【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝悪魔の科学者〟シーザー・クラウン

シーザー・クラウン。

 

かつて世界政府に所属するベガパンクに比肩し得る天才的な頭脳とセンスを持つ科学者だったという話はオレも聞いている。だが、彼の天才的な頭脳はベガパンクですら把握出来なかった。

 

「フルボディ、お前の強さは良く知っているがヤツにとってお前もオレも頑丈な被験者に過ぎん。クザンさんは一度だけ会ったことがあると言っていたが、もはや人間なのかも怪しい存在だそうだ」

 

「ソイツは大変そうだ」

 

軍艦内の会議室で話し合っていると強さも規模もイマイチ頼りない〝覇気〟の気配を感じ、オレとスモーカーは視線を窓の外に向ける。

 

赤、紫、黒、ぐにょり、ぐにょり、と姿形を好きなように作り替えて、ナメクジのごとく氷河の漂う海の上を巧みに渡って接近する怪生物に苦笑いを浮かべる。

 

「総員、衝撃に備えろ!」

 

「覇気の使えない海兵は反対側の甲板に移動して脱出用ボートを用意しておけ!」

 

オレとスモーカーの言葉に通路を歩いていた海兵は慌ただしく叫び、軍艦に乗っている海兵達に刻一刻と迫り来る危険を知らせていく。

 

「で。どうするつもりだ?」

 

「決まっている。部下を逃がす時間を稼ぐぞ」

 

「ついでに倒すか?」

 

そう言って二本の葉巻に火を点け、背中の巨大な十手を引き抜くスモーカーに呆れながらメリケンサックを両手に嵌めて窓枠に片足を引っかける。

 

一気に氷河の上に跳び移り、右拳を振り抜く。

 

「〝TEXAS SMASH(テキサススマッシュ)〟ッ!!」

 

オレのパンチは凄まじい風圧を生み出し、ヘンテコなゲル状の生き物の胴体を弾き飛ばす。だが、ゲル状の生き物はすぐに身体を引き絞って風穴を閉じる。

 

「お前の一撃に耐えるのか。それならコイツはどうだァ!〝ホワイト・ブロー〟ッ!!」

 

スモーカーは全身を白煙に作り替えて、無数のパンチを繰り出す。ドガドガドガッ!と〝武装色〟を纏った打撃は確実にダメージを与えているが、スモーカーのグローブは変色し崩れ落ちた。

 

「チッ。素手で触るのは危険なタイプか」

 

「グローブしてて良かったな」

 

「素手がダメなら十手(こっち)でぶん殴るだけだ」

 

「危ないヤツは全部落としてやるよ」

 

「ああ、任せる!」

 

再び白煙を巻き起こして飛び上がったスモーカーは〝武装色〟を纏わせた十手を振り抜き、ゲル状の生き物───スライムに打撃を打ち込む。

 

そんな彼を狙って伸びるスライムの触手を風圧で殴り飛ばし、スモーカーが攻撃に集中できるようにオレは防御と支援に徹する。

 

「いい加減にくたばりやがれッ!!」

 

その言葉と共にスライムの頭部らしきものをスモーカーがぶん殴った瞬間、スライムは氷河の海に沈み、ブクブクと泡を立てて沈んでいく。

 

なんとも奇っ怪な生き物だった。

 




〈TEXAS SMASH〉

出典・僕のヒーローアカデミア

オールマイトの必殺技

凄まじい風圧を作り出すほど強烈なパンチを繰り出す。兎に角、全力のパワーを込めてぶん殴るシンプルな必殺技だが当たれば確実に相手をブッ飛ばす。


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