【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」
マリンフォード海軍本部全階に名前を連ねる海兵達の中で〝六式〟あるいは〝覇気〟を使える屈強な男達は人力を動力源とした飛行船のエンジンになっている。
斯く言うオレとジャンゴ、スモーカー達も自転車を全力で漕ぎまくり、シキの支配下に置かれた浮き島を目指して汗だくになっているのが現実だ。
「ぐふう…!」
「少佐一名、脱落しました!」
「軟弱者が、さっさと休息させちょれ!」
一番先頭の自転車に跨がって爽やかな汗を流すサカズキ元帥の言葉に救護班は忙しなく動き、ガープ中将は「ワシも混ざりたいのう」とか言っているが、貴方が自転車をまともに漕げるわけないだろうが!
そんなことを心の中で訴える。
「現在、浮き島まで残り五十キロ地点です!」
「フルボディさん、あと少しです!」
「お、おおぉぉぉっ!!!」
アイボリーの声援に応えるようにペダルを踏み締め、さらに回転力を上げる。そんなオレの後ろで「ベガパンクに頼めば飛行船とか簡単に作ってもらえるだろうに」と、そう言って失神寸前のジャンゴが言っているけど。
ベガパンクは休暇中だろうと伝えたいのに、全力で自転車のペダルを漕ぎまくるという懐かしさにオレの身体は捕らわれ、更に足の回転力が加速する。
「ガープ中将、空賊撃退をお願いします!」
「ムッ!それならワシに任せろ!!!」
意気揚々とガープ中将が動力源室を出ていった後、えげつない爆発音に空賊の悲鳴というBGMが加わり、オレ達のテンションは少しずつ可笑しくなり始める。
「フルボディ、オレらってなにしてるんだっけ」
「ただ、自転車漕いでるんだ。無心になれ、無我になれ、浮き島に辿り着いたら片っ端から海賊共をボコボコにぶん殴ってやる」
「……オレも手伝うわそれ」
オレとジャンゴの話を聞いていた他の海兵達もポツリポツリと浮き島にいるであろう〝金獅子〟のシキ率いる海賊団への恨み言を呟き、だんだんとオレ達の士気は高まっていくのが分かる。
「……ところで。さっきから嬢ちゃんはフルボディの近くで何やってるんだ?」
「ジャンゴ氏、フルボディさんの汗だくになっている姿を写真に取るのは当たり前のことです。最近は血まみれになることが多くて、こういう姿も残しておかないといけない気がするんです」
「……嬢ちゃんも大変だな」
ジャンゴとアイボリーは何かを喋っているようだが、オレの目の前で自転車を漕ぐサカズキ元帥の熱気でこっちは熱くて仕方ないぜ!