【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ヘラクレスンの差し出す料理を何十皿、何百皿と平らげたオレの身体は発光し、今まで使えずにいた能力を使えるような全能的な感覚を味わっている。
「ごちそうさまでした」
パン!と両手を合わせてオレは席を立つ。
「ありがとう、ヘラクレスン。貴方のおかげでドフラミンゴにも勝つことが出来る、いや、圧倒できるエネルギーを蓄えることが出来た。それに、オレに足りなかったなにかを掴めてきた気がするよ」
「それは違うだん、元々フルボディンには何も問題はなかった。ただ純粋に『フルボディ』であろうとする内に忘れていたモノを取り戻そうとしているだん」
「フルボディであろうとするか……」
確かに〝鉄拳〟のフルボディとして「ONE PIECE」の世界をオレは、この身体と三十年以上の人生を共にしてきた。初めの頃は覚えていた事も忘れて、何かで穴を埋めようと我武者羅に戦っていた。
「金を失うと書いて鉄。フルボディン、常に強くなければいけないと自分を追い詰めるのは真の強さとは言わないだん。己の記憶に蓋をして、原作に登場する〝本物のフルボディ〟になる必要はないだん」
「でも、オレはフルボディだろ?」
「ただ己を殺して
「……ああ、本当にありがとう。もうオレは大丈夫だ」
ヘラクレスンの言葉で、ようやく納得できた。どうしてオレだけ「ONE PIECE」の世界を認識しているのに、その記憶を無くしているのか。
「…………ああ、ホントに最高の目覚めだ」
ゆっくりとオレは身体を起こす。心臓に突き立てられていた剣は抜かれ、傷も完全に塞がっている。グルメ食材を純粋な魂の状態で食したおかげだな。
ジャンゴ達の気配を探るために〝見聞色の覇気〟を使うと他の部下達も一緒にドフラミンゴに迫っては吹き飛ばされている光景が見えた。
敵討ちなんてしなくて良いんだが、アイツもホントにオレのこと大好きすぎるぜ。そんなことを考えながらオレは軽くジャンプしてジャンゴ達の前に着地する。
「……フフフフッ。どういうカラクリだ?」
「その話は追々話してやる。まずはドンキホーテ・ドフラミンゴ、ジャンゴ、ロシナンテ大将、我が部下達、そして、アイボリー、貴方達に改めてオレは挨拶しよう。ごきげんよう、オレは〝鉃拳〟のフルボディだ。」
「フルボディ!おま、おまえっ!?」
「ジャンゴも話は追々するとして。ドンキホーテ・ドフラミンゴ、お前に殺されたオレの敵討ちだ。勿論、受けてくれるよな?」
「フッ、フフフフッ!!良いだろう、来いっ!どうやって甦ったのかはまた死ぬ間際に聞き出してしまえば良いだけの事だからな!」
「ふ、フルボディさん…!」
「アイボリー、もうオレは絶対に誰にも負けない。だから、いつもみたいにオレの戦いを見守っていてくれ。それだけでオレは無敵になれる」
そうアイボリーを安心させるように呟きながらオレは外套とシャツを脱ぎ捨て、ゆっくりとメリケンサックを両手に嵌める。