【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「いよいよ第三回戦か」
「なあ、もう帰ろうぜ?」
「そうですよ!遊んでないでフルボディさんもガープ中将の捜索に加わった方が良いですよ!」
ゴクリと生唾を飲むオレにジャンゴとアイボリーは真剣な眼差しで海軍本部に帰ろうと訴えてくる。だが、まだサボの記憶を甦らせたヤツを見つけていない。
「おっ、ようやく始まりみたいだ」
「うぅ、いつものフルボディさんじゃないです」
「仕事を押し付けすぎたか、やっぱり」
アイボリーにはすまないと思っているが、こんな強敵と戦える機会は滅多にないんだ。許してくれ、あとで説教もお仕置きも何でも受けるから…!
「フッフッフッ、オレの出番のようだな」
ぷるっ、ぷるん…!
ゆらりと風に靡くオレンジ色の寒天に誰もが意識を奪われる。あれは、まさしくオレンジ味のゼリーだ。ところてんより美味しいゼリーだ!
「オレはゼリー屋台を営んでいる通りすがりのゼリ太郎、必ずや角の欠けた豆腐師匠ためにもこのハジケ喧嘩祭りに優勝してみせるぜ!」
そう言って宣言するゼリ太郎に会場は盛大に沸き上がり、対戦相手の入場を今か今かと待ち望む声援が二人に向かって降り注ぐ。
「角の欠けた豆腐とは?」
「嬢ちゃん、考えるだけ無駄だぞ」
ツッコミを放棄し始めるジャンゴと豆腐に困惑するアイボリーの反応に、まだまだ二人はハジケる経験が足りていないみたいだなと思う。
「ほう、ゼリ太郎と申すか。某の相手は…」
かなり渋い声と共に雪駄を鳴らして現れた和服姿の対戦相手に今度は誰もが驚愕し、二人の身体を交互に見比べ始める。斯く言うジャンゴもアイボリーも他の観客と同じように二人を交互に見ている。
まあ、そうなるのも無理はない。
ゼリ太郎の対戦相手は、杏仁豆腐だった。
「あ、杏仁豆腐……だと!?」
「よもや忘れたか。この兄弟子の顔を…!」
唖然とするゼリ太郎に対して、杏仁豆腐はニヤリと闇を感じさせる笑みを返す。クッ、まさか角の欠けた豆腐師匠の弟子同士が戦うことになるのか!?
「なんだかシリアスな場面になりましたね」
「もう、ほっとけば勝手に終わるだろ」
「ツッコミ放棄はダメだぞ、ジャンゴ」
「ツッコミしねえのはお前のせいだよ!?」
そんなことを言い合いながらも試合開始の合図を聞くとアイボリーもジャンゴも真剣な眼差しを武舞台に向け、全く同じ構えを取った二人にゴクリと生唾を飲む。
「「〝プルプル真拳〟奥義────ッ!!!」」
しかし、二人の身体は柔らかな食べ物だがゼリーと杏仁豆腐ではレベル差は正しく雲泥の差と言える。だが、戦い方次第で二人の差はひっくり返るだろう。