【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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フルボディ中将、迷子になる

「…………」

 

ここは、どこだ。

 

オレはアイボリーと一緒にリゾートを満喫していたはずなのに、気がつけば珊瑚の森にいた。モグモグと砲丸サイズの海ぶどうを頬張りながら歩いているとデカい人魚のお姉さんに出会えた。

 

「だ、だれですか!?」

 

「ごきげんよう、海軍中将のフルボディです」

 

「かいぞく!?お父様の敵ッ!!」

 

「いや、海軍です」

 

巨人サイズの手のひらがオレのことを叩き潰さんばかりに振り下ろされる。どうしよう、避けたほうが良いんだろうけど。珊瑚が多いし、この子も怪我するよな。

 

そんなことを考えているとオレは頭に彼女の手のひらが当たる瞬間に全身の力を抜き、そのまま脱力してダメージを地面に分散していく。

 

「やりました!お父様の国を守りました!!」

 

フンスと胸を張って叫ぶ彼女には見えない速度で珊瑚の森を駆け抜けていけば、だんだんと人も増えて、その中にアイボリーの気配を感じ取る。

 

捜索タイプの伝電虫を使おうとするアイボリーに「すまない。迷子になってた」と謝りつつ、今度ははぐれないように手を繋ぐ。

 

「まったく、フルボディさんは私に心配させすぎです。あなたが倒れたら部下の面倒もジャンゴ氏の引き起こす騒動の鎮圧も行えないんですよ?」

 

「うっ。ホントに悪かった」

 

「私は許しますけど。それとジャンゴ氏からカリブーと交戦中だという連絡を受信しているんですが、さっきと同じように無視して問題ないですよね?」

 

「まあ、ジャンゴだけで大丈夫だろ」

 

確かにカリブーさんの総合戦闘力はジャンゴより格上に感じるものの。アイツには白ひげにすら通用する催眠術があるんだ。そう簡単に敗けることはない。

 

「ところで。さっきから何を食べてるんですか?」

 

「露店で買った海ぶどうだ。美味しいぞ」

 

「うみぶどう?」

 

オレの手渡した砲丸サイズの海ぶどうを両手で掴んだ彼女は、黒にも見える緑色の海ぶどうに恐る恐る口を近づけ、パクッとかぶりついた。

 

「これ、塩気がすごいです」

 

「酒が飲みたくなるだろ?」

 

「フルボディさんは下戸じゃないですか」

 

「フィーリングで補えば気分は味わえる!」

 

「それもそうですね」

 

モグモグと海ぶどうを食べていると巨大な珊瑚を駆け上がっていくジャンゴとカリブーさんを見つけた。アイボリーに速くて見えていないが、二人とも対等に渡り合えているな。

 

やはりライバルの存在は重要なのだろう。

 

「フルボディさん、なにやら私達をすごい睨んでいる人がいますよ。また、私の知らないどこかで変なことして怒らせたんですか?」

 

「……いや、オレも知らないやつだ」

 

しかし、デジャブは感じるぞ。

 

 

 

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