【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

208 / 316
再会する拳

森の奥深くでガープがワノ国の忍び〝風影〟を退けている間、フルボディは金獅子海賊団の拠点を見つけ、緩やかな歩みで正門を罷り通っていた。

 

「う~ん、難しいぜ」

 

どこか悩ましげに言葉を溢すフルボディの振るう両拳は常人の動体視力では追いきれず、ただ金獅子海賊団の一般船員が感じたのは迫り来る巨拳の痛みと気絶する刹那に見えたフルボディの上の空の表情だけ。

 

「せ、攻めろおぉ~~~ッ!!!?」

 

「「「「うおおぉぉぉぉぉっ!!!」」」」

 

「ああ、ホントに困った」

 

フルボディは四方八方から降り注ぐ刀剣に銃撃、砲撃など選り取り見取りな場面だと言うのに更に深く考え込んでいた、そのときだった。

 

フルボディを中心に百を越える海賊が爆ぜた。

 

「ん?ああ、そういえば仕事の途中だったな。流石にアイボリーにグルメ食材を調理してもらおうかと悩んでる暇じゃないな」

 

そう言って拳を構えるフルボディが、トンと軽く踏み込んだ瞬間に再び海賊が爆ぜる。フルボディがやったのは拳法で言う翻子拳の真似事だ。

 

マッハを越えるハンドスピードを以て繰り出された両拳の猛打は止まるどころか双肩が温まるに連れて加速していき、全方位射程圏内に入り込んだ海賊を殴り飛ばす。

 

フルボディは純粋な身体機能のみ活用してルフィの〝JET銃乱打(ガトリング)〟を遥かに上回る。いや、〝JET銃乱打〟の様に手当たり次第に両拳を振るうのではなく、フルボディは確実に相手の意識を刈り取る精密機械のごときラッシュを撃っている。

 

「そこまでにして頂こう」

 

「ムッ。だれだ、お前は?」

 

人間災害のごとく海賊を蹴散らすフルボディの拳を受け止めた男はキザっぽい動きでニヤリと笑みを浮かべて、フルボディの質問に答えようとしたが「私の名前は「いや、なんかもう面倒臭いから退いてくれ」グハアァッ!!?」と、長話の予感を察知した彼に殴り飛ばされた。

 

「しかし、ジャンゴはどこに行ったんだ?シキの気配が邪魔でジャンゴの〝覇気〟を拾えない。マジでどうなってるんだよ」

 

そんな文句を言いながらもフルボディは大津波のように押し寄せる海賊を殴り飛ばし、叩き潰し、めり込ませ、我が物顔でシキの拠点を練り歩く。

 

「何の気配だ?」

 

「オレの気配だぜ、フルボディさんよぉ」

 

「……白ひげ海賊団だったろ、アンタ」

 

「クカカッ。お前と決着をつけるために仕方なく〝金獅子〟の野郎の計画に乗っただけだ。お前のためにオヤジや仲間も説得してきたんだぜ?」

 

ゴキリと両拳を鳴らして現れたのは、かつて忘れ去られたマリンフォード頂上戦争にてフルボディと同様に拳のみ信奉する転生者だ。

 

白ひげ海賊団の破壊王にして、フルボディの〝鉃拳〟やガープの〝拳骨〟のように〝鋼拳〟の異名を与えられた海賊キングデューが、そこに佇んでいた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。