【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「なあ、フルボディ……」
「なんだ?」
「ここって浮き島だよな」
「浮き島だな」
「なあ~んでブロッコツリーやポテトの泉があるんだ?いや、ポテトは好きだから嬉しいけどよ。マジで、どうなってるんだこの世界線?」
「フィーリングに任せとけ」
そんなことを言い合いながらオレとジャンゴはシキの拠点を探して浮き島を散策しているとベジタブルスカイのように色鮮やかで実り豊かなグルメ野菜の群生地に紛れ込んでいた。
モグモグとトマトを頬張る度、オレの体内を瑞々しく爽快な酸味と甘さの混ざった果肉と果汁が駆け巡り、強烈な筋肉の膨張を伴って全身のパワーアップを感じる。
「……いや、お前だけ世界観が別なのよ」
「フィーリングだ。考えるな、感じろ」
「はあ、ホントにどうなってるんだ。あ、このキュウリ美味い、持って帰ってピクルスとか浅漬けにしたら酒のつまみになるかも」
オレの食い気に負けて、ジャンゴもベジタブルスカイかもしれない場所に生えているキュウリに齧りつき、ボリボリと歯応えの良い音を奏でる。
「ウホ?」
「「…………」」
そこにいたのは野菜を貪り食らうゴリラだった。
オレの筋肉を上回る高密度の筋肉繊維、鋼に匹敵し得る骨密度、何よりオレの打撃に特化した筋肉と同等に鍛え込まれた柔軟性を兼ね備えた
「すごい筋肉だな」
「あー、ちょっと待ってくれ。オレの記憶が正しければあのゴリラはシキの仲間のスカーレット隊長だったはずだ。……うん、ちゃんとオレの手帳にも書いて残してあるから間違いないぜ」
「ゴアアァァァーーーーーッ!!!!」
ドドン!
ドンドンドン!!
オレ達を存在にようやく気がついたゴリラは凄まじい振動を起こすドラミングでオレとジャンゴに、いや、主にオレに向かって縄張りを主張するように威嚇してきた。
「とりあえず、威嚇しとくか」
イメージするのはトリコだ。
どのくらいグルメ細胞の悪魔が目覚めているのかは知らないが、これぐらいの相手なら無駄にケンカする必要もなく退けることは出来るはずだ。
「ウホッ!?オォオッ!!」
「成る程、お前は好戦的なタイプみたいだな!」
オレの威圧に屈するどころか嬉々として突撃してくるゴリラの突進を受け止め、ジャンゴの呆れたような「お前もゴリラじゃねえか」というツッコミを否定する。
オレは断じてゴリラじゃない。
「〝ノッキング〟っ!!」
蟷螂拳の様に人差し指と中指を揃えて構えると同時にオレは神経の集まる関節の間を突き、ゴリラの動きを無理やり止めて後ろに飛び退く。
「お前ってホントに器用だな」
「まあ、オレのノッキングは〝見聞色〟を使って弱点を見抜いているだけだし。本家本元のノッキングには百歩ぐらい劣ってるんじゃないか?」
そんなことをジャンゴに言いつつ、オレは数時間ぐらいに起きれるようにゴリラを地面にめり込ませる。イチイチ相手するのは面倒だからな。
「結局、殴ってるじゃん」