【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ジハハハハハ。お前らの余興も中々に楽しめたが、そんなボロボロの身体でオレと本気で殺り合うつもりか?どうするよ、二代目」
「決まってる。オレがぶん殴って勝つだけだ」
「お前のそういうところ嫌いじゃないぜ」
「オレは疲れた。あとは任せる」
「おう。任せとけ」
二人の会話に呆れながらジャンゴは気絶したキングデューを〝ノッキング〟されたクローン人間達の近くまで運び、適当な石の上に腰掛けて壊れたサングラスを外し、新しいサングラスを装着する。
シキと睨み合うフルボディは所々布地の破れたシャツを脱ぎ捨て、ゆっくりと深呼吸を繰り返したかと思った次の瞬間、凄まじい〝碧い蒸気〟が巨大な炎のごとく吹き上がり、彼の肉体を包み込む。
「〝八門遁甲第七驚門〟……〝開〟ッ!!!」
「ソイツは〝覇気〟じゃねえな?」
その言葉にジャンゴは違和感を覚える。
しかし、それよりもフルボディの吹き出す闘志の熱量によって大気は揺らめきに、ダグラス・バレットが魅了され、バレットと戦っている筈の全ての「最悪の世代」がフルボディに意識を向けてしまう。
「さあ、始めようか…!」
「ジハハハハハッ!最高の夜になりそうだぜ」
刹那、二人の姿が掻き消える。
「フワフワの実」によって身体の重さを消したシキの〝剃〟はサイファーポールの精鋭より素早く軽やかな動きで音速に到達する。
その亜音速に追随するフルボディの肉体が纏う筈の〝八門遁甲〟の〝碧い蒸気〟はフルボディに追いつけず、彼の後を追うように青い線を空に描く。
卓越した〝見聞色の覇気〟を使えば二人の行動を予測し、予知し、予感し、見ることは出来るだろう。だが、二人の戦闘に割り込めるほどの強さを持つ海賊、海兵は片手で数えられる程度しかいない。
「確かアレは〝夕象〟だったかな」
フルボディは空気を殴り付けて、擬似的に飛び道具とする〝夕象〟によってシキの作り出す獅子の土流砂を吹き飛ばし、空気を蹴って空を跳ぶ。
世界政府の培ってきた超人体技〝六式〟の〝月歩〟にも見えるがフルボディはシンプルに力のみで空気を蹴り、空を蹴り上がってシキの顔面をぶん殴り、そのまま地面に叩きつ落とした。
「正しくソイツはガープの拳だなァ!!」
「確かにガープ中将はオレの師だが、この拳はオレの戦ってきた数多の強敵達と交わした誇りだ!テメーごときに見定められるモンじゃねえ!!!」
「ジハハハハハッ!それならオレがテメーの拳を砕いて、その御大層な誇りをブッ壊してやるよ」
フルボディの宣言に対して邪悪な笑みを地上に向け、その両足の剣に〝武装色の覇気〟を纏った。
「なッ、お前まさか!?」
「お前の誇りも仲間も消え去れ…!」
フルボディが攻撃を阻止しようとするよりも早くシキが両足の剣を振り乱し、強烈な〝武装色〟を纏った〝「飛ぶ」斬撃〟───〝獅子・千切谷〟がフルボディを、いや、地上にいるジャンゴ、キングデュー、バレット、「最悪の世代」にボア・ハンコックまで巻き込んで無尽蔵に降り注ぐ。
しかし、その斬撃は
「〝全方位拡散型ノロノロビーム〟だ。フェフェフェ…!オレの大事な友達に攻撃を仕掛けようなんざ百年早いぜ。さっさと決めな、フルボディ」
「サンキュー、フォクシー殿ッ!!」
フォクシーの声援に親指を立てて応えたフルボディは全身の〝碧い蒸気〟を更に強く迸らせ、シキよりも高く高く高く空に舞い上がっていく。
「まだオレは終わっちゃいねえ…!」
「いいや、これで終わりだ」
シキはフルボディを追いかけて舞い上がるが、空気を蹴るには面積の少ない剣足ではフルボディの純粋な脚力に追いつけず、すでに構えを整えたフルボディが静かに荒々しい闘志を纏ったままシキを見下ろす。
「〝プラニウム〟ウゥゥ……!!」
フルボディの胸筋の前に鮮やかに輝く緑光にジャンゴの顔が引き釣り、その場に居合わせている全ての人間に「今すぐ逃げろおぉぉぉーーーーっ!!!」と叫ぶ。
「〝バスタ〟アァァァーーーーーッ!!!」
浮かび上がった緑光の光弾を鷲掴んだフルボディは迫り来るシキに向かって渾身の右ストレートを叩き込んだ瞬間、強烈な閃光と爆発が起こり、凄まじい衝撃波が地面にまで迫ってくる。
「「「ふざけんな馬鹿野郎おぉぉ!!?」」」
「カハハハハッ!!ガープ、いや、ロジャーにも劣らねえ最高の一撃じゃねえか!?オレとも戦いやがれ、二代目〝拳骨〟のフルボディイィーーーッ!!」
だが、バレットだけは嬉々として跳んだ。
〈プラニウムバスター〉
出典・ウルトラマンタイガ
〝力の賢者〟ウルトラマンタイタスの必殺技
プラニウム光線のエネルギーを胸筋の前に集束し、パンチで放つ必殺光線なのだが、フルボディは光弾を握り締めて直接相手に叩き込んでいる。
ちなみにフルボディが〝プラニウム光弾〟を作り出せる理由は不明である。