【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「〝ゼリー鉄砲〟ッ!!」
「〝豆腐キャノン〟ッ!」
「「オレを食ええぇえぇっ!!!!」」
ゼリ太郎は角張った両腕を突き出して、怒涛の勢いで一口サイズのゼリーを乱射し、杏仁豆腐は自分の身体を叩いて身体を弾き出している。
「自傷行為はやめなさい!」
「いや、食べ物だからセーフだ」
「オレはゼリーや杏仁豆腐よりプリン派だ」
手当たり次第に身体を打ち出していた二人は、だんだんと小さくなっていき、5分も経たずに二人の身体は小さな子供より小さなモノに変わり、ほぼ赤ちゃんサイズになってしまっているのだ。
「ばぶー」
「きゃー、可愛い赤ちゃんだわ!」
おままごとを開始するプルプルした食べ物達はサッとジャンゴに視線を向けて、ツッコミを今か今かと待ち望んでいるが「……ツッコミしないからな?」と言われ、ショックを受けて武舞台に倒れ伏した。
「なぜだッッッッ!!!!!?」
「オレはツッコミ役じゃねえんだよ!?」
「私は妻ですよ?」
「そして、オレが夫だ」
「なんなんだよ、もおぉおぉーーーーっ!!!?」
オレとアイボリーの追撃に頭を抱えるジャンゴの面白い反応を楽しんでいた、そのときだった。凄まじい闘志を剥き出しにして立ち上がったゼリ太郎の真剣な眼差しに杏仁豆腐もまた応えるように構える。
フッ、ようやく本気の戦いが始まるか。
「ところで。フルボディさんはどちらが勝つと思っているんですか?」
「技の冴えは杏仁豆腐だが手数はゼリ太郎だな。どちらも外伝で主役に負ける中ボス級の強さは有している。まあ、例えるならジャンゴも本気にならないと勝つのが難しい強さだ」
「成る程、参考になります。でも、その例えだと何だかジャンゴ氏は食べ物にギリギリ勝つ強さしか持ち合わせていないように聴こえますね」
「お、オレには准将クラスの実力があるぞ?」
そう言ってアイボリーとオレに近づくジャンゴだが、少しずつ会場に順応し始めたアイボリーに着いてこれず、だんだんとツッコミが一人だけになっていることに気が付いてすらいない。
ふとオレを狙う気配を感じて後ろに振り返るも危険な存在や人物はおらず、ジャンゴも気配を感じていたのか。怪訝そうに周囲を見渡すが、見えるのは漬け物だけ。
「っと。そうだ、仕合だ」
「ふう、オレの勝ちだぜ」
「ぐふっ、さすがは豆腐師匠の認めた後継者だ」
「「って、終わってんじゃねえかあぁぁっ!!?」」
「二人とも頑張っていました」
パチパチと拍手するアイボリー。
クソ、あの気配に意識を逸らさなければ〝プルプル真拳〟の壮絶なバトルを見れたのに、気配の主を見つけたら本気のパンチをお見舞いしてやる。