【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「なあ、フルボディ」
「どうした?」
「マキノさんて、いいよな」
「それはどう答えるのが正解なんだ?」
ジャンゴの呟きに肯定したら物凄い此方を見つめている部下に何か恐ろしい仕打ちを受けそうだし、ジャンゴはワインをボトルで飲む度、どんどんと酔っていく。
はあ、オレは子守り役じゃないんだがな。
そんなことを考えながらルフィの後ろを歩いて追いかける。ジャンゴは「ひょっとしたら二人にも会えるかもな」とオレに言い、なぜか着いてこようとするジャンゴ。だから、オレはONE PIECEの知識を覚えてないんだよ。
「フルボディ、こっちだー!」
「どっちだ!?」
いきなり手足を伸ばして颯爽と山の中を移動するルフィにビックリするのも束の間、オレとジャンゴを置き去りにして、ワンパクな子供に翻弄されつつ、クモの巣や枯れ葉を全身にくっ付けて彼を追いかけ続ける。
「ここ、か?」
「……アンタ、誰だい?」
「海軍大佐のフルボディだ」
あばら屋を通り越して山小屋のごとき建築物に困惑していると強面のマダムに話し掛けられ、いつものように自己紹介を返した瞬間、オレの顔面に棍棒が叩き込まれた。
「もうガキのお守りはやらないよぉーーーっ!!!」
「あー、オレもルフィの子守り役だよ」
「あん?」
オレの言葉に棍棒を振る手を止めるマダム、その後ろに控える十数人の山賊スタイルの同年代のオッサンに親近感を抱きつつ、ルフィの行方を訊ねる。
「多分、エースとサボのところだが。アイツらの秘密基地はアタシでも見つけるのが難しいんだ!!そう易々と見つけられるなんて思わないことだね!」
「ただいま、ダダン!」
「おう、おかえり……ん?」
オレとマダムの間を駆け抜けていくルフィの図太さにオレは驚きつつ、なぜかボコボコにされてパンツ一枚のまま半泣き歩くジャンゴを見て、さらにオレは困惑する。
「おい、あんま気を落とすなよオッサン。いきなり猛獣に襲われて怖かったのは分かるけど、ずっと泣いてるんじゃ意味ねえぞ?」
「そうだぞー、オッサン。あとでオレ達がオッサンの荷物を取り返してやるから泣き止みなよ」
「すまねえ、すまねえなあ…!!」
グズグズに汚れた顔面を手で拭いながら歩くジャンゴを慰める二人の少年。おそらく彼らがマダムとジャンゴの話していた少年なんだろうが、あの鉄パイプはなんだ。
若干、血が付いてるんだが?
「ジャンゴ、どうしてそうなった」
「フルボディ、ここの猛獣マジで怖すぎる」
よく海賊と戦っている海兵の言葉じゃないなとは思うものの。まあ、ジャンゴも動物は苦手なんだろうとオレはひとりで勝手に納得し、ルフィを探しにマダムの暮らすあばら屋に入っていく。