【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
キッドの〝磁気魔人〟すら取り込んでしまったバレットの振るう拳がルフィを吹き飛ばし、切り立った岩壁を突き抜け、轟音を響かせる。
ガラガラとルフィの直撃した岩壁に降り注ぐ土煙と石礫の雨を突っ切って、ルフィが何度目になるのかも分からない特攻をバレットに仕掛ける。
「ぬうぉおおぉああぁあぁぁっ!!!!」
バレットの身体にパンチの連打を叩き込ルフィは中途半端な〝ギア2〟と〝ギア4〟の混ざった不格好な状態で何百発か数え切れない勢いでパンチを打ち、ジリジリとバレットの纏った鉄の巨人の巨体を崖に押し込めていく。
一方的な攻撃だったが、バレットの繰り出したカチ上げるアッパーの一撃が千発を越えるパンチの差を一発でひっくり返した。
空中に打ち上げられたルフィは反撃を試みてもバレットの全身に纏う青黒い〝武装硬化〟の鎧を貫けず、落下してきたところを狙い済まして殴り飛ばされ────。
「わらわのルフィに何をしておるのじゃッ!!」
いや、逆に吹き飛んだのはバレットの拳だ。
突如、ルフィを守るように現れた美女の振るう蹴りが、ヒールの鋭い爪先がバレットの前腕に食い込み、ルフィを狙っていた拳撃は軌道を変えられたのだ。
「……そうか。お前が〝九蛇の女帝〟か」
「ほう、わらわを知っているか」
「は、ハンコック…!」
「はいっ♥」
凛とした佇まいで威圧的にバレットを睨み付けていた絶世の美女───〝海賊女帝〟ボア・ハンコックはルフィに名前を呼ばれた瞬間、恋する乙女のように彼の身体を抱き寄せ、愛しそうに抱き締める。
「チッ。戦いの邪魔をしやがって」
「黙れ、この筋肉単細胞めがッ!わらわの大事なルフィを傷付けた報いを受けよ!!」
彼女が物怖じしない性格だと知っているルフィは「ニシシッ」と楽しそうに笑い、自分の身体を抱き締めるハンコックの頭を撫でると直ぐに立ち上がる。
「ハンコック、助けてくれてありがとう」
「よいのじゃ。わらわは妻として、きゃっ♥」
自分の呟いた「妻として」という部分に照れるボア・ハンコックにバレットは呆れた視線を向け、すぐにルフィに視線を戻せば腕を噛み、空気を送り込んでいる。
「すでに全力を超えて〝覇気〟を放出してやがるクセに、まだまだ衰え知らずのこのパワー、あの頃のロジャーを思い出させやがる…!」
バレットはニヤリと笑みを深める。
そんな熱い展開を後方でフルボディと共にキングデューやシキと対峙していた筈のジャンゴが見た瞬間、つぅーっと目を閉じて悟りを開いたかのように「ここにもまた〝