【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝おやびん〟と〝暴かれた千両道化の本気〟

同時刻、海賊万博にて。

 

フルボディ達に協力しようとしていた〝国盗り〟フォクシーは動きたくても動けない状況に陥っていた。押し寄せ、迫り来る数千人のクローン人間から逃げ惑う弱小・中堅の海賊に加えて負傷した海軍の海兵を守るために、彼は覚醒した「ノロノロの実」の能力を最大限に発揮しているのだ。

 

「フェフェフェ…!ちと厳しいな、コイツは」 

 

「おやびん、がんばって!」

 

「救護班、もっと急いでくれ!」

 

本来は自分の身体を基点として放つ全方位拡散型の〝ノロノロ領域(エリア)〟を前方に展開するフォクシーが少しでも気を緩めれば無尽蔵に投下されるクローン人間が一斉に襲い掛かってくる。

 

それだけは絶対にダメだとフォクシーは歯を食い縛りながら敵対関係の海賊と海兵すらも庇い続けることを選んだ。すべては国を盗った王たる覚悟ゆえに────。

 

「この先はオレの領土(くに)だ。テメー等にオレの大事な民を蹂躙し、脅かす行為は到底見過ごすわけにはいかねえ所業…!オレを誰だと思っていやがる、天下無敵の〝国盗り〟フォクシーだぞォ…!!」

 

そう宣言する彼が纏うのは〝覇王色の覇気〟だ。

 

「「「お、おやびいぃぃんっ!!!」」」

 

彼の〝覇王色の覇気〟に本来ならば怯え竦む筈の海賊も海軍、彼を監視していた世界政府の役人さえも滝のような涙を垂れ流し、大号泣しながら彼を「おやびん」と呼び、尊敬の眼差しを向ける。

 

 


 

 

フォクシーが感動的な景色を作り出している傍らで王下七武海〝千両道化〟のバギーは飛び交う銃弾を〝Mr.3〟ギャルンディーノの作った蝋の壁で防ぎ、バギーズデリバリー達とクローン人間の猛攻に耐えていた。

 

「どうするんだガネ!?」

 

「このまま出ていったら蜂の巣確定だね」

 

そうバギーに訴えるのは彼の相棒となったギャルンディーノと同盟関係の海賊〝金棒〟のアルビダだ。しかし、この最悪の状況だというのにバギーは焦るそぶりを見せずに蝋の壁の隙間に目を向け、周囲を偵察していた。

 

「ヤロー共、打って出るぞ」

 

「ハアァーーーッ!!?気でも狂ったガネ!?」

 

「オレの〝奥の手〟は隠しておきたかったんだが」

 

ギャルンディーノの絶叫を無視して、バギーは蝋の壁に手を添えた瞬間、「ドクドクの実」の最高濃度の猛毒すら防御した蝋が粉々に砕けていく。

 

「は?」

 

「蝋がバラバラ(・・・・)に…!?」

 

二人の困惑と驚愕する言葉を合図に戦場に飛び出したバギーが無尽蔵に迫り来るクローン人間の身体にタッチした瞬間、彼らの身体はバラバラ(・・・・)に砕け、その場に蝋の残骸が崩れ落ちる。

 

「あのピエロは〝剃〟を使えたのかい?」

 

「いや、そんなの知らんが!?」

 

冷や汗を流すアルビダの目に映っているのは高速で戦場を駆け抜け、次々とクローン人間を無惨に惨たらしく恐ろしいほど冷徹にバラバラに帰るバギーの姿があった。

 

「あくまでオレは道化(・・)だ。メインの引き立て役にすら慣れないお調子者。だがな、お調子者も本気になりゃあ主役だってこなせるんだぜ?」

 

「「「きゃ、キャプテン・バギイィーーーッ!!」」」

 

少し戦闘の影響でズレた海賊帽を掴んで優雅に佇む船長に拍手喝采の大声援を張り上げる傘下の海賊達にバギーは呆れた溜め息をこぼす。

 

「ヤロー共、覚えておけ。道化(ピエロ)は全てを化かす、無貌の存在だ。悟られず、気づかれず、優雅で繊細に観客を楽しませる。それがお前達の頭を務める王下七武海〝千両道化〟バギーさまだ」

 

その出で立ちは正しく大海賊の姿だった。

 

 

 




〈バギー〉

バギーズデリバリー海賊団〝船長〟

ゴール・D・ロジャー率いるオーロ・ジャクソン号の船員見習いだった頃、ロジャー海賊団に乗船していた転生者の指導を受け、頭角を現すも〝ロジャーの後継者〟はシャンクスだと確信し、やがて〝道化〟に徹するようになる。

しかし、本来の実力はシャンクスと同等かつ〝六式〟に加えて〝見聞色の覇気〟と〝武装色の覇気〟を体得しており、現段階では王下七武海に収まっている事すら不思議すぎる実力者だ。


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