【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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絶望の表情を晒せ

オレの仲間がオレを取り囲んでいる。

 

「さあ、楽しいお遊戯会の始まりだ」

 

その言葉と共にドフラミンゴは両手を動かし、オレに向かって部下に攻撃をさせる。ふつうに考えれば避けることは出来る。だが、四方八方から迫り来る攻撃を避ければ部下達がお互いを傷つけることになる。

 

「避けてくれフルボディ!!」

 

「フルボディさん!」

 

二人の悲痛な叫び声にオレは笑顔を向ける。

 

アイボリーを泣かせやがったドフラミンゴは絶対にぶん殴るとして、ジャンゴでもアイツの相手を支配する糸は防げなかったのか。

 

ちょっとヤバいかもな。

 

「二人ともオレは大丈夫だ。そして、お前達も安心しろ!どれだけ傷つこうと絶対にオレはお前達を殴らない、必ず助けてやる!!」

 

「フフフフッ。その減らず口がいつまで持つかな」

 

「無論、死んでもだ」

 

ドフラミンゴのどこか煽るような言葉に言い返すと同時にオレの身体に刀剣がぶつかり、肩や腹の肉を無造作に切り裂く。ジャンゴの拳がオレの顔にめり込み、アイボリーのピストルがオレの胸を撃ち抜く。

 

〝武装色の覇気〟も〝鉄塊〟も纏っていないオレの身体は部下達の攻撃で容易く傷つき、刀傷、弾痕、殴打のキズを刻み付け、オレを中心に流れ飛び散った流血が血溜まりを作り上げる。

 

「…ぐッッ…がッ…!…」

 

「フルボディ…!」

 

オレの事を呼ぶロシナンテ大将は悔しそうに唇を噛み締めながら〝寄生糸〟に抵抗しているが、彼の実力を上回るドフラミンゴの攻撃を弾くことは出来ず、オレの事を部下達と泣きながら殴り、蹴り、徹底的に痛めつける。

 

「フフフフッ。フルボディ、お前は自分より仲間を優先して無抵抗のまま死ぬつもりのようだが、今度の攻撃はどうする?」

 

「ふ、フルボディさん……」

 

ドフラミンゴの手の動きに合わせて動き出したアイボリーは剣を構えて、ボロボロと涙を滝のように流して泣きながらオレに一歩ずつ近付いてくる。

 

ほんとうに悪趣味すぎるぜ、ドフラミンゴ。

 

「アイボリー、此処に来い…!」

 

ドン!とオレは血濡れの胸を叩き、アイボリーに向かって両手を広げる。大好きな女の子を受け止めるのに両手を広げない男がいると本気で思ってるのかよ。

 

「だ、だめ、だめです!」

 

彼女はドフラミンゴに操られるがまま、ゆっくりとオレの胸を貫き、剣の鍔に当たるまで深々と剣をオレの心臓に突き立てた。

 

「愛してるぜ、アイボリー」

 

ゆっくりと震えるアイボリーを抱き締めて、オレは鼓動する度に痛む心臓を無視してドフラミンゴに視線を向ける。つまらないものを見る目だが、アイツからどこか悔しさと憧れに似たものを感じる。

 

「ジャンゴ、あと少し寝るわ」

 

「まて、まってくれ…!」

 

あー、だめだ、眠い。

 

 

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