【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
アイボリーとジャンゴを連れて〝真拳〟の最強を決めるという大会を開催する会場にオレはやって来ている。主催者は『祭り屋』と名乗る男だそうだが、あまりお祭り関連にはオレは詳しくない。
「あれは、毛狩り隊か!」
「ただのハゲたオッサンだろ」
「失礼ですよ、ジャンゴ氏」
ワイワイと賑やかな出店通りを抜けて、オレは〝第一回根菜ハジケパン焼き喧嘩祭り〟にエントリーするために受付役のオッサンに手渡された書類に書き込む。
わりと強そうなヤツがゴロゴロと石ころや野菜に扮して道端を転がっているし。カイドウと戦う日に備えて鍛え直すにはちょうど良いかも知れないが、下手したら負ける可能性のある連中もウヨウヨと魚に変身して堀を泳いでやがる。
「クッ、すでに戦いは始まっているのか…!」
「だから、ただの不審者だろうが」
「フルボディさん、今すぐ棄権しましょう。なんだかここにいるのが物凄く怖くなってきました」
ソフトハットを深く被り直して深い溜め息を吐いて呆れるジャンゴ、オレの腕に抱きついて顔色を悪くしながら必死に帰ろうと訴えるアイボリー、二人ともハジケる余裕もないみたいだ。
「クックックッ、待っていたぞフルボディ!」
「お前は、まさか!?」
「そう、この大会を楽しみに来た観客だ」
「「そこは選手じゃないのかよ!?」」
アイボリーとジャンゴのツッコミに動じることなく観客と名乗った男はビールを片手に人込みに消えていき、やがて美しい白鳥のパンツを纏って彼は鮮やかに、そして優雅に空へと舞い上がった。
「やはり、彼は〝ヴィク鳥ー真拳〟の使い手か」
「怖い、怖いです。フルボディさんが怖いです!」
「多分、会場の熱気に呑まれてるんだ」
オレの後ろで何かを話している二人に首を傾げつつ、第一回戦の仕合を告げるアナウンスに意識を集中させるつもりだが、ジャンゴの「いや、ハンペンの権三郎ってだれだよ!?」や「又聞きのサンチョパンサ!?」というツッコミにオレは意識を持っていかれる。
「ハアァァーーーッ!!行くぞ〝シャンプー真拳〟奥義ッ!!!」
「フッ、ならば此方も奥義で応えよう!我が〝一輪車真拳〟奥義を受けるが良いッ!!」
そう叫んだ両者は同時に飛び上がる。
「〝シャンプーハットはオシャレだもん〟ッ!!」
「〝スタンディング駆け出し一輪車拳〟ッ!!」
ハンペンの権三郎が構えていたシャンプーハットを被った河童をぶん投げ、又聞きのサンチョパンサは股がっていた一輪車を飛来する河童の皿に叩きつけ、皿が割れて気絶した河童がリングに倒れ伏す。
「クッ、なんて凄まじい攻防なんだ!?」
「えっ?えぇっ???」
「いや、マジで訳が分からん」