【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ジャンゴとアイボリーを観客席に残して、オレは武舞台に戻る。ハンペンの権三郎と戦うためだが、このハンペンの権三郎はサボの記憶を呼び起こしたヤツには到底思えない相手だ。
「フッ、お前に勝てば準決勝だ」
「ハンペンのクセに自信満々だな」
「これは当然の自負だ!オレの〝シャンプー真拳〟で貴様の〝手術真拳〟などいとも容易くけちょんけちょんの粉々に捻り潰してやる!!!」
そう叫ぶなり、ハンペンの権三郎は素早い動きでオレの背後に回り込んでくる。クッ、まさか試合開始のゴングを待たずに攻撃を仕掛けてくるのは…!
「貴様が如何に屈強な男だろうとこの奥義を受けてしまえば赤子も同然よ!〝シャンプー真拳・超奥義『地獄の泡立てリンシャン』〟ッ!!」
「ぐわあぁぁぁぁッ!!!?」
両手にシャンプーとリンスをたっぷりと蓄えたハンペンの権三郎は高速でオレの頭をシャカシャカと掻き回すようにリンシャンで泡を作り出し、フローラルな香りと共に強烈な刺激がオレの目を襲う。
あまりにも壮絶な痛みに両目を押さえて、地面に倒れ伏しそうになるが、なんとか堪える。が、オレの頭部はすでにシャンプーとリンスに包み込まれていた!
「やあ、リンシャンマンだよ!」
「フルボディさあぁぁーーーーんっ!!!?」
「フルボディイィィィィーーーッ!!?」
オレの事を呼ぶ二人にサムズアップを贈る。
「まだまだァ…!〝シャンプー真拳・奥義『頭皮摩擦ケア』〟ッ!!」
「ぐおおぉおぉおっ!!?身体が焼けるゥ!?」
「今度こそダメだアァァァッ!!?」
全身を炎に包まれたオレは泡を脱ぎ捨て、全身を包帯で包みながら着地する。
「お前はミイラマン…!ミイラマンじゃないか!」
「如何にも私はミイラマン!と見せ掛けての〝手術真拳・奥義『ミキサータイプの病院食』〟ッ!!!」
「うごぼえぇえっ!?」
とろろ芋、とろろ昆布、納豆、白納豆、オクラ、なめこをミキサーでかき混ぜた特製のブブ漬けをハンペンの権三郎の口にねじ込み、更に大量の白米をハンペンの権三郎の口の中に投下していく。
そして、仕合が終わる頃にはハンペンの権三郎は見事なライスボールに生まれ変わっていた。やはり、今の時代はハンペンよりおにぎりだ!
「……ジャンゴ氏、ハンペンっておにぎりに変身するものなんですか?」
「知らねえよお…!」
近くにいたコパッチにライスボールをプレゼントしてオレは準決勝へと勝ち進むことに成功した。ハンペンの権三郎、ヤツもまた強敵のひとりだった。
「しかし、勝つのはオレだ…!」