【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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悪魔は愛を嗤う

万国(トットランド)に地獄が広がる。

 

シーザー・クラウンの造り上げた最悪のウイルス兵器『ゾナハ病』の乗った空気を吸い込み、ビッグ・マム海賊団および加盟国の重役、シャーロット一家、傘下の海賊団に至るまで地に伏し、苦しみの表情を浮かべている。

 

「シュロロロロロッ!!さあさあ、最悪の悪夢の始まりだぜ、トットランドにいるバカ共ッ!!テメー等の中で助かりたいヤツは高らかに相手を嘲笑え!己を貶め、貶し、蔑み、妬みを発露すれば助かるぞォッ!」

 

ホールケーキを模した建物の上に立つシーザー・クラウンの叫び声に促され、ゆっくりと罵詈雑言の嵐が、相手を嘲笑う言葉が飛び交い始める。

 

ゾナハ病のステージ1は笑顔を見れば助かる。

 

その真実を知らない愚かでバカな海賊達を見下ろしながらシーザー・クラウンはその口許を三日月のごとく吊り上げ、ケタケタと家族を貶してまで浅ましく助かろうとする薄汚い生き物に醜悪な笑みを向ける。

 

「オレはッ、お前が嫌いだ。カタクリッ!!」

 

「何故だ、オレとお前は兄弟だろ!」

 

「無敗の強さを持つお前に嫉妬し、憧れ、やがて憎悪すらしてしまったオレが、お前に出来ることなど薄汚れた感情をぶつけることだけだァ…!」

 

シーザー・クラウンの策に呑み込まれ、自分の醜い感情をさらけ出すシャーロット・オーブンと壮絶な殴り合いを始めるカタクリ。本来の歴史ではルフィと戦うはずだったが、二度と訪れないかもしれない憧れへの秘めた感情を爆発させ、ホールケーキアイランドの大地を焼き焦がし、砕く。

 

オーブンの食べた悪魔の実『ネツネツの実』は転生者シャーロット・レザンのアドバイスによって応用を増やしている。

 

「グッ、これは崩壊か!?」

 

「お前に勝つために知恵者のレザンに聞き、編み出した奥の手だ。オレの動き一つ一つがお前の身体にダメージを与える!!」

 

そう叫ぶオーブンの身体の近くで起こっているのは発汗した際に出来た気泡の瞬間的な蒸発と圧力の変動で発生する「キャビテーション現象」を利用した攻撃だ。

 

手足の関節部を曲げる、あるいは力みで生じる気泡を用いてオーブンは強烈無比・防御不可の衝撃波を打撃と併用してカタクリに叩き込んでいく。

 

「がはあっ!?」

 

「何故だ、何故抵抗しない!」

 

そんな二人の死闘を見下ろしながらシーザー・クラウンは狂ったように自分の身体を抱き締め、今にも爆発しそうな愉悦の感情を抑え込んでいる。

 

「嗚呼、嗚呼ッ、なんて醜い争いだ。自分の欲をさらけ出して、さっきまで仲良しこよしだった親兄弟が助かるために蹴落とし合う。人間の本性ってのはァ…ほんとうに怖くて堪らねえなァ~~ッッッ!!!!!」

 

もっとも最低最悪の科学者シーザー・クラウンにとって憎み合う家族というものは愉快なおもちゃ箱に等しい存在だ。例え相手が強かろうが関係なく、シーザー・クラウンは相手の嫌がる手段を率先して行う。

 

 

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