【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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魚の国良いとこ一度はおいで

「なんでオレは此処にいるんだろうか」

 

いつもならオレの疑問に答えるジャンゴは深海の空を舞う人魚に感涙している。アイボリーは面倒臭そうに溜め息を吐き、静かに「もう、いっそのこと置いて帰りませんか?」なんて言い出す始末だ。

 

そろそろ本格的にアイボリーはオレの相棒のポジションを狙い始めている。だが、君はオレの恋人だろう?と言いたくなるのをグッと堪える。

 

「フルボディさん、ホタテのバター焼きですよ」

 

「ああ、美味しそうだな」

 

「ジャンゴ氏は他の方々に任せて、私と一緒に魚人島デートしましょう。イヤならホーディ氏とシャーリーさんが結婚した式場に行きましょう」

 

「よぉうし、そこは後者一択だな」

 

「やった♪︎」

 

アイボリーの二つのステキな提案を聞き、オレは迷わず彼女の求めるモノを選ぶ。

 

実は、彼女がおつる中将に「そろそろ孫が抱きたいねえ」なんて言われている事をオレは知っている。しかし、おつる中将と血縁関係はなかったはずでは?

 

そんなことを考えながらジャンゴを放り投げて、オレはアイボリーと一緒に結婚式の式場を視察に向かう。あわよくば今日にでも結婚したい気分だぜ。

 

「そういえばフルボディさんは人魚にメロメロにならないのは何故なんですか?他の海兵は、あんなに現を抜かしているのに」

 

「オレが君以外に目移りするわけないだろ?」

 

「……そ、そうですか」

 

どこか恥ずかしそうに俯くアイボリーに首を傾げつつ、この言葉は良くなかったかと考えるが、人魚や魚人のお姉さんはグッドサインを送っているし。

 

たぶん、問題ないはずだな!

 

「ところで、アイボリー」

 

「はい」

 

「その腕に絡みついているヌメヌメしたヤツは?」

 

「え?ひえっ!?」

 

慌ててヌメヌメしたものから手を引き抜き、アイボリーはオレの後ろに逃げるように回り込んだ。ゆっくり、ゆっくりと形を形成し、出来上がったのは汗だくになった舌の長いオッサンだった。

 

「ケヘヘヘ、甘あァ~~い雰囲気に誘われて〝恋愛伝道者〟のカリブーさんが来ましたよォ~~~~っ♪︎さあさあさあ、たっぷりステキな一時を見せてくれよ♪︎」

 

な、なんだこいつは?

 

「フルボディさん、この男は5億の懸賞金をかけられた海賊です!確か『オレの目の前でNTRり行為は許さねえ!』と天竜人を殴り付けています!」

 

「ふむ、さてはNTR撲滅委員会だな」

 

「如何にもッ!!NTRなどクソくらえだ!」

 

こういうタイプもたまにいるよな。

 

わりと同郷の奴(てんせいしゃ)の中だと良識派だって認識しているが、いきなり人の彼女の手を握ったことは絶対に許せんので殴っておこう。

 

「カリブー殿、お前の心意は理解できるが人の嫁の手を握ったことは許さねえぞ」

 

「ケヘッ、さ、さすがにヤバいな!?」

 

「〝メフィスト・パンチ〟ッ!!」

 

ギュルルルルルッ!!と全身の爪先から右手の先まで関節を総動員して放った渾身の右ストレートは凄まじい渦を作り出し、カリブーの顔面をブチ抜いて吹き飛ばし、その衝撃波が魚人島を揺るがした。

 

 




〈メフィスト・パンチ〉

出典・キン肉マン

キン肉マン・ゼブラの必殺技

全身の筋肉と関節を連動するように動かして放つコークスクリューブロー。超人の膂力とパンチ力を持ってすれば鉄骨すら突き破り、フルボディは島ひとつを震動させる破壊力を持つ。


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