【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「シュロロロロロ、オレ様の
「「あ゛ァ゛ん゛!?」」
フワリと羽毛のような柔らかさを見ただけで感じさせるローブを身につけた顔色の最悪な男───シーザー・クラウンの呟きにオレとスモーカーはドスの効いた声を上げ、全身の〝覇気〟を迸らせる。
この似非フリーザ野郎、オレの大事なアイボリーを実験動物にするとか言いやがったな。よぉうし、絶対にブチのめしてやる!!
「このクソ野郎が逃がさねえぞ〝
「逃げる?誰が逃げるってぇ?」
身体を煙に変えて突撃したスモーカーを煽っていたシーザー・クラウンの眼前まで一度の瞬きを行う間に移動したスモーカーは七尺十手を振りかざす。
「チッチッチッ♪︎オレ様に物理攻撃は無意味なんだよ、この薫製器にも成れねえ愚物がァ…お前も酔いしれな地獄の悲鳴だぜ〝スクリーム
しかし、スモーカーの十手はムカつくほど余裕を露にしたシーザー・クラウンの顔面を捉えることはなく粉々に砕け、その光景に唖然として僅かに身体の硬直したスモーカーも気がつけば研究所の壁面に叩きつけられた。
「がっ、はあ゛ァ゛ッ!?」
「スモーカー!」
オレは自由落下していくスモーカーに呼び掛け、なんとか彼が地面に激突することは防げたものの。ほとんど全くと言っていいほどヤツの攻撃が見えなかった。
いや、そもそもシーザー・クラウンは技名を叫んでいただけで動いてすらいないようにオレは見えていた。スモーカーと違って、シーザー・クラウンは動かずにオレ達に攻撃を行えるのか?
「ウ~ン。その天才と対峙して自分の無力感に苛まされて困惑した表情を見るのは最高に晴れやかだが、生憎と男の絶望した顔は好みじゃない」
「まあ、オレも男は好みじゃないが、少なくともオレはお前の攻撃には興味が湧いてきたところだ。スモーカー、悪いが勝手に戦わせてもらうぞ」
「……チッ、オレが回復するまでだ」
「ああ、ゆっくり休んでおけ」
そう言ってオレは防寒着を投げ捨て、シャツの袖を捲り上げてネクタイを緩める。ガープ中将に習った本気を出すときのルーティーンだが、まさか科学者を相手に使うことになるとは予想外だ。
「まずは小手調べだ。〝霞連弾〟ッ!!」
両手をガッチリと握り固めて連続の正拳を放つ。だが、オレの拳はシーザー・クラウンに当たる寸前、なにか見えないものにぶつかり、そのまま凄まじい衝撃を伴ってオレ自身に跳ね返ってきた。
……物理攻撃は無意味という言葉もそうだが、あの余裕を決め込んだ態度、さらにガスガスの実に加えて〝スクリームGAS〟なんていうあからさまな技名だ。
「火山の大噴火とかで起こる現象だったか?」
「シュロロロロロ、脳ミソまで筋肉かと思ったが存外頭の良い筋肉達磨じゃないか。そうッ!!オレ様の〝スクリームGAS〟は空気の振動を攻撃に変換し、超音速を越える速度で放っているのさ!」
「スモーカー、要するにアイツは悪魔の実の能力でとんでもなく素早い衝撃波を生み出している。あとオレ達の打撃は当たらないんじゃなくて、当たる前に音速の壁に衝突してるんだよ」
「ウ~ン。Excellentだぜ、桃髪の筋肉達磨♪︎やっぱり
ケタケタとオレとスモーカーを見下し、〝最悪の科学者〟シーザー・クラウンは高らかに嘲笑う。自分の勝利は絶対であると確信したように、ケタケタと狂喜じみた笑みを浮かべているのだ。
「オレ様とお前達の差は歴然だ!
「そうか。ならオレはお前の希望のすべてを悉く打ち砕き、その性根の捻れ曲がった性格を叩き直してやる。ここからは本気のケンカだッ!!」
そう宣言したオレはガキィンッ!とナックルを叩き合わせて、空中を漂うシーザー・クラウンに向かって突撃していく。ここまでバカになったヤツは本気で殴らねえと治らないからなッ!
〈霞連弾〉
出典・高校鉄拳伝タフ
拳術館の奥義
岩をも砕く正拳を高速で繰り出す。実直に正拳を鍛え上げ、鍛練を続けてきた拳は岩を砕き、鉄を砕き、やがて金剛石を砕ける破壊力を得る。