【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
正義の外套とジャケット、ネクタイを外してナックルを両拳を嵌めるフルボディと相対するように佇んだまま動かないキングデュー。彼らを取り囲むように金獅子海賊団の船員はジリジリと間合いを詰める。
「「失せろ」」
二人の発する威圧感は〝覇王色の覇気〟ではない、ただ純然たる闘争心の昂りによる気迫だ。そう、ただの気迫を受けてフルボディとキングデューを除いた金獅子海賊団の船員は一人残らず失神したのだ。
「おいおい、海兵のクセに随分と荒々しいなァ?」
「ギヒッ。お前みたいな強いヤツと戦り合えるんだぞ。それこそ昂らねえほうが失礼じゃねえかッ!!」
「クカッ、クカカカッッ!!そりゃあそうだ、確かにオレもお前と殺り合えると考えたら、最高に霊が震えるぜ。お前もそうだよなァッ!!!」
フルボディの言葉に対して歓喜の雄叫びにも似た裂帛の咆哮を上げるキングデュー。奇しくも二人の放った初撃は右ストレート、両雄の鍛え上げられた巨拳がぶつかり、大きく後ろに爆ぜる。
「ギイィアッ!!!」
「シャラアッ!!」
撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、撃つッ!!
フルボディもキングデューも絶え間なく、お互いの攻撃を一撃でも多く上回るために左右の拳を撃つ。キングデューの
お返しもばかりにキングデューもフックでフルボディの顔面を横薙ぎに弾き、僅かにのけ反るフルボディに猛攻撃のラッシュを打ち込み、ひたすらフルボディをパンチの暴風雨で攻め続ける。
「クアッ!!」
キングデューは奇声を張り上げて、振り下ろしの手刀を放つ。それはフルボディの拳を握り固めるだけの単純明快なパンチの強みとは違う、別種の拳への信奉だ。
パンチ、チョップ、抜き手、ありとあらゆる手形の技法を用いて、キングデューは好敵手にして越えるべき強者たるフルボディにダメージを与えていく。
「チェリャアァッ!!」
両拳を槌に見立ててフルボディの頭部を挟み、彼の頭蓋骨を叩き砕かんばかりの強烈無比な打撃を撃ち込み、続けざまに渾身の右ストレートを胸部に捩じ込み、フルボディを大きく後ろに吹っ飛ば────せなかった。
「やっぱりお前は最高だぜッ!」
「お前も最高だぜ、キングデュー」
そうキングデューがけ告げた瞬間に、彼の顔面に絶え間なく鍛練を重ねて強さを増し続けるフルボディの拳が叩き込まれていた。
まさに呻き声を上げる間もなく後ろに吹っ飛ばされたキングデューは木々をへし折り、岩石をぶち抜いて地面を転がりながら転身し、即座にキングデューはフルボディめがけて音速のタックルを仕掛ける。
「ゴフッ!?」
巨体の持ち味を活かした砲撃のごとき突進を受け止めきれず、今度はフルボディが内臓の潰れる音を聞きながら木々をへし折って地面を抉り進み、素早く立ち上がって両拳を構える。