【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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2年間                        その他の転生者たち
紳士たる者、冷静であれ。


私の名前はスパンダインと言う。

 

六十年ほど前に「ONE PIECE」の世界に転生し、世界政府の諜報機関「サイファーポール」の総司令官として勤務していた、ごくごく平凡な裏方の人間だ。

 

「オヤジ、見舞いに来てやったぞ」

 

「スパンダム。ドアは優しく開けなさい」

 

「ヘッ。少しは大目に見ろ」

 

「ゴホッ。お前のことだ、またルッチ達とケンカして負けたんだろう?」

 

「ま、負けてねえよ!?」

 

そう威張るように病室のドアを開け、我が物顔で来客用の椅子に座ったのはスパンダムと名付けた私の息子だ。少しばかり野心と反骨精神が強いものの。現在はサイファーポールの優秀な司令官となり、世のために、人のために、海賊を捕まえている。

 

しかし、私の育て上げた諜報員達と少々仲が悪い。海賊を捕まえる際に連携し、最優先に任務を遂行できる実力はあるのだがね。

 

「で。オヤジの傷はいつ治る?」

 

「いや、私は怪我を負って入院している訳ではない。おそらく世界政府……五老星の遣いが盛った遅効性の猛毒による肉体の負荷だろう」

 

「どく?毒だと!?」

 

私の言葉に驚愕するスパンダム。

 

まあ、驚くのも仕方ない。自分の所属する組織の上層部が実の父親に毒を盛ったのだ。いくら冷徹に物事を進めるスパンダムと言えど不安を露にするのは当然だ。

 

「ルッチにも効くのか?」

 

「いや、〝動物系(ゾオン)〟の肉体強化は免疫力にも影響する。ルッチの様に極限まで肉体を鍛え上げたタイプに毒は効き難い上に下手に毒を盛るのは止めなさい」

 

「チッ。まあいいさ。オレには大海賊時代を生き抜いたオヤジに教わった〝零式〟がある。どんなヤツもこの肉体とファンクフリードがいれば問題ねえ!」

 

「スパンダム、お前の強さはルッチより上だ。だが、ルッチはお前と違って攻撃に一切の戸惑いを持ち合わせていないのは知っているだろう」

 

そう告げるとスパンダムは「まあ、確かにオレは海賊と会えば少し驚くけど。アイツもたまに変な海賊にビビったりするぞ?」と言い返してきた。

 

その海賊は私の同郷の変態(てんせいしゃ)だ。

 

「『キャー、私のハートを貫いて』とか『ルッチのペットにしてー』なんて叫ぶ海賊はオヤジも怖いだろ?たまにルッチのヤツも『オレは真面目な諜報員だ、海賊にモテるつもりはない』ってフーズ・フーやジャブラ、あとカクに愚痴ってたぜ」

 

「……まあ、そういうこともあるさ」

 

「ああ、あとオヤジに聞きたかったんだ」

 

「なにかね?」

 

「ラスキーが『スパンダム坊っちゃんの〝零式〟はスパンダインと違って、とても上品だな』って言ってたんだよ。まだ、コイツには先があるのか?」

 

やれやれ、ラスキーもおしゃべりだね。

 

 

 




〈スパンダム〉

転生者スパンダインの息子

世界政府の諜報機関「CP」総司令官を受け継ぎ、数年ほど経過している。原作と違って貧弱な肉体ではなくスパンダインが考案し、数多の戦果を挙げてきた〝零式防衛術〟という格闘技を習う。

〈零式防衛術〉

出典・覚悟のススメ

葉隠一族の操る格闘技

ありとあらゆる状況・局面を想定して誕生した無音暗殺を旨とする無手の白兵戦術であり、全ての技術を習得した者は軍隊に匹敵し得る強さを肉体に宿す。


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