【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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空を飛べねえ…!

現在、天空海賊船団を率いる〝金獅子〟のシキは東西南北の海、偉大なる航路、新世界にいる剣士や格闘家、海賊、トレジャーハンターに至るまで勧誘し、抵抗するものは全て支配下に置くという行為を繰り返している。

 

一刻も早く捕まえなければいけないのだが、ここで重要な問題点をコビー君が挙げてしまった。そう、オレ達はシキの有する『フワフワの実』に対抗できるほど空中戦を得意としていない。

 

更に付け加えて言えばオレは〝月歩〟を使えない上にドンキホーテ・ドフラミンゴおよびギルド・テゾーロなど度重なる強敵と死闘を繰り広げ、想像以上に肉体を酷使してしまったため現在療養中なのだ。

 

「ロブ・ルッチに習うのもなあ…」

 

スパンダム司令官だってオレを毛嫌いしてるし。〝六式〟の〝鉄塊〟なんて見様見真似の筋肉操作を利用しただけで、本家本元には劣っている自覚もある。

 

いっそのこと秘伝書を貰いに行くか?

 

そんなことを考えながら三角巾に預けた右腕を引き抜き、いつものように軍艦の船首に叩きつける。骨はくっついているが、まだ罅は残っている感じだ。

 

「……ところで。君はいつになったら姿を見せるんだ?」

 

オレの悩みや疑問に応えるジャンゴもアイボリーもいないマリンフォード近海の廃棄された軍艦置き場に、こっそりと着いてきたヤツに問いかける。

 

「流石は海軍大将フルボディ。私が能力を使ってまで気配を消しているのに、簡単に見つけるなんて。すごい〝見聞色の覇気〟だわ」

 

……声は女性だけど。

 

ニューカマーという可能性もある。

 

「誰だ、お前は?」

 

「ムーディよ。まあ、言っても分からないわよね」

 

「……すまない。ほんとうに君のことを思い出せないし、なんなら初めて見るかも知れない」

 

「はあ、やっぱり貴方も転生者なのね。本物のフルボディだったら、すぐにナンパして来るわよ?」

 

ムーディと名乗った彼女の言葉に言い返そうとしたが、原作のフルボディもナンパしているようなシーンもあったから否定できず、ガックリと項垂れる。

 

「それよりも貴方に聞きたいことがあるのよ。次は〝金獅子〟と戦うらしいけど、ホントに勝てると思っているのかしら?」

 

その言葉に思わず首を傾げてしまう。

 

「勝てるも何もオレが勝つに決まってるだろ?」

 

「いや、だから…ッ…」

 

なにか言おうとしたようだが、ムーディは強張った表情でオレを見つめてきた。たまにオレに警戒心を剥き出しにするヤツがいるのは理解しているけど。こうまで警戒心を向けられるのは初めてだ。

 

「フルボディ。貴方にもう一つ聞くことが増えたわ。どこでどうしたら。いいえ、いったい何をしたら、そんな化け物の匂い(パルファム)を纏うようになるのよ」

 

「遂にオレにもグルメ細胞の悪魔が目覚めたのか!?」

 

「はあ?」

 

確かにあれだけ美味しいものを食べまくればグルメ細胞を取り込めるし、活性化するのも分かっていたが、ようやくオレに宿っていると妄想していたグルメ細胞の悪魔が目覚めてくれたってわけか。

 

「ごめん。何言ってるのか分からないわ」

 

「トリコの話だ」

 

「……ここは『ONE PIECE』の世界なのだけれど」

 

「フッ、アニメスペシャル時空だぜ」

 

オレの言葉に今度はムーディは如何にも頭痛を起こしているようなポーズを取り、どこかに行ってしまった。しかし、オレの強さにグルメ細胞の悪魔も加わると考えれば必殺技のレパートリーも増えるわけだな。

 

ああ、ホントに楽しみが増える。

 

 

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