【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
とうとうパンツも奪われたジャンゴはルフィ達に山賊の古着を貸してもらい、部下は一時的にフーシャ村のマキノさんのところに避難している。
やはり男ばかりでむさ苦しい場所にいるのは辛いんだろうかと思いながら両手を伸ばして、必殺技を作ろうと頑張るルフィをオレは静かに眺めている。
ガープ中将の孫にしてONE PIECEの主人公たる彼のポテンシャルはオレの想像を簡単に越えるほど凄まじく、オレの教える技を乾いたスポンジのように吸収し、自分の必殺技へと昇華している。
「〝ゴムゴムのォ〟…!」
キリキリと渦を巻くように捻れる右腕を後方に伸ばし、オレの事を狙うルフィ。ここで避けるのは簡単だが、そう易々と倒せる相手じゃないと教えておくのも悪くないはずだ、たぶん!
「〝
「おっ、今のはすごいな!?」
オレの土手っ腹にパンチが打ち込まれた瞬間、ドドンッ!と二重の衝撃を腹に感じ、僅かにオレの身体も後ろに下がっている。元々はトリコの必殺技のひとつ〝釘パンチ〟を軽く教えた程度だっていうのに、もう自分の技に作り替えてやがるぜ。
さすがは主人公だ。
「まだまだァ!〝ゴムゴムのォ〟…!!」
ドタドタと大股でオレに近寄ってきたルフィに土手っ腹を狙いやすいように大股で腰を沈めて踏ん張り、いつでも彼のパンチを受け止める構えを取る。
「〝鐘〟エェーーーッ!!」
「ヴッ」
ゴンッ!
鈍い音と共にオレは崩れ落ちた。
「股間は、股間に頭突きはやめようぜ、ルフィ…!」
オレは冷や汗やら脂汗を滝のようにダラダラと滴しながら、そうルフィに告げると「おう、わかった!フルボディには頭突きしない!」と言ってくれた。
ジャンゴに催眠術で痛みを中和してもらえるように頼むか?いや、さすがにパンツも荷物も取られたアイツに頼むのは流石に可愛そうだしな。
そんなことを考えていたおかげか、だんだんと和らいできた股間の痛みに耐えつつ、ゆっくりと立ち上がってルフィの頭を誤魔化すように撫でる。
「……ふう、よくやったな。今回はルフィの勝ちだ」
「えっ、ほんとか!?やったー!!フルボディに勝てたぁーー!!!おれ、今からエースとサボにもおれがフルボディに勝ったこと教えてくる!」
「お、おう、気を付けてな」
あんまり言いふらされたくないが、あんなにはしゃいでいる子供に自慢するなんて言いつけるのも悪いしな。うん、オレの名誉より子供の笑顔が優先だ。
「お、おい、どうしたんだ?フルボディ」
「ジャンゴか。いや、主人公の成長はすごいな」
「まあ、主人公だからなあ…」
オレとジャンゴは沁々とルフィの快活とした後ろ姿を見送りつつ、どうやってジャンゴの服とチャクラム、あと荷物を取り返すのかを話し合う。
〈ゴムゴムの
出典・トリコ/ONE PIECE
美食四天王トリコの〝釘パンチ〟という必殺技を教えた結果、新しく生まれた必殺技。〝ゴムゴムの回転弾〟に酷似しているが、相手に二重の衝撃を与える。