【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ハーハハマママッ!随分とオレの家族に嘗めた真似をするじゃねえかシーザー・クラウン!!ここで死にたいならハッキリ言えよ、虫ケラがァ!!!」
その一言に暴虐を尽くしていた結婚式場は静まり返る。巨人族とすら思える巨体、ピンクとホワイトを基調とした衣装に身を包んだ彼女の登場に誰もが意識を奪われ、その存在感に心身に緊張を走らせる。
四皇の一角、〝ビッグ・マム〟の二つ名を持つ大海賊にして世界全種に生きとし生ける種族を取り込み、自分勝手な幸せ家族を作り出そうと世界を荒らす怪物シャーロット・リンリンの放つ〝覇王色の覇気〟が大気を揺るがし、一人の男に叩き付けられる。
「シュロロロロロ。オレ様に言わせりゃあ嘗めた真似したのはソッチの方だぜ、シャーロット・リンリン。オレ様の兵器を勝手に持ち出した挙げ句、我が物顔で使いやがるその顔の厚さァ…!」
しかし、シーザー・クラウンは毛程も臆することなくビッグ・マムの眼前まで浮遊して降り立ちながら彼女の身勝手な行動で奪われた数々の兵器に対する怨み言を吐き捨て、彼女の意識を集める。
「お前の兵器だァ?あれは息子や娘がオレのために盗ってきたプレゼントだ。お前なんぞに頼んだ覚えはクッキーの欠片程も存在しねえよ!!」
「喜ぶな、クソババアァ!」
「誰がクソババアだ、この虫ケラがァ!!」
まるでハエを叩き落とすがごとく振るわれた手のひらがシーザーにぶつかろうとした次の瞬間、彼女の右手が爆炎に包まれて後ろに大きく弾ける。
「〝ガスタネット〟…!」
ずるりとガスローブの中から現れた両腕を左右に開き、大の字に構えるシーザーはニヤリとほくそ笑み、カカッ!カカカカカカッ!!と連続でカスタネットを打ち鳴らし、ビッグ・マムを小規模な爆発で包み込んでいく。
あまりの光景を唖然と見上げるビッグ・マム海賊団から来賓者に至るまで全ての視線と意識はシーザー・クラウンという最低最悪の科学者に集まり、先程まで激闘を繰り広げていたカタクリとオーブンも彼を見上げていた。
その間にゾナハ病に感染していたサンジを含めたヴィンスモーク家の関係者はルフィ達の手でカポネ・ベッジの城内に連れて行かれ、ゾナハ病唯一の特効薬
「鬱陶しいッ!!!」
「シュロロロロロ。あんまり動き回ると大事な大事な家族を踏み潰しちまうぜェ~~ッ!!まあ、テメーみてえに子供を作って『世界で一番幸せなのは私です!』なあァ~~んて考えるバカは類を見ねえけどなァ…!!」
「ぐううぅっ!!?」
視界と聴覚を同時に封じる爆音を受け、まともにシーザー・クラウンを感知できていないビッグ・マムは忌々しげに手を振るう度、その勢いで発生した暴風が彼女の子供や仲間、家族達を吹き飛ばしていることに彼女は全く気が付いてすらいない。
「頼む!頼むから!ママ、やめてくれ!」「お願い、とまってぇ!!」「クソ、爆発で聞こえねえんだ!」「シュトロイゼンを呼べェーー!!!」
「うぎゃあぁぁあああっ!!?オレの腕が、足がアア!!!」「いやあぁーーーっ!!暴れないでママァ~~!!」「止まれ!どまっでぐれえぇぇー!!!」
やがてシーザー・クラウンはカスタネットを鳴らすのを止め、ゆっくりと晴れる視界の先に見つけた彼にビッグ・マムは「バカがッ」と怒りに満ちた笑みを向ける。
だが、ニヤリと嗤ってシーザー・クラウンはビッグ・マムに見えるように態とらしく足元を指差す。その指に釣られてビッグ・マムは自分の足元を見つめ、動きを止めてしまった。
「あ、あァ……あア゛ァ゛あ゛ア゛ッ!!?」
「あ~あ、可哀想になァ~~ッ♪︎あんなに必死にお前を止めようとして、お前に殴られて、みィ~~んな倒れちまったぜ。大事な大事な家族なんだろぉ?愛してるならくだらない感情で我を忘れちゃあダメだよなァ?」
そこには、傷だらけで倒れ伏す家族がいた。
シーザー・クラウンの爆煙で見えなかったと言い訳を言えば事実と云える。が、しっかりと家族の事を考えていればビッグ・マムが我慢していれば、こんな事になることは絶対になかっただろう。
「ちゃんちゃん♪︎」