【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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まだ、回復してないですけど。

続きを投稿するよ


時代(ロジャー)〟に取り残された者たち

「ジハハハハッ!!まさか同時にオレのところに来るとはホントに仲良しの師弟じゃねえか。えぇ?オレを牢獄にブチ込みやがった〝拳骨〟のガープよォ…!」

 

「ブワァーッハッハッハッ!!!フルボディはワシの弟子じゃぞ?お前の寄せ集めた木っ端な海賊に負けるわけがなかろうが!!」

 

「テンション爆上がりすぎでは?」

 

大広場と言われても不思議じゃない巨大な和室のど真ん中で向かい合う〝金獅子〟のシキと〝拳骨〟のガープ、そして〝鉃拳〟のフルボディは大戦争を行っているとは思えない陽気なムードを纏っている。

 

しかし、シキの眼は笑っておらず、憎悪や殺意など負の感情が混ざりあった、気を抜けば一瞬で意識を喰われかねない強大な『悪意』を宿す。

 

「なあ、ガープ、オレもお前も既に老骨の身だ。とっくに全盛期の強さには程遠い。こんなカスみてえな小島しか浮かばせられねえ。お前もそうだ、たった一撃で島を吹っ飛ばした怪力も衰えてやがる」

 

「フン。ワシは今でも現役のつもりじゃが、確かにワシも衰えは感じとる。だからこそ解せん。シキ、お前は何故今になってこんな子供じみた事を仕出かした?」

 

「ジハハハハ。そんなのは決まってるだろ?オレもお前もアイツも終われねえのさ。かつて東西南北の海を、偉大なる航路を、そして新世界を自由気ままに生き抜いたあの大海賊(・・・・・)と駆け抜けた激動の時代を、オレ達は忘れられねえのさ…!」

 

そう叫びながら降りてきたシキの身体を義足の代わりに支える双剣の足が畳に突き刺さり、ガープは見上げるようにシキに視線を向ける。

 

「オレ達は時代(ロジャー)に取り残されたんだ。だったら、アイツが悔しがる様なド派手な祭りを起こして、最高の土産話を作るしかねえだろ!?」

 

フルボディはまだ自分が生まれてすらいない時代を駆け抜けてきた男の言葉の節々に悲しさを感じ取り、思わず「ガープ中将もそうなのか?」と視線を向けてしまう。だが、彼は両腕を胸の前で組んだまま静かにシキの話を聞いているだけだ。

 

「ドイツもコイツも海賊王になるだァ!?その異名()はアイツの物だッ!!オレは空を統べる王となり、アイツと対等に渡り合える。前人未踏の蒼穹(そら)を支配する〝空賊王〟の異名()をこの世界に刻み付ける!!」

 

「……貴様の言いたいことは分かった。だが、アイツの生きざまを貴様の好き勝手な妄言と妄執を肯定する道具にさせるつもりは無いッ!!!」

 

「ああ、老いぼれの妄執で結構だッ!この世界に生まれ落ちた絶望を取り払ってくれた、最高の友達に捧げる最初で最後のサプライズだからなァッ!!!」

 

大気を揺るがすほど激しく放出された膨大な〝覇気〟に気圧されそうになりながらもフルボディは、とうとう始まってしまったガープとシキの戦いを見届けるために一瞬で飛びそうになる意識を留める。

 

 




〈シキ〉

〝金獅子〟のシキに転生した男

かつてはロックス海賊団、金獅子海賊団船長としてゴール・D・ロジャーと対等に渡り合える唯一の大海賊だったが、彼の死後は生気の抜けた様に肉体も覇気も衰えてしまい、自ら出頭してインペルダウンに投獄される。

しかし、ロジャー亡き後の〝新しい時代〟を生きる矜持を持ち合わせていない木っ端な海賊が『海賊王』の異名()を欲することに怒りを感じ、大海賊の覇気を取り戻してインペルダウンを堂々と出た。

同じ転生者のギルド・テゾーロの世界に対する「憎悪」には期待していたがフルボディに敗れたため、あっさりと身限ってフルボディ諸とも始末しようとした。だが、テゾーロの反逆でフルボディ達は生存。

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