【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ジャンゴとバージェス殿の試合を観戦し、無事に二人の勝利を見終えたオレは果物屋の店先に置かれた禍々しい見た目の果物に苦笑いを浮かべる。
どう見ても悪魔の実だ。
こういう場合は有識者に聞くべきだよな。ジャンゴかホーディに聞ければ良いが、ホーディは魚人島で結婚式を挙げるという話をジンベエ殿を経由して聞いているし。あまり呼び出すのはダメだ。
よく新婚生活は重要だと聞く。まあ、オレは前世も含めて結婚したことないし、あんまり結婚を難しく考えて引き伸ばすなんていう事は避けたい。
「……しかし、なんの実なんだ?」
2万ベリーで買った悪魔の実を眺めつつ、オレ以外に食べさせて能力の有無を知るのは当たり前だが、悪魔の実にもハズレがあるかも知れない。
だからこそ、迂闊に渡すことは出来ない。
「あー、疲れたぜ」
「ウィッハッハッハッ!!お前の動きも良かったぜ、ジャンゴ。またオレと組むことがあったら次は変則マッチで暴れまくろうぜ!!」
「オレは戦えるが戦士じゃねえんだよッ!そういうのはパンチ馬鹿のフルボディに言ってくれ、あわよくばフルボディに仕返ししてくれ!!!」
「聴こえてるぞ、クソヒゲ。それよりコイツの鑑定してくれ」
ぶん殴りたい気持ちを我慢しながらジャンゴの頭をブッ叩いて、ぽいっと悪魔の実を投げ渡す。危なげなく受け取ったジャンゴは悪魔の実に苦笑し、ソッと見たくないものを避けるように視線を逸らしやがった。
「……お前って厄介事を引き寄せる体質なの?」
「知らん。それで、なんの実だ?」
「キノコっぽい見た目だし。チョッパーが食べたヒトヒトの実に近いか?ウ~ン、コイツが〝
「いや、オレかよッ!!?」
ズビシッ!とツッコミを入れるバージェス殿。
しかし、悪魔の実に興味はあるらしく。渋々とジャンゴから悪魔の実を受け取って、じろじろと全体を観察し、嫌々と口の中に放り込んだ。
「う゛ッ」
「「(死んだか!?)」」
「げろまじいぃぃっ、二度と食いたくねえ…」
そんな文句を言いながら身体の感覚を確かめるバージェス殿に視線を向けるが、とくに変わったところはない。なんの悪魔の実だったのだろうか。
「どうだ、バージェス?」
「…………なんとなく分かる。分かるんだが、コイツはなんて言えばいいんだ?」
「変身すれば分かるんじゃないのか」
「それもそうだな。フンッ!!」
オレの言葉に頷いたバージェス殿は全身に力を込めると。ミシミシと鈍い音を立てて、全身を悪魔の実の「モデル」に変化させる。
その姿は正しく
「チンッ……!?」
「叫ぶな、アホめ」
あまりにも知っているものに叫びそうになったジャンゴの口を押さえつつ、オレは公共の場でとんでもないものに生まれ変わってしまったバージェス殿に憐れみの視線を送ってしまう。
「「とりあえず、地獄に帰ってくれマーラ様」」
「えっ、オレの食べたのマーラ様だったの!?」
そうだよ。
やめろ、こっちに来ないでくれ。
〈ヒトヒトの実「幻獣種」
ヒトヒトの実?
女神転生の人気を担うアイドル的存在とも言える仲魔であり、その強さも見た目も一目見れば忘れることは出来ないフォルムだ。だが、決して邪悪な存在でもなければ恐ろしい存在でもない。
いわゆる、アレに似ているけど、アレじゃない…!