、おぉおおおおぉおおおぉおっ!!!」
オレの拳はマグマの犬をぶち抜き、サカズキ大将の顎を殴り砕いて、そのまま彼を大演習場の外壁までブッ飛ばしてしまった。
「ハアッ、ハアッ…!」
クソ、はじめて使えたのに燃費悪すぎだろ。
オレはフラフラと覚束ない足取りで瓦礫を押し退け、ほとんど無傷の状態で立ち上がるサカズキ大将に近づき、辛うじて残っていた力を振り絞って頭を下げる。
「ご指導、ありがとうございました!!!」
「……フン。分かっちょるな、それでいい」
そう言ってサカズキ大将はオレの肩を軽く叩き、一度も〝正義〟の刻まれた外套を落とすことなくオレの覇気を開花させてしまった。
やっぱ、強えぇなあの人。
〈サイクロンパンチ〉
出典・機動武闘伝Gガンダム
ネオアメリカ代表チボデー・クロケットの必殺技。
パンチに竜巻状のエネルギーを纏わりつかせ、強烈な突風を伴って相手を打ち砕く強力なパンチ。
〈
出典・HUNTER×HUNTER
幻影旅団・ウボォーギンの必殺技。
純然たる豪腕を用いたパンチ。達人のような卓越した技術ではなく、純粋な念の籠った普通のストレートパンチだが破壊力はミサイルを越える。