【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
氷河期と活火山の境目に停泊した軍艦および脱出用ボートは一ヶ所に集まり、スモーカー中将の話を聞きつつ、周囲の警戒に当たっている。
「おそらく島の内部はシーザー・クラウンの作り出した発明品の巣窟だ。下手に気を抜けば確実にお前達の誰かは死ぬことになる」
その言葉に自然と身体は強張り、海兵の顔付きも不安が滲んでいる。まあ、それほど危険な場所に赴くことは任務を告げるときに教えている。
「だが、お前達は死ぬ気で生きることに専念しろ」
「「「はっ!!」」」
スモーカーは誰一人として死なずに帰ってくるように命令し、オレの部下も含めて海兵達は彼に敬礼を送った。ジャンゴは「やっぱりスモーカー中将はカッコいいぜ」と何度も頷いている。
「フルボディ、お前はオレと先行してシーザー・クラウンの兵力の分散に当たってくれ」
「分かった」
「ジャンゴ、アイボリー、たしぎの三人は各自三つの小隊に編制してパンクハザード中心部の研究所を囲うように移動し、徐々に探索範囲を狭めろ」
十手を担いだスモーカーの指示にジャンゴ達は素早く作業を開始する。オレはゴーグルとメリケンサックを嵌めて、ゴウゴウッとえげつない吹雪を起こす雪原を突っ切るように一歩踏み出し、一気に駆け抜ける。
地面をオレが進めばスモーカーは上空を飛んで警戒している。ケムリと吹雪が混ざってスモーカーら見えなくなるが、そういうときは自前の〝見聞色の覇気〟でカバーすれば問題ない。
「フルボディ、前方2時の方角に人影が見える。お前の視界で見えるかは分からんが突っ込むぞ」
「オーケー、了解だッ!」
スモーカーの言葉にオレはナックルを嵌めた拳を握り固めて、地面を踏み締めて前方に跳ぶ。いわゆるダッシュ攻撃の予備動作を行ったわけだが、意外とコイツは使えるかもしれない。
「なッ、てきしゅ…!」
オレの姿に驚いて叫びかけた防寒着の男の顔面を掴んで、そのまま地面に叩きつけると同時にスモーカーが十手をもう一人の男の頭に叩き込んで気絶させる。
当然の結果といえば当然だな。
そんなことを考えながら一歩踏み出した瞬間、オレの足に硬いものが当たり、下を向き、オレは背筋が凍る感覚を久々に味わった。
それは、ライフルだ。
海兵の使う単発式のライフルじゃなくて、オレやジャンゴの生きていた前世の世界ではありふれていた連発できる自動式とか半自動式とかそういう銃火器だ。
「スモーカー、さっさと捕まえないとヤバイぞ」
「オレには分からんが、お前の反応を見る限り。そのライフルはとんでもねえ兵器だってことは分かった」
アイボリーの傍にはジャンゴやたしぎ殿がいる。
絶対に大丈夫のはずだ。