【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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鉄拳と赤髪と魔王トットムジカ

華やかで豪勢なパーティー会場。

 

オレは着なれていないタキシードを纏い、どこか恥ずかしそうにドレスの布地を掴んでいる部下、いつもよりファンキーな服装のジャンゴ、あと普段着のままばか騒ぎする赤髪海賊団を見ていく。

 

ホントに起こるのか、最悪の結末ってのは?

 

そんなことを考えながらノンアルコールのブドウジュースを飲んでいると何かの爆発音と共に生じた衝撃波によってオレはエレジアの城の外に吹き飛ばされる。

 

突然の出来事に対応が遅れ、近くにいた部下を守るので精一杯だったオレの頭上にジャンゴが落ちてきた。こいつ、マジで大変なときに…!

 

「オレは爆発の原因を調べる!お前達はエレジアにいる民間人を一人でも多く、海軍の軍艦に避難させて出来るだけ離れていろ!あとジャンゴは好きに扱き使え!」

 

「は、はい!」

 

オレの言葉に慌ただしくエレジアの住民たちに避難を促す部下を見送りつつ、瓦礫を押しのけて子供や老人を守るように立ち上がる赤髪海賊団に視線を変える。

 

「赤髪、アイツはなんだ?」

 

「オレにも分からん。だが、アレの中にウタが呑み込まれていくのを見た」

 

そうオレに話すシャンクスの放つ〝覇気〟に気を抜けば気絶しそうになりながら、オレは長時間の維持に成功していない〝武装色の覇気〟を両手に纏う。

 

「とりあえず、ウタの救出を優先する」

 

「ああ、そいつは助かる…!」

 

長剣を抜刀して化け物に突撃するシャンクスを援護するように無数に枝分かれし、彼を狙う触手もどきを殴り飛ばしていき、化け物の動きで島中に飛び散る燃える岩石を拳骨隕石(ゲンコツメテオ)で投げ返す。

 

「こっちを見ろウタ!!があ゛ァ゛ーーッ!?」

 

「赤髪っ!?」

 

おぞましい極彩色の中に包み込まれ、気を失っている彼女に呼び掛けるシャンクスの動きはぎこちない。おそらく彼女を傷付けないように手加減しているせいで、夥しい量のトゲに身体を貫かれる。

 

クソ、シャンクスも民間人も全部は庇いきれんぞ!

 

巨人のォ(エル)…ッ!!」

 

オレは拳を握り固めて、化け物の土手っ腹に向かって大きく弓なりに拳を振りかぶる。

 

一撃ィィィィ(ディレクトオォォォ)ッ!!」

 

全身全霊の右ストレートを打ち込み、化け物の下半身を吹き飛ばす。が、ボコボコと超速再生を始める化け物の下半身に今度はオレが吹き飛ばされ、木々を薙ぎ倒しながら海面に叩きつけられる。

 

マジの化け物じゃねえか、クソ!

 

オレの悪態を嘲笑うようにケタケタとほくそ笑んでいる化け物の体内に呑み込まれたウタを助けようと必死に足掻くシャンクスに視線を戻し、両手を更に握り固めて化け物の頭上に向かって空を跳ぶ───。

 

「あと少しだけ持ってくれよ、オレの愛しの鉄拳」

 

ゆっくりと自由落下に身を任せて、オレは右拳のナックルに全ての覇気を纏わせながらシャンクスに威圧を送り、こっちに意識を戻させる。

 

「未完・神の右…!」

 

オレの知りうる限り、コイツは最強のパンチだ。

 

「ありがとよ、相棒」

 

ピシッ、バギャンッ!

 

オレのナックルが砕けると同時に化け物の顔面が内側にめり込み、ウタの呑み込まれていた位置を無理やり変える。その瞬間を、あのシャンクスが見逃すなんてヘマをするわけもなく、無事にウタの救出に成功した。

 

ウタの救出と、ほぼ同時に化け物は萎み、まるで最初から存在していなかったかのように消えていく。しかし、アイツは消える瞬間まで、ケタケタとオレ達の事を嘲笑い続けていた。

 

 

 




巨人の一撃(エル・ディレクト)

出典・BLEACH

茶度泰虎の必殺技。

膨大な霊圧を拳に込めて衝撃波として放つ。

〈未完・神の右〉

出典・終末のワルキューレ

ギリシャ神話の最高神ゼウスの必殺技。

全身全霊の一撃を込めたシンプルな右拳のパンチだが、未だ〝武装色の覇気〟を十全に使いこなせていなかったフルボディのメリケンサックは技の威力に耐えきれず、粉々に砕いてしまった。

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