【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「あぁーーーっ!!フルボディとお姉さんだ!」
「よう、ウタ。元気そうだな」
「フフン、当然だよ。それにフルボディもお姉さんも元気そうだね!あとジャンゴのおじさんも!」
ウタはオレとの再会を喜んでくれているが、赤髪海賊団は警戒心を剥き出しにしながらオレ達を見据えている。そういう鋭い目付きは子供のいないところでしろ。
「お、おじさんか、まあ推しに認知されるなら…」
そうオレは内心で思いつつ、シャンクスからジャンゴに視線を変える。コイツの見たいっていう結末だが、シャンクスもいるってことは、これひょっとして『劇場版』の可能性もあるわけか。
そうなると、ルフィはどこだ?
…………いや、ルフィ、まだ子供じゃねえかよ。
ようやくジャンゴの言ってきた最悪の結末の意味を理解し、シャンクスの片腕の原因もコレかと小声でジャンゴに聞けば「えぇ、ホントに丸ごと忘れてるんだな。お前」と逆にドン引きされた。
「いや、仕方ないだろ?」
「お前の忘れ癖は絶対に何かのデメリットだな」
「マジか、そこまで考えてなかった!」
「えと、お二人は何の話を?」
「「クザン大将の行きつけの話だ」」
そう言うと部下の表情はスンとなった。
よく海軍支部にもクザン大将にナンパされた話は届くし、彼女の同期や後輩、先輩に当たる女性もクザン大将のナンパを受けている可能性もあるのだ。
「フルボディ、どうしてエレジアに?」
「あー、オレは親友の付き添いだ」
「じゃあ、ここに来たのはジャンゴのついでか」
オレの言葉を疑いもせずにシャンクスは受け入れ、そのままウタと「まだ、その髭なの?」やら「ハートのサングラスやめなよ」なんて言われるジャンゴを観察するように、じっとシャンクスはジャンゴを見つめる。
「ジャンゴなら髭なしでもイケるよ!」
やめてやってくれ、ウタ。
その髭とサングラスはポリシーなんだ。
そんなことを切実に思いながらシャンクスに抱き抱えられ、嬉しそうに幸せな笑顔を振り撒くウタの姿にジャンゴと部下は、ほっこりとした顔になる。
「で、お前達はエレジアに滞在するのか?」
「あー、えと、誰だったか?」
「オレはベン・ベックマンだ。この前のときに挨拶は交わしたはずだが?」
「……悪い」
じろりと睨まれてしまった。
やっぱりオレは転生するときに原作の知識とか抜かれてるのか?それとも単純に物忘れが激しくなってしまっているのか?
「お前はウワサとホントに違うな」
タバコを指に挟んだまま、そう吐き捨てるベン・ベックマンの呟きに首を傾げる。
「オレのウワサって、どんなウワサだ?アホみたいにパンチしかしないとか拳骨に勝てない鉄拳とかか?」
「いやオレの聞いたウワサは『絶対に海賊を捕り逃さない両手のナックルを鮮血に染める撲殺魔』だとか『ひと度海賊を見つければ殴り殺すまで止まらない鋼鉄の海兵』だな」
「いやいや、誰の話なんだよそれ?」
「お前の事だが?」
どうしよう、ちょっとだけショックだわ。