【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
フルボディが死んだ。
ドフラミンゴに操られた嬢ちゃんに心臓を剣で貫かれて、誰よりも強くなることを目指していたアイツが絶対に守ると誓った女に殺された。
「くだらない正義を掲げた挙げ句、自分の仲間に一方的に傷つけられて死ぬなんざ。随分と惨めな死に様だなァ…〝鉄拳〟のフルボディ」
「お前がッ、お前がフルボディを語るな!!」
「……フフフフッ。フルボディの相棒と称された男が何も出来ず、自分の親友を殴り付けて無惨な死に追いやったクセにオレに反論するのか?」
オレはフルボディを貶すドフラミンゴに吼える。
だが、アイツの言葉に身体が強張り、なにかを言おうとする。しかし、オレがドフラミンゴに操られなければ、二人で戦えたかも知れない現実に身体が震える。
ああ、そうだ、そうだよ。
ロシナンテとフルボディを残して避難するんじゃなくて、オレもアイツの隣でドフラミンゴと戦っていれば勝てた可能性もあるのに、オレはドフラミンゴが怖くて逃げちまったんだ。
なにが親友だ、クソ野郎…!!!
「ぐぎぎぎッ!」
「やめておけ。オレの〝
「お前に一発ぶん殴るまで諦められるか!!」
辛うじて動く頭を振り乱すが身体はピクリとも動かず、未だに血溜まりの中で倒れ伏したフルボディに駆け寄ることもドフラミンゴを殴ることも出来ずにオレは棒立ちでドフラミンゴに見下ろされる。
「フフフフッ。お前達が何をしようと構わないが、フルボディも自分の女に殺されたんだ。海軍にしては味気ない最後だが、本望だろ」
「ふざけ、るな、ふざけるなアァァーーーっ!!!フルボディさんが私に殺されて喜ぶわけない!あの人はどんな敵にも怯まず、自分の正義を貫く人だ!貴方みたいに私達を操るなんて姑息な手を使わなかった!!」
パチンっ!とドフラミンゴの顔が叩かれた。
なんで嬢ちゃんの〝
「お転婆な小娘がオレを殴るか。覚悟は出来てるんだろうな?」
ゴウッ!!
いきなり〝覇王色の覇気〟を嬢ちゃんに放つドフラミンゴにオレは身体が竦み上がる。クソ、親友が殺されたっていうのにオレはまだコイツが怖いのかッ!?
嬢ちゃんはドフラミンゴの強さに震えながらも反抗し、フルボディを守るように両手を広げてドフラミンゴのことを睨み付けている。
「フフフフッ。気の強い女は嫌いじゃねえが、そろそろ潮時だ。お前達の処遇はオレの部下に任せるとしよう。精々、死んだ男を守ることだな」
「うるさい!」
「ロシナンテ、フルボディが死んだのはお前が判断を間違えた結果だ。お前は海軍にも海賊も向いてねェ……どっち付かずの半端者のままだ」
そう言うとドフラミンゴはドレスローザ城に向かって飛び上がり、糸を踏んで更に跳ね上がる事を繰り返し、やがて見えなくなる。
「すまねえ!フルボディ、すまねえ…!」
ドフラミンゴの言葉にロシナンテは大粒の涙を流しながら謝り続け、嬢ちゃんも静かに血まみれのフルボディを抱き締めて泣いている。
助けられなくて、ごめん。
オレは親友失格のクソ野郎だ。
せめて、お前のために仇は必ず取ってやる。