【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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熱狂の幕開け

ダンスを終えたフルボディ達はスモーカーとたしぎの二人に合流するため、突き上げる海流(ノックアップストリーム)で舞い上がる海賊船に夢中になっている海賊達を無視して、実況席に向かおうとした、その時────。

 

ガレオン船が空に向かって投げられた。

 

「は?」

 

ジャンゴの間抜けな呟きにフルボディも釣られて、無造作に投げられるがまま宙を舞うガレオン船は浮き島にぶつかり、凄まじい爆発を起こして島を粉々に爆砕し、すでに上陸していたルフィ達諸とも島を吹き飛ばす。

 

いや、あの程度の爆発で死ぬとは思えないが。おそらく手傷は負っている筈、シキとダグラス・バレットの二人と戦うのは難しくなるかも知れない。

 

そう考え込んでいたフルボディの身体が〝圧〟に強張り、ジャンゴはその強すぎる〝圧〟に冷や汗を流し、すでにチャクラムを構えている。

 

「上々の獲物が揃ってるじゃねえか」

 

───刹那、圧倒的な〝存在感〟を纏う軍服の大男が砕けた島の中央に降り立つ。その大男はジャンゴや会議の際に手渡された手配書に載っていたゴール・D・ロジャー海賊団、〝鬼の跡目〟ダグラス・バレットが麦わら海賊団〝(ゴッド)〟ウソップの頭を掴み、小さな木箱を手に持ち、悠然と佇んでいる。

 

「アイツが、ダグラス・バレット…!」

 

「何やってんだお前ェエェーーーッ!!!」

 

フルボディの呟きなど聴こえていないルフィは瞬時に血流を加速させて〝ギア2〟状態に変わり、皮膚は急速に全身を駆け巡る血流によって紅潮し、蒸気を放ちながらバレットに猛進し掛けた瞬間、彼の目の前に血まみれのウソップが放り出され、攻撃ではなく受け止める体勢になる。

 

だが、ルフィが受け止めたのは瞬間移動じみた〝剃〟で現れたバレットの巨拳だった。メキメキと鈍い音が身体に響かせ、ルフィは地面を抉って後ろに吹き飛び、海面に叩きつけられ、沈む───ことはなかった。

 

「海には気を付けろよ、ルフィ?」

 

「…いってぇッ!?あ、フルボディのオッサン!」

 

ルフィは流血する頭を押さえ、自分を抱き止めるフルボディを見るなり笑顔を見せるが直ぐにバレットに視線を戻し、地面に倒れ伏したまま動かないウソップへと目線をずらしていく。

 

「カハハハッ!!フルボディ、そうかお前がシキの言っていた有望株の二代目かァッ!!あの拳骨爺にも借りを返す予定だったが、まずはお前だ!」

 

「よぉうし、相手してやるよッ!!!」

 

しかし、ルフィを含めた「最悪の世代」が勢揃いする戦場で呵呵大笑の雄叫びを上げたバレットの視界に入っているのはフルボディだけだった。

 

初撃は両者同じく右の正拳突き。

 

読んで正しく〝暴力〟がぶつかり合う衝撃波に巻き込まれ、ルフィ達「最悪の世代」を除いた海賊達は強烈すぎる正拳の衝突によって更に遠くまで吹き飛ばされる最中、ジャンゴはフルボディの邪魔になる気絶した海賊、海兵を捕まえては叩き起こしていく。

 

「ジハハハハッ!!殺ってるなァ…バレット!」

 

「ぐっ、シキも来やがったのか!?」

 

災厄の招来。

 

ゴール・D・ロジャーに並び立つ世界最古の海賊して〝海賊王〟すら支配できなかった天空を統べる王〝空賊王〟シキがフルボディとダグラス・バレットの頭上に舞い降りるように現れた。

 

「お前ら、デカブツは任せる。オレはシキと戦う!」

 

「分かった!」

 

「命令すんじゃねえよクソ海兵!!」

 

「あァ!?」

 

「ジハハハハッ!!オレをご指名か二代目ェ!!」

 

フルボディの掛け声に協力、苛立ち、殺意、狂喜を孕んだ声が島全体に響き渡る。

 

 

 

 

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