【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
オレの〝百壱裂拳〟を受けて尚も意識を保つシーザー・クラウンの打たれ強さに少しばかり驚くスモーカーだったが、それよりも気になったのは何本か前歯の欠けた口を三日月のように歪めるシーザー・クラウンだ。
「シュロロロロロ、オレ様をブッ飛ばすなんて大それた発言もお前の腕力なら頷ける。───だが、このオレ様を捕まえることは絶対に不可能だ!!」
そう言って倒れ伏したままオレ達を嗤うシーザー・クラウンに嫌な感覚を感じ、さっきまで防御に回していた分の〝見聞色の覇気〟を探知に切り替える。
「テメーら、全部纏めて吹き飛ばしてやるッ!!」
「部下の回収に向かうぞスモーカー!!」
「いったい、なんの話なんだ!?」
オレの鬼気迫る叫びに身体を白煙に変えて飛び上がり、シーザー・クラウンの出てきた通路に向かうオレ達の後ろでモコモコと膨張し、極彩色の煙がシーザー・クラウンの体内で膨れ上がる。
シーザー・クラウンの話を黙って聞いていたとき、オレの〝見聞色〟は最悪の未来を視ていた。アイツのやろうとしていることは水蒸気爆発だ。
もはやガスガスの実の範疇を越えている。気体を凝固して水に変えたり、気体を擦り合わせて雷を作ったり、あそこまで応用できるものか!?
シュロロロロロ……!
逃げろ、逃げろ、怯え竦め!
自分の身体を爆発する卵に見立てたシーザー・クラウンの狂気とすら思える行動にオレは心底面倒臭いヤツだとシーザー・クラウンのことを再認識した。
「スモーカー、右側の扉を壊してくれ!」
「〝ホワイト・ブロー〟ッ!!」
オレの言葉に従って巨大な扉を殴り砕いたスモーカーの目の前に現れたのは大中小とサイズ感の異なる子供達、そしてアイボリーやジャンゴ、たしぎ殿などオレ達と分かれていた部下達がいる。
「総員、今すぐ脱出するぞ!たしぎ、お前が先導して子供の安全を第一に考えて軍艦まで走り抜けろ!!」
「ジャンゴ、アイボリー、子供の護衛と誘導は任せる!」
オレ達の怒鳴るような命令に慌ただしく動き始める百名を越える部下と子供達に申し訳なく思いつつ、通路の奥で異様な存在感を放つシーザー・クラウンにオレとスモーカーは意識を集中させる。
「フルボディ、あの野郎のしようとしていることは自爆でいいんだな?」
「ああ、しかも能力によるものだ。通常の爆発の五倍、もしかしたら十倍の破壊力を持っている可能性も捨てきれないが、ぶん殴れば何とかなる!」
「爆風の軌道を変えるわけか」
スモーカーはオレの説明に納得し、七尺十手を地面に突き立てて右拳を握り締めて、オレの真横に並んで全身の〝覇気〟を右手に集める。
彼の存在に感謝しながら爆音と地鳴りを伴って迫り来る極彩色の煙を迎え撃つようにオレは左手を後ろに引き絞り、スモーカーもまた右手を後ろに引いて構える。
「〝ホワイト・スネーク〟ッ!!」
「〝
オレの放った特大サイズの拳圧は水蒸気爆発の爆風を掻き消していき、その真横を巨大な白煙の蛇が大口を開けてシーザー・クラウンの起こした水蒸気爆発の衝撃波を無理やり噛み砕き、地鳴りが鳴り止む頃には、すっかり天井も壁も弾け、オレは極寒の地で上半身裸になる。
「島一つ消し飛ばす自爆は防げたが、始末書を書かなくちゃならくなったな、これは。フルボディ、お前も手伝えよ?」
「あー、寒くて聞こえない」
「聞こえてるだろうが!!」
「聞こえない!!」
そんなことを言い争いながらシーザー・クラウンの確保を行えなかった痛手について考える。おそらくオレとスモーカーが通路に逃げたところでアイツも爆弾と分離して逃げているはずだ。
今度こそ捕まえてやる。
〈DETROIT SMASH〉
出典・僕のヒーローアカデミア
オールマイトの必殺技
兎に角、全力のパンチを繰り出す。フルボディは、いずれオールマイトのように天候を変える破壊力を持つパンチに鍛え上げようとしている。