【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
サボと思わしき青年の登場に困惑しながらもフルボディは血反吐を吐いて立ち上がり、未だに動いていないサボと睨み合うルッチを押し退け、ゆっくりとサボの目の前まで歩いて近づく。
背中に掲げた鉄パイプはサボの使っていたモノに似ているが、長さも身体の成長に合わせて変えている。それに気配や彼の信念を秘めた強い眼差しも山賊の隠れ家で過し出会った過去のサボそのものだ。
「フルボディ、お前は下がっていろ。お前達とコイツの関係を詮索するつもりはないが、後でしっかりと事情聴取させてもらう…!」
「CP0最高戦力のロブ・ルッチだな!」
「オレの情報を横流ししているバカが世界政府に潜り込んでいるのか。後程スパンダイン総監督に報告する必要が出来たな〝
「ハハハッ、報告するのは病院でだなァッ!!」
極限まで指先を鍛え上げた超人体技〝指銃〟を抜き手の様に放つルッチに、サボは嬉々として〝武装色〟を纏った鉄パイプを振るい、凄まじい金属音を響かせながらルッチの抜き手を受け止める。
左の横薙ぎ、突き、振り上げ、右の袈裟斬り、がむしゃらに鉄パイプを振るっているように見えて精密機械の如く射程範囲を把握し、ルッチの間合いを潰してサボが苛烈に攻め立てる。
オレも早く参戦したいが、完全にビビっているゴア王国のアホ王ステリーがへたり込んでいるせいで二人の攻防に入り込める余裕がない上に、ジャンゴは他の護衛と一緒に避難を促している。
「棒遊びは他所でやれ!」
「チィッ!?」
遠心力で高めた打撃力を乗せた右の横薙ぎを繰り出すサボだったが、被弾覚悟で踏み込んだルッチによって鉄パイプを弾き飛ばされ、完全な無手になる。
「死ね…!」
「バカが〝竜爪拳〟ッ!!!」
サボは右手の指を第一・第二関節を折り曲げた熊手の様な張り手を振り抜き、ルッチの〝手銃〟に対抗する。しかし、貫通力は圧倒的にルッチに優勢だ。張り手や掌低など単純な打撃を打てば貫かれるだけだ。
だが、現実は違った。
「ガッ、ハア゛ァ゛ッ!?」
「ルッチが競り負けた…だと!?」
少なくともオレと同じぐらい強いルッチの右手は大きく後ろに弾かれ、鈍い音を響かせながら骨は砕け、指は見るも無惨にひしゃげ、サボの強烈な掌低を顔面に受けて壁を突き抜け、吹き飛ばされた。
「猫じゃ竜には勝てない。そしてオレの竜の爪は鋼鉄をも切り裂き、砕く」
そう言ってサボはゴキリと指先を鳴らす。
ルッチに勝ったついでにオレを相手にするつもりか。
「ジャンゴ、護衛は任せる」
「……だあぁぁぁーーーっ!!?もうホントになんなんだよ、お前らはよぉ!こちとらビッグ・マム海賊団のところで疲れてるんだぞ!?少しぐらい休ませてくれよ!」
「はっはっはっ、親友だろ?」
「ぐぬっ、むぐぐっ、わかった!わかったよ!」
ジャンゴに悪いとは思いながらもヤンチャする子供をお仕置きするのは大人の役目だ。それに記憶を思い出した方法も聞き出さなきゃならん。