【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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世界最強の剣士

どうやらオレは一週間ほど眠っていたそうだ。

 

あれだけ膨大な〝覇気〟を使用すれば気絶するのは仕方ないと納得は出来た。いや、出来たんだけどさ、なんでシャンクスの好敵手と名高き〝世界最強の剣士〟がオレの病室にいるんだ?

 

「まだ傷は癒えんか?」

 

「あー、いや、傷はもう完治してるけど。ジュラキュール殿がオレの病室にいるという状況に頭の整理が追い付いていないんだ」

 

「オレが病室にいる訳を知りたいと?」

 

「有り体に言えば、そうだな」

 

「赤髪に一目置かれる海兵を見るためだ」

 

えぇ、ホントに心当たりがないんですが?

 

そんなことを考えながら〝世界最強の剣士〟ジュラキュール・ミホークの目の前でオレは記憶を探るように首を傾げる。だが、そもそもシャンクスに気に入られるようなことをした覚えがない。

 

「な、なるほど?」

 

「故にオレと戦え」

 

「省略がすごいな!?」

 

こんな人だったか?とオレはジャンゴの話してくれたジュラキュール・ミホークのことを思い出しながら目の前の男に視線を向ける。

 

やっぱり、思い出せねえ…!

 

「オレの要求は飲むか、それとも拒むか」

 

「ジュラキュール殿と戦ってみたい気持ちはある。だが、それよりもオレは長年の相棒を自分勝手な使い方で砕いて、もう使えないんだ」

 

「だから戦わぬと?」

 

「ああ、悪いな」

 

そう言って布団を被ろうとした瞬間、凄まじい殺気を感じて窓の外まで飛び退く。あのチョビヒゲ野郎、自分の要望が通らないからって怪我人に斬りかかるか普通!?

 

オレは病室を飛び降りるジュラキュール殿を睨み付けたまま拳を握り固める。しかし、いつものようにメリケンサックを嵌めていない拳だけで、あの大刀と殺り合える自信は浮かんでこない。

 

「しっかりと〝覇気〟を纏わねば叩き斬る」

 

「ぐおおぉおぉおっ!!?」

 

ジュラキュール殿は大刀を横を薙いだ瞬間、両腕を持ち上げてガードを固めていたオレの腕に凄まじい衝撃と骨肉を断たんとめり込んでいく斬撃によってオレは後方に吹き飛ばされる。

 

「……………」

 

なんで、こんなことに?

 

そんなオレの困惑に答えてくれる人なんておらず、ゆっくりとオレに近づいてくるジュラキュール殿に両拳を握り固める。しかし、あの大刀に〝武装色の覇気〟で立ち向かうのは無謀すぎるだろ。

 

黄昏流星群(メテオジャブ)ッ!」

 

一足でジュラキュール殿の間合いに踏み込み、音速を越える左の速射砲を放つ───けれど。大刀の鎬を盾代わりに使われ、全てのパンチを防がれる。

 

クソ、今のはかなり速いパンチだぞ!?

 

「中々に鍛えられた拳のようだが、やはり武器がなければ不安か?」

 

「べつに不安とかじゃねえ、ただ相棒を自分勝手に砕いた自分が情けないんだよ」

 

オレの返事に数秒ほど考えたジュラキュール殿は大刀を背中に戻して、どこかに行ってしまった。

 

「あの人、マジで何がしたいんだ?」

 

オレだけ無駄に怪我して疲れたんだが。

 

 




黄昏流星群(メテオジャブ)

出典・終末のワルキューレ

ギリシャ神話の最高神ゼウスの必殺技。

音速を越える左の速射砲を放つ。常人に見切ることは不可能な速さを有する。


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